介護職員処遇改善加算の金額とQ&Aまとめ【各論】

介護職員処遇改善加算とは、デイサービスなどの介護サービスに勤務する介護職員の処遇(給料)をアップすることを目的とした加算です。これから初めて算定をお考えの経営者・管理者の方は、どのように申請すれば良いのか?どれくらいの金額がもらえるのか?など様々な疑問があるのではないでしょうか。そこで今回は、介護職員処遇改善加算のQ&Aについて厚生労働省の資料をまとめてご紹介します。

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介護職員処遇改善加算の概要

介護職員処遇改善加算とは、介護職員のために介護サービス側がキャリアアップシステムを構築したり、職場環境の改善を行った事業所に対して与えられる加算です。

つまりこの加算は、「介護職員の賃金(給料)を上げるため」に加算という形で事業所にお金が支給されます。

 

▼処遇改善加算の算定要件や具体的な計算方法についてこちらの記事をご覧ください。

【関連記事】

介護職員処遇改善加算とは?計算方法から算定要件をまとめて解説します

平成29年度から見直された「加算Ⅰ」も合わせて、介護職員処遇改善加算の算定要件や計算方法についてまとめてわかりやすく説明します。

目的

介護職員処遇改善加算は、平成23年度までは「介護職員処遇改善交付金」と呼ばれていましたが、その後「介護職員の賃金(給与)の改善」にあてることを目的に「介護職員処遇改善加算」と改定が行われています。

【参考資料】

厚生労働省老健局 振興課・老人保健課「平成29年度介護報酬改定による介護職員処遇改善加算の拡充について」

平成30年6月10日アクセス

区分・金額

介護職員のための処遇改善加算では、どれくらいの金額がもらえるのでしょうか?

平成29年度4月1日から「介護職員処遇改善加算の拡充」が行われました。この見直しでは、「加算Ⅰ」が新しい区分として新設され、最大で「月額37,000円相当」の加算を算定できるようになりました。

 

介護職員処遇改善加算の区分(金額)

区分 金額

加算Ⅰ

1人あたり月額37,000円相当

加算Ⅱ

1人あたり月額27,000円相当

加算Ⅲ

1人あたり月額15,000円相当

加算Ⅳ

1人あたり月額13,500円相当

加算Ⅴ

1人あたり月額12,000円相当

※ただし、介護サービスに従事する介護職員に加算相当額の賃金(給与)の改善を行うことが必要になります。

【画像出典】

厚生労働省「介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について他(介護保険最新情報vol.582)」

平成30年6月10日アクセス

介護職員処遇改善加算のQ&A(厚生労働省より)

ではまず、厚生労働省の資料から介護職員処遇改善加算のQ&Aについてご紹介していきます。

【引用資料】

厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に関するQ&A

平成30年6月10日アクセス

処遇改善加算の趣旨・仕組みについて

まず、最初にご紹介するのが「介護職員処遇改善加算の趣旨や仕組み」についてのQ&Aです。

(問36) 

職員1 人当たり月額1万2千円相当の上乗せが行われることとなっており、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)が新設されたが、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)と介護職員処遇改善加算(Ⅱ)を同時に取得することによって上乗せ分が得られるのか、それとも新設の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)のみを取得すると上乗せ分も得られるのか。

(答)

新設の介護職員処遇改善加算(以下「処遇改善加算」という。)(Ⅰ)に設定されているサービスごとの加算率を1月当たりの総単位数に乗じることにより、月額2 万7 千円相当の加算が得られる仕組みとなっており、これまでに1万5千円相当の加算が得られる区分を取得していた事業所・施設は、処遇改善加算(Ⅰ)のみを取得することにより、月額1万2千円相当の上乗せ分が得られる。

なお、処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅳ)については、いずれかの区分で取得した場合、当該区分以外の処遇改善加算は取得できないことに留意すること。

(問37)

新設の介護職員処遇改善加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件について、具体的な違いをご教授いただきたい。

(答)

