生活機能向上連携加算とはどんな加算?平成30年度の介護報酬改定版

生活機能向上連携加算とは、デイサービスの職員と外部のリハビリテーション専門職が連携してアセスメントを行い、計画書を作成することで算定できる新設加算です。リハビリ専門職の介入により、的確な機能訓練を実践できるため利用者さまの自立支援を強化する目的があります。今回は、平成30年度の介護報酬改定後より通所介護や特養、グループホームなどで算定できるようになった生活機能向上連携加算の算定要件や計画書、厚生労働省のQ&Aについてまとめてご紹介します。

簡単・安心の個別機能訓練加算ソフト「リハプラン」

生活機能向上連携加算とは

生活機能向上連携加算とは

生活機能向上連携加算の目的

これまでデイサービスの個別機能訓練加算において「機能訓練指導員を配置することが難しい」という現場の意見が7割弱を占めており、特に小規模デイサービス(地域密着型通所介護)に多く、自立支援を促すことを目的として開始しました。

対象事業所の種類

生活機能向上連携加算は、平成29年度時点では「訪問介護」のみが対象とされていた加算ですが、自立支援型のサービス提供を促進し、利用者の在宅における生活機能向上を図る観点から、デイサービス(通所介護)やグループホーム、特養などでも含め平成30年度介護報酬改定より対象事業所の枠が広がることになりました。

具体的には下記の通りになります。

1 訪問介護
2 通所介護・地域密着型通所介護(デイサービス)
3 認知症対応型通所介護(デイサービス)
4 短期入所生活介護(ショートステイ)
5 特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護(有料老人ホームやケアハウスなど)
6 介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(特別養護老人ホーム)
7 小規模多機能型居宅介護
8 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
9 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

【参考資料】

厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について」

生活機能向上連携加算の算定要件

平成30年1月26日に厚生労働省より、平成30年度の介護報酬改定における各サービス毎の改定事項についての発表がありました。その中で生活機能向上連携加算の対象事業所が増えることになりました。

例えば通所介護(デイサービス)の場合、デイサービスの職員と外部のリハビリ専門職が連携し、機能訓練のマネジメントを行うことを評価する生活機能向上連携加算が新設されました。

具体的には既存の個別機能訓練加算と同様であり「個別機能訓練計画書」を利用者ごとに目標設定し、実施時間や実施方法などを記載する必要があります。

目標については、これまでの個別機能訓練加算と同様に利用者やその家族の意向、ケアマネジャーの意見も踏まえて具体的に設定することが求められます。


実際の業務としては、地域の訪問リハビリや通所リハビリ、リハビリを実施している医療機関のPT、OT、ST、医師に来てもらい、事業所の職員が専門家と共同で利用者のアセスメントを行ったうえで、個別機能訓練計画書を作成することが求められます。

以下に事業所別にご説明させていただきます。

 

通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特養、入居者生活介護の算定要件

○ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴 覚士、医師が、通所介護事業所を訪問し、通所介護事業所の職員と共同で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること 

○ リハビリテーション専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。

【関連記事】

個別機能訓練加算の算定までの手順|8つのステップをご紹介

個別機能訓練加算の算定までの手順をまとめてご紹介します。個別機能訓練加算の算定要件や提出書類の準備、計画書の作成、モニタリングなどの詳細も確認しておきましょう。

個別機能訓練計画書

個別機能訓練加算や生活機能向上連携加算の算定で必須となる個別機能訓練計画書の作成は、月末になると時間がかかる面倒な書類業務です。特に、はじめて計画書を作成するスタッフは何を書いたらいいのか分からず無駄に時間がかかります。そこで今回は、個別機能訓練加算Ⅰまたは個別機能訓練加算Ⅱを算定するために必要な個別機能訓練計画書の書き方についてまとめました。

厚生労働省「 資料1 通所介護の報酬・基準について」

社保審-介護給付費分科会 第150回(H29.11.8)

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護の算定要件

生活機能向上連携加算(I)

・ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、介護支援専門員が生活機能の向上を目的とした小規模多機能型居宅介護計画を作成(変更)すること

・ 当該理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供の場において、又はICT を活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うことを定期的に行うこと

生活機能向上連携加算(Ⅱ)

・ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が利用者宅を訪問し身体状況等の評価(生活機能アセスメント)を共同して行うこと

・ 介護支援専門員が生活機能の向上を目的とした小規模多機能型居宅介護計画を作成すること

 

