栄養改善加算とは|算定要件から平成30年度介護報酬改定の変更をご紹介

栄養改善加算とは、ご高齢者に対して栄養状態の維持・改善をすることで算定できる加算です。平成30年度(2018年)の介護報酬改定では、外部との連携で管理栄養士を1名以上配置で算定が可能に。厚生労働省の栄養ケア計画書書式の項目は、解決すべき課題(ニーズ)、目標と期間、栄養ケアの内容、担当者、頻度、期間、経過記録など。今回は、栄養改善加算の算定要件と見直しされた人員要件についてまとめてご紹介します。

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栄養改善加算とは

栄養改善加算とは

栄養改善加算とは、低栄養状態またはそのおそれがあるご高齢者に対して、栄養状態の改善を図る相談や管理といったサービスを提供した場合に算定できる加算です。

この加算では、利用者の心身状態の維持または向上を含め、栄養改善の対するサービスを提供します。

栄養改善加算を算定できる事業所とは

栄養改善加算を算定できる介護サービスは、こちらです。

デイサービス(通所介護)

通所介護・介護予防通所介護・日常生活支援総合事業通所型サービス

デイケア(通所リハビリテーション)

 

【関連記事】

介護予防通所介護の運営基準(総合事業における通所介護相当サービス)のまとめ

栄養改善加算の単位数(点数)について

栄養改善加算の単位数は、要介護、要支援ともに1回につき「150単位」を算定することができます。

※ただし、原則3カ月以内であり、要介護者は月2回、要支援者は月1回までを上限とします。

類似する栄養加算について

栄養改善加算と類似する加算に「栄養スクリーニング加算」があります。栄養スクリーニング加算については、こちらの記事がオススメです!

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栄養スクリーニング加算とは?算定要件からQ&Aのまとめ【新設加算

通所介護や通所リハビリ、小規模多機能、グループホーム、特定施設などで算定することができる栄養スクリーニング加算は、管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な加算です。栄養スクリーニング加算について算定要件からQ&Aまでまとめてご紹介します。

栄養改善加算の算定要件について

栄養改善加算の算定要件

栄養改善加算を算定するためには、都道府県や指定都市などの指定官庁へ届け出が必須であり、「事業所の算定要件」と「対象者の算定要件」が定められています。

 

事業所の算定要件

栄養改善加算を取得するための事業所の算定要件は以下の通りです。

管理栄養士を1名以上配置すること。または、外部(他の介護事業所・医療機関・栄養ケア・ステーション)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。

※常勤に限らず非常勤でも配置できるが、その場合サービス提供が遂行できる勤務体制を整えること。

◯ ご利用者ごとの摂食・嚥下機能および食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成し、状態を定期的に記録すること。

◯ 栄養改善サービス提供の手順を実施すること。

◯ 計画の進歩状況を定期的に評価すること。

◯ 厚生労働大臣の定める基準を満たした指定通所介護事業所であること。

【引用】

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービ ス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援 に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について 

 

対象者の算定要件

栄養改善加算を取得するためには、以下のいずれかに該当するご利用者がいる必要があります。

 

◯ 過去6か月の間に3%以上、もしくは2、3kg以上の体重の減少が認められる者

◯ 食事摂取量が不良(75%以下)の者

◯ 血清アルブミン値が3.5g/dl以下の者

◯ BMIが18.5未満の者

◯ そのほか低栄養状態にある、またはそのおそれがあると認められた者

 

また、以下の問題が認められた者に対して、対象者に該当するか確認が必要となります。

◯ 口腔および摂食・嚥下機能

◯ 生活機能の低下

◯ 褥瘡に関する事柄

◯ 食欲の低下

◯ 閉じこもり

◯ 認知症

◯ うつ

▼低栄養状態のご高齢者を「サルコペニア」といいます。サルコペニアについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

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ご高齢者の指導する上で大切な「サルコペニアと栄養」の評価方法など基本的な知識をご紹介します。

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栄養マネジメント加算とは|算定要件から平成30年度の見直しについて

栄養マネジメント加算とは、栄養士によってご利用者様にあった「栄養」を管理(マネジメント)した場合に算定できる加算です。平成30年度の介護報酬改定では、栄養マネジメント加算の算定要件が緩和され、介護施設は算定しやすくなりました。そこで今回は、栄養マネジメント加算の算定要件や管理栄養士の人員配置、栄養改善加算との違いなどを平成30年度の算定要件の見直しについてまとめてご紹介します。

栄養改善加算算定に必要な栄養ケア計画書の書式(厚生労働省)

栄養改善加算算定に必要な栄養ケア計画書の書式(厚生労働省)

引用:厚生労働省が事務処理手順例・様式例を示している加算等について(引用日 2018.12.11)

栄養改善加算は、算定要件に示したように栄養ケア計画書が必要で、厚生労働省が事務処理手順例・書式様式例を示しています。

栄養改善加算算定にあたり、必ず厚生労働省の提示した書式で栄養ケア計画書を作成することは求めていませんが、栄養改善加算の算定にあたっては手順としてこの様式の項目を満たす必要があります。

栄養改善加算の栄養ケア計画書の項目

栄養ケア計画書の項目としては、利用者の家族の意向、解決すべき課題(ニーズ)、長期目標(ゴール)と期間、短期目標と期間、栄養ケアの具体的内容、担当者、頻度、期間、栄養ケア提供経過記録などが含まれています。

栄養ケア計画書の項目は、次で紹介する栄養改善加算の意義や目的に繋がります。

 

栄養改善加算の意義・目的について 

栄養改善加算の意義・目的

ご高齢者にとって栄養改善加算はどのような意義・目的があるのでしょうか?