キャリアパス要件については、

① 職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件と賃金体系を定めること等(キャリアパス要件Ⅰ)

② 資質向上のための具体的な計画を策定し、研修の実施又は研修の機会を確保していること等(キャリアパス要件Ⅱ)

があり、処遇改善加算(Ⅱ)については、キャリアパス要件Ⅰかキャリアパス要件Ⅱのいずれかの要件を満たせば取得可能であるのに対して、処遇改善加算(Ⅰ)については、その両方の要件を満たせば取得可能となる。

また、職場環境等要件については、実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に周知している必要があり、処遇改善加算(Ⅱ)については、平成20 年10月から実施した取組が対象であるのに対して、処遇改善加算(Ⅰ)については、平成27年4月から実施した取組が対象となる。

なお、処遇改善加算(Ⅰ)の職場環境等要件について、平成27 年9月末までに届出を行う場合には、実施予定である処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に周知していることをもって、要件を満たしたものとしている。

(問38)

事業者が加算の算定額に相当する介護職員の賃金改善を実施する際、賃金改善の基準点はいつなのか。

(答)

賃金改善は、加算を取得していない場合の賃金水準と、加算を取得し実施される賃金水準の改善見込額との差分を用いて算定されるものであり、比較対象となる加算を取得していない場合の賃金水準とは、以下のとおりである。

なお、加算を取得する月の属する年度の前年度に勤務実績のない介護職員については、その職員と同職であって、勤続年数等が同等の職員の賃金水準と比較する。

○ 平成26 年度以前に加算を取得していた介護サービス事業者等の介護職員の場合、次のいずれかの賃金水準

・加算を取得する直前の時期の賃金水準(介護職員処遇改善交付金(以下「交付金」という。)を取得していた場合は、交付金による賃金改善の部分を除く。)

・加算を取得する月の属する年度の前年度の賃金水準(加算の取得による賃金改善の部分を除く。)

○ 平成26 年度以前に加算を取得していない介護サービス事業者等の介護職員の場合加算を取得する月の属する年度の前年度の賃金水準

(問39)

職場環境等要件(旧定量的要件)で求められる「賃金改善以外の処遇改善への取組」とは、具体的にどのようなものか。

また、処遇改善加算(Ⅰ)を取得するに当たって、平成27 年4 月以前から継続して実施している処遇改善の内容を強化・充実した場合は、算定要件を満たしたものと取り扱ってよいか。更に、過去に実施した賃金改善以外の処遇改善の取組と、平成27 年4 月以降に実施した賃金改善以外の取組は、届出書の中でどのように判別するのか。

(答)

職場環境等要件を満たすための具体的な事例は、平成27 年3月31 日に発出された老発0331 第34 号の別紙様式2の(3)を参照されたい。

また、処遇改善加算(Ⅰ)を取得するに当たって平成27 年4月から実施した賃金改善以外の処遇改善の取組内容を記載する際に、別紙様式2の(3)の項目について、平成20年10月から実施した当該取組内容と重複することは差し支えないが、別の取組である

ことが分かるように記載すること。

例えば、平成20 年10 月から実施した取組内容として、介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットを導入し、平成27 年4 月から実施した取組内容として、同様の目的でリフト等の介護機器等を導入した場合、別紙様式2の(3)においては、同様に「介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入」にチェックすることになるが、それぞれが別の取組であり、平成27年4月から実施した新しい取組内容であることから、その他の欄にその旨が分かるように記載すること等が考えられる。

(問40)

 一時金で処遇改善を行う場合、「一時金支給日まで在籍している者のみに支給する(支給日前に退職した者には全く支払われない)」という取扱いは可能か。

(答)

処遇改善加算の算定要件は、賃金改善に要する額が処遇改善加算による収入を上回ることであり、事業所(法人)全体での賃金改善が要件を満たしていれば、一部の介護職員を対象としないことは可能である。

ただし、この場合を含め、事業者は、賃金改善の対象者、支払いの時期、要件、賃金改善額等について、計画書等に明記し、職員に周知すること。

また、介護職員から加算に係る賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員についての賃金改善の内容について書面を用いるなど分かりやすく説明すること。

(問41)

介護予防訪問介護と介護予防通所介護については、処遇改善加算の対象サービスとなっているが、総合事業へ移行した場合、処遇改善加算の取扱いはどのようになるのか。

(答)

介護予防・日常生活支援総合事業に移行した場合には、保険給付としての同加算は取得できない取扱いとなる。

(問42)

処遇改善加算の算定要件である「処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善」に関して、下記の取組に要した費用を賃金改善として計上して差し支えないか。

① 法人で受講を認めた研修に関する参加費や教材費等について、あらかじめ介護職員の賃金に上乗せして支給すること。

② 研修に関する交通費について、あらかじめ介護職員に賃金に上乗せして支給すること。

③ 介護職員の健康診断費用や、外部から講師を招いて研修を実施する際の費用を法人が肩代わりし、当該費用を介護職員の賃金改善とすること。

(答)

処遇改善加算を取得した介護サービス事業者等は、処遇改善加算の算定額に相当する。

賃金改善の実施と併せて、キャリアパス要件や職場環境等要件を満たす必要があるが、当該取組に要する費用については、算定要件における賃金改善の実施に要する費用に含まれない。当該取組に要する費用以外であって、処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を行うための具体的な方法については、労使で適切に話し合った上で決定すること。

(問43)

平成26 年度以前に処遇改善加算を取得していた介護サービス事業者等の介護職員の賃金改善の基準点の1つに「加算を取得する直前の時期の賃金水準(交付金を取得していた場合は、交付金による賃金改善の部分を除く。)」とあるが、直前の時期とは、具体的にいつまでを指すのか。交付金を受けていた事業所については、交付金が取得可能となる前の平成21 年9月以前の賃金水準を基準点とすることはできるか。

(答)

平成26年度以前に従来の処遇改善加算を取得していた介護サービス事業者等で、交付金を受けていた事業所の介護職員の賃金改善に当たっての「直前の時期の賃金水準」とは、平成24 年度介護報酬改定Q&A(vol.1)(平成24 年3月16 日)処遇改善加算の問223 における取扱いと同様に、平成23 年度の賃金水準(交付金を取得していた場合は、交付金による賃金改善の部分を除く。)をいう。

したがって、平成24 年度介護報酬改定における取扱いと同様に、交付金が取得可能となる前の平成21 年9月以前の賃金水準を賃金改善の基準点とすることはできない。

(問44)

平成26 年度以前に従来の処遇改善加算を取得した際、職場環境等要件(旧定量的要件)について、2つ以上の取組を実施した旨を申請していた場合、今般、新しい処遇改善加算を取得するに当たって、平成27 年4月から実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に対して、新たに周知する必要があるのか。

(答)

職場環境等要件(旧定量的要件)について、2つ以上の取組を実施した旨を過去に申請していたとしても、あくまでも従来の処遇改善加算を取得するに当たっての申請内容であることから、今般、新しい処遇改善加算を取得するに当たっては、平成27年4月から実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に対して、新たに周知する必要がある。

なお、その取組内容を記載する際に、別紙様式2の(3)の項目の上で、平成20年10月から実施した当該取組内容と重複することは差し支えないが、別の取組であることが分かるように記載すること。

(問45)

職場環境等要件について、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」といったカテゴリー別に例示が挙げられているが、処遇改善加算を取得するに当たっては、各カテゴリーにおいて1つ以上の取組を実施する必要があるのか。

(答)

あくまでも例示を分類したものであり、例示全体を参考とし、選択したキャリアパスに関する要件と明らかに重複する事項でないものを1つ以上実施すること。

(問46)

平成27 年度に処遇改善加算を取得するに当たって、賃金改善に係る比較時点として、平成26 年度の賃金水準と比較する場合であって、平成26 年度中に定期昇給が行われた場合、前年度となる平成26 年度の賃金水準については、定期昇給前の賃金水準となるのか、定期昇給後の賃金水準となるのか、又は年度平均の賃金水準になるのか。