栄養改善加算の意義・目的

1)楽しみ、生きがいと社会参加の支援 

要介護のご高齢者にとって食べることは、日常生活での「楽しみ」を担っています。また、要支援者のご高齢者にとっては、友人や家族との外食、買い物や料理などの「社会参加」への意欲が向上する重要な活動です。

2)生活の質(QOL)の向上

食べることは、ご高齢者とそのご家族や友人との「コミュ ニケーション」が楽しめる活動です。また、睡眠と食事は密接な関係性があり、食事のリズムを整えることによって規則的な生体リズムを形成し、体内の消化酵素やホルモンの分泌、神経調節、臓器組織の活性のバランスを保を保つ重要な活動です。

3)低栄養状態の予防

ご高齢者の低栄養状態の改善は、介護予防の観点からは糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病に対する食事療法も重要な活動とされています。

「栄養改善マニュアル(改訂版)」平成21年3月 

研究班長 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 杉山 みち子

栄養マネジメント加算と栄養改善加算の違いについて

栄養マネジメント加算と栄養改善加算の違いについて見ていきましょう。

 

栄養マネジメント加算

栄養改善加算

対象事業所

○介護老人福祉施設

○介護老人保健施設

○介護療養型医療施設

○地域密着型介護老人福祉施設

○デイサービス(通所介護)

○総合事業通所型サービス

○デイケア(通所リハ)

単位数

1日あたり14単位

要介護、要支援ともに1回につき

150単位」を算定

栄養改善加算の算定状況について

栄養改善加算の算定状況

栄養改善加算の算定している事業所は、どれくらいあるか知っていますか?

独立行政法人 国立健康・栄養研究所(平成25年に実施)の調査によると、栄養改善加算を算定している事業所は必要に少ないことがわかります。

 

栄養改善加算の算定状況

◯ 算定は「9.3%

◯ 未算定は「86.0%

 

栄養改善加算の算定をしない理由

◯ 栄養改善サービスが必要と思われる利用者がないためは、「32.6%

◯ 必要な専門職が人材不足で配置できないためは、「32.1%

◯ ご利用者が希望しないためは、「21.8%

【画像出典】

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「通所系介護サービス施設における口腔機能向上サービス及び 栄養改善サービス提供のあり方に関する調査研究事業」平成26(2014)年 3 月

栄養改善加算の見直し(平成30年度の介護報酬改定)

栄養改善加算の見直し(平成30年介護報酬改定)

これまでの栄養改善加算の算定状況から、平成30年度(2018年)の介護報酬改定にて栄養改善加算の算定要件の見直しが行われました。

新しい算定要件では、「管理栄養士が1名以上の配置が必要となる要件」から「外部の管理栄養士」でも算定ができるようになりました。

【画像出典】

厚生労働省(2018)平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

【参考記事】

平成30年度の介護報酬改定の論点|通所介護の機能訓練に着目して

平成30年度(2018年)の介護報酬改定では、改定率0.54%と若干の引き上げ改定になります。その中でも通所介護では、インセンティブ制度や生活機能向上連携加算、栄養改善加算の見直しなどが行われています。こちらの記事では、平成30年度の介護報酬改定についてポイントを絞ってご紹介します。

栄養改善加算のQ&Aについて

栄養改善加算のQ&A

ここでは、栄養改善加算について厚生労働省より提示されている「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A」からご紹介します。

 

(問34)

通所サ―ビスにおいて栄養改善加算を算定している者に対して管理栄養士による居宅療養管理指導を行うことは可能か。 

(答)

管理栄養士による居宅療養管理指導は通院又は通所が困難な者が対象となるため、 栄養改善加算の算定者等、通所サービス利用者に対して当該指導を行うことは想定されない。 

※ 平成18年度報酬改定Q&A(vol.2)(平成18年5月2日) 通所介護・通所リハビリテ ーションの問2は削除する。

【引用】

厚生労働省「平成30年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)」

まとめ

栄養改善加算のまとめ

今回は、栄養改善加算の算定要件平成30年度の介護報酬改定で見直しされた要件についてまとめてご紹介しました。

 

栄養改善加算は、ご高齢者の低栄養状況を早期に発見し、「要支援者が重度の状態になることを防止すること」「要介護者の楽しみや社会参加の促しすること」を目的とした重要な加算です。つまり、低栄養状態の改善および重度化予防を図ることは、ご高齢者の自立支援につながる取り組みとなるのです。

 

ご高齢者の低栄養状態等の改善に必要なことは多岐にわたります。そのため、栄養の指導だけではなく、多職種に相談できる場を提供する、関連するサービスや社会資源の活用の提案なども取り組んでいただければ幸いです。

 

【加算・減算・報酬の関連リンク集】

栄養改善加算は、「介護予防通所介護(総合事業における通所介護相当サービス)」の基本報酬に上乗せできる加算になっています。

介護サービスには、栄養改善加算以外にもさまざまな加算・減算があります。最後に関連加算・減算についてご紹介します。(介護予防の対象加算以外も含んでいます)

新設加算

栄養スクリーニング加算とは【新設加算】

ADL維持等加算とは【新設加算】

生活機能向上連携加算とは【新設加算】

加算

● 通所介護の加算・減算の種類

個別機能訓練加算とは

口腔機能向上加算とは

運動器機能向上加算とは

栄養改善加算とは

介護職員処遇改善加算とは

サービス提供体制強化加算とは

若年性認知症利用者受入加算とは

認知症加算と中重度者ケア体制加算の違いとは

入浴介助加算とは

延長加算とは

特定地域加算と中山間地域等に居住する方へのサービス提供加算とは

減算

通所介護の送迎減算について

人員基準欠如減算について

定員超過利用減算とは

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著者プロフィール

author

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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