(答)

前年度の賃金水準とは、前年度に介護職員に支給した賃金総額や、前年度の介護職員一人当たりの賃金月額である。

(問47)

今般、処遇改善加算を新しく取得するに当たって、処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善分について、以下の内容を充てることを労使で合意した場合、算定要件にある当該賃金改善分とすることは差し支えないか。

① 過去に自主的に実施した賃金改善分

② 通常の定期昇給等によって実施された賃金改善分

(答)

賃金改善は、加算を取得していない場合の賃金水準と、加算を取得し実施される賃金水準の改善見込額との差分を用いて算定されるものであり、比較対象となる加算を取得していない場合の賃金水準とは、 平成26 年度以前に加算を取得していた介護サービス事業者等の介護職員の場合、次のいずれかの賃金水準としている。

・加算を取得する直前の時期の賃金水準(交付金を取得していた場合は、交付金による賃金改善の部分を除く。)

・加算を取得する月の属する年度の前年度の賃金水準(加算の取得による賃金改善の部分を除く。)

したがって、比較対象となる加算を取得していない場合の賃金水準と比較して、賃金改善が行われていることが算定要件として必要なものであり、賃金改善の方法の一つとして、当該賃金改善分に、過去に自主的に実施した賃金改善分や、定期昇給等による賃金改善分を含むことはできる。

(問48)

 平成27 年度以降に処遇改善加算を取得するに当たって、賃金改善の見込額を算定するために必要な「加算を取得していない場合の賃金の総額」の時点については、どのような取扱いとなるのか。

(答)

賃金改善に係る比較時点に関して、加算を取得していない場合の賃金水準とは、平成26年度以前に処遇改善加算を取得していた場合、以下のいずれかの賃金水準となる。

・処遇改善加算を取得する直前の時期の賃金水準(交付金を取得していた場合は、交付金による賃金改善の部分を除く。)

・処遇改善加算を取得する月の属する年度の前年度の賃金水準(加算の取得による賃金改善の部分を除く。)

平成26 年度以前に処遇改善加算を取得していない場合は、処遇改善加算を取得する月の属する年度の前年度の賃金水準となる。

また、事務の簡素化の観点から、平成27 年3月31 日に発出された老発0331 第34 号の2(3)①ロのただし書きによる簡素な計算方法により処遇改善加算(Ⅰ)を取得する場合の「加算を取得していない場合の賃金の総額」は、処遇改善加算(Ⅰ)を初めて取得する月の属する年度の前年度の賃金の総額であって、従来の処遇改善加算(Ⅰ)を取得し実施された賃金の総額となる。

このため、例えば、従来の処遇改善加算(Ⅰ)を取得していた場合であって、平成27年度に処遇改善加算(Ⅰ)を初めて取得し、上記のような簡素な計算方法によって、平成28年度も引き続き処遇改善加算(Ⅰ)を取得するに当たっての「加算を取得していない場合の賃金の総額」の時点は、平成26年度の賃金の総額となる。

(問49)

介護職員が派遣労働者の場合であっても、処遇改善加算の対象となるのか。

(答)

介護職員であれば派遣労働者であっても、処遇改善加算の対象とすることは可能であり、賃金改善を行う方法等について派遣元と相談した上で、介護職員処遇改善計画書や介護職員処遇改善実績報告書について、対象とする派遣労働者を含めて作成すること。

(問50)

平成27 年度から新たに介護サービス事業所・施設を開設する場合も処遇改善加算の取得は可能か。

(答)

新規事業所・施設についても、加算の取得は可能である。この場合において、介護職員処遇改善計画書には、処遇改善加算を取得していない場合の賃金水準からの賃金改善額や、賃金改善を行う方法等について明確にすることが必要である。なお、方法は就業規則、雇用契約書等に記載する方法が考えられる。

処遇改善加算の申請期日・申請手続きについて

続いて、「介護職員処遇改善加算の申請手続きについてQ&Aをまとめてご紹介します。

 

(問51)

介護職員処遇改善加算の届出は毎年度必要か。平成27 年度に処遇改善加算を取得しており、平成28 年度にも処遇改善加算を取得する場合、再度届け出る必要があるのか。

(答)

処遇改善加算を算定しようとする事業所が前年度も加算を算定している場合、介護職員処遇改善計画書は毎年度提出する必要があるが、既に提出された計画書添付書類については、その内容に変更(加算取得に影響のない軽微な変更を含む)がない場合は、その提出を省略させることができる。

(問52)

従来の処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)については、改正後には処遇改善加算(Ⅱ)~(Ⅳ)となるが、既存の届出内容に変更点がない場合であっても、介護給付費算定に係る介護給付費算定等体制届出書の提出は必須か。

(答)

介護給付費算定に係る体制状況一覧については、その内容に変更がある場合は届出が必要になるが、各自治体の判断において対応が可能であれば、届出書は不要として差し支えない。

(問53)

処遇改善加算(Ⅰ)の算定要件に、「平成27 年4 月から(2)の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること」とあり、処遇改善加算(Ⅰ)は平成27 年4 月から算定できないのか。

(答)

処遇改善加算(Ⅰ)の職場環境等要件について、平成27 年9月末までに届出を行う場合には、実施予定である処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に周知していることをもって、要件を満たしたものとしている。

(問54)

これまでに処遇改善加算を取得していない事業所・施設も含め、平成27年4月から処遇改善加算を取得するに当たって、介護職員処遇改善計画書や介護給付費算定に係る体制状況一覧の必要な書類の提出期限はいつ頃までなのか。

(答)

平成27年4月から処遇改善加算を取得しようとする介護サービス事業者等は、4月15日までに介護職員処遇改善計画書の案や介護給付費算定に係る体制等に関する届出を都道府県知事等に提出し、4月末までに確定した介護職員処遇改善計画書及び計画書添付書類を提出する必要がある。

(問55)

処遇改善加算に係る届出において、平成26 年度まで処遇改善加算を取得していた事業所については、一部添付書類(就業規則等)の省略を行ってよいか。

(答)

前年度に処遇改善加算を算定している場合であって、既に提出された計画書添付書類に関する事項に変更がない場合は、各自治体の判断により、その提出を省略して差し支えない。

 

処遇改善加算の特別な届出書について

続いて、「介護職員処遇改善加算の届出書類」の中でも、特別な申請の場合についてのQ&Aについてご紹介します。

 

(問56)

基本給は改善しているが、賞与を引き下げることで、あらかじめ設定した賃金改善実施期間の介護職員の賃金が引き下げられた場合の取扱いはどうなるのか。その際には、どのような資料の提出が必要となるのか。

(答)

処遇改善加算を用いて賃金改善を行うために一部の賃金項目を引き上げた場合であっても、事業の継続を図るために、賃金改善実施期間の賃金が引き下げられた場合については、特別事情届出書を届け出る必要がある。

なお、介護職員の賃金水準を引き下げた後、その要因である特別な状況が改善した場合には、可能な限り速やかに介護職員の賃金水準を引下げ前の水準に戻す必要がある。

また、その際の特別事情届出書は、以下の内容が把握可能となっている必要がある。

・処遇改善加算を取得している介護サービス事業所等の法人の収支(介護事業による収支に限る。)について、サービス利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示す内容

・介護職員の賃金水準の引下げの内容

・当該法人の経営及び介護職員の賃金水準の改善の見込み

・介護職員の賃金水準を引き下げることについて、適切に労使の合意を得ていること等の必要な手続きを行った旨

(問57)

賃金改善実施期間の賃金が引き下げられた場合であっても、加算の算定額以上の賃金改善が実施されていれば、特別事情届出書は提出しなくてもよいのか。

(答)

処遇改善加算は、平成27 年3月31 日に発出された老発0331 第34 号の2(2)②の賃金改善に係る比較時点の考え方や、2(3)①ロのただし書きによる簡素な計算方法の比較時点の考え方に基づき、各事業所・施設が選択した「処遇改善加算を取得していない場合の賃金水準」と比較し、処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善の実施を求めるものであり、当該賃金改善が実施されない場合は、特別事情届出書の提出が必要である。

(問58)

一部の職員の賃金水準を引き下げたが、一部の職員の賃金水準を引き上げた結果、事業所・施設の介護職員全体の賃金水準は低下していない場合、特別事情届出書の提出はしなくてよいか。

(答)

一部の職員の賃金水準を引き下げた場合であっても、事業所・施設の介護職員全体の賃金水準が低下していない場合は、特別事情届出書を提出する必要はない。

ただし、事業者は一部の職員の賃金水準を引き下げた合理的な理由について労働者にしっかりと説明した上で、適切に労使合意を得ること。

(問59)

法人の業績不振に伴い業績連動型の賞与や手当が減額された結果、賃金改善実施期間の賃金が引き下げられた場合、特別事情届出書の提出は必要なのか。

(答)

事業の継続を図るために特別事情届出書を提出した場合を除き、賃金水準を低下させてはならないため、業績連動型の賞与や手当が減額された結果、賃金改善実施期間の賃金が引き下げられた場合、特別事情届出書の提出が必要である。

(問60)

事業の継続が可能にもかかわらず経営の効率化を図るといった理由や、介護報酬改定の影響のみを理由として、特別事情届出書を届け出ることが可能か。

(答)

特別事情届出書による取扱いについては、事業の継続を図るために認められた例外的な取扱いであることから、事業の継続が可能にもかかわらず経営の効率化を図るといった理由で、介護職員の賃金水準を引き下げることはできない。

また、特別事情届出書による取扱いの可否については、介護報酬改定のみをもって一律に判断されるものではなく、法人の経営が悪化していること等の以下の内容が適切に把握可能となっている必要がある。

・処遇改善加算を取得している介護サービス事業所等の法人の収支(介護事業による収支に限る。)について、サービス利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示す内容

・介護職員の賃金水準の引下げの内容

・当該法人の経営及び介護職員の賃金水準の改善の見込み

・介護職員の賃金水準を引き下げることについて、適切に労使の合意を得ていること等の必要な手続きを行った旨

(問61)

新しい処遇改善加算を取得するに当たってあらかじめ特別事情届出書を提出し、事業の継続を図るために、介護職員の賃金水準(加算による賃金改善分を除く。)を引き下げた上で賃金改善を行う予定であっても、当該加算の取得は可能なのか。

(答)

特別事情届出書を届け出ることにより、事業の継続を図るために、介護職員の賃金水準(加算による賃金改善分を除く。)を引き下げた上で賃金改善を行うことが可能であるが、介護職員の賃金水準を引き下げた後、その要因である特別な状況が改善した場合には、可能な限り速やかに介護職員の賃金水準を引下げ前の水準に戻す必要があることから、本取扱いについては、あくまでも一時的な対応といった位置付けのものである。

したがって、新しい処遇改善加算を取得するに当たってあらかじめ特別事情届出書を提出するものではなく、特別な事情により介護職員処遇改善計画書に規定した賃金改善を実施することが困難と判明した、又はその蓋然性が高いと見込まれた時点で、当該届出書を提出すること。

(問62)

特別事情届出書を提出し、介護職員の賃金水準(加算による賃金改善分を除く。)を引き下げた上で賃金改善を行う場合、賃金水準の引下げに当たっての比較時点はいつになるのか。

(答)

平成27年3月31 日に発出された老発0331 第34 号の2(2)②の賃金改善に係る比較時点の考え方や、2(3)①ロのただし書きによる簡素な計算方法の比較時点の考え方に基づき、各事業所・施設が選択した「処遇改善加算を取得していない場合の賃金水準」と比較すること。

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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