訪問介護の算定要件

1. 身体状況等の評価(生活機能アセスメント)を共同して行うこと。

サービス提供責任者と理学療法士等が一緒に自宅を訪問する」または「それぞれが訪問した上で協働してカンファレンス(サービス担当者会議を 除く)を行う

2.  サービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成すること。

3. 各月における目標の達成度合いにつき、利用者及び訪問リハビリテーションまたは通所リハビリテーションの理学療法士等に報告し、必要に応じて利用者の意向を確認し、理学療法士等から必要な助言を得た上で、利用者のADL及びIADLの改善状況及び達成目標を踏まえた適切な対応を行うこと。

 

グループホームの算定要件

・ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師が、認知症対応型共同生活介護事業所を訪問し、計画作成担当者と身体状況等の評価(生活機能アセ スメント)を共同して行うこと。 

・ 計画作成担当者は生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成すること。

 

生活機能向上連携加算の単位数

通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特養、入居者生活介護の単位数

生活機能向上連携加算 200単位/月

※個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月 

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護の単位数

生活機能向上連携加算(I) 100単位/月(新設) 

生活機能向上連携加算(Ⅱ)200単位/月 

 

訪問介護の単位数

1ヶ月につき「100単位/月」

訪問介護において、生活機能向上連携加算を算定する場合は、最初の訪問介護を行った月以降の3月の間で100単位を加算することができます。 なお、3月の間にご利用者様に対する訪問リハまたは通所リハの提供が終了した場合であっても、3月の間は生活機能向上連携加算を算定することが可能です。

 

グループホームの単位数

生活機能向上連携加算 200単位/月

 

 

ICTを活用した動画やテレビ電話を用いる場合について 

ICTを活用した動画やテレビ電話を用いる場合について

訪問介護の場合などICTを活用して、ADLやIADLを支援する場合に注意しなければならないことを具体的にまとめます。

ビデオ通話

通信時間等の調整 を行い、当該利用者の自宅(生活の場・介護現場)にて行います。

具体的には、訪問介護事業所のサービス提供責任者と外部の理学療法士等が、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いて、外部の理学療法 士等が利用者のADL及びIADLの状況を把握すること

動画の共有

訪問介護事業所のサービス提供責任者が利用者宅で自宅(生活の場・介護現場)の環境状況、動作の一連の動き等がわかるように撮影し、あらかじめ、理学療法士と共有しておく必要があります。

セキュリティ

一般社団法人保健 医療福祉情報安全管理適合性評価協会(HISPRO)が公表している「医療情報連携において、SNS を利用する際に気を付けるべき事項」を参考に、適切な対策を講じることが適当とされています。

電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末を利用して行う場合には、厚生労働省 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」(平成 29 年5月)に 対応していることが必要となっています。

【出典】

厚生労働省「資料1 訪問介護の報酬・基準について」

社保審-介護給付費分科会 第149回(H29.11.1)

生活機能向上連携加算の事例

生活機能向上連携加算の事例

生活機能向上連携加算の事例を紹介します。

生活機能向上連携加算は、医療機関に所属する外部のPTOTSTなどのリハ専門職が「利用者の能力」を見極め、生活行為の阻害因子を把握し、サービス提供責任者はそのアセスメントに基づき、利用者の目標に応じた訪問介護計画を立案します。

具体的に事例を見てみましょう。

利用者ニーズ

リハ専門職のアセスメント

訪問介護計画

掃除

バランス能力・歩行能力・下肢筋力低下

(福祉用具などの活用も有効)

週1回程度の簡単な体操や利用者が掃除を行う際の介助や転倒予防の声かけ等を実施

排泄

座位保持能力・歩行能力低下(段階的な能力の回復が必要と判断)

【1ヶ月目】起床介助時の車椅子での座位の保持

【2ヶ月目】ポータブルトイレでの排泄

【3ヶ月目】トイレ誘導

上記の排泄のニーズに対して具体的にどのようなことを行うかを説明します。

【1月目】

訪問介護員等は週二回の訪問の際、ベッド上で体を起こす介助を行い、利用者が五分間の座位を保持している間、ベッド周辺の整理を行いながら安全確保のための見守り及び付き添いを行う。 

【2月目】

ベッド上からポータブルトイレへの移動の介助を行い、利用者の体を支えながら、排泄の介助を行う。 

【3月目】

ベッド上からポータブルトイレへ利用者が移動する際に、 転倒等の防止のため付き添い、必要に応じて介助を行う(訪問介護員等は、指定訪問介護提供時以外のポータブルトイレの利用状況等について確認を行う。)

生活機能向上連携加算の計画書

生活機能向上連携加算の計画書様式・書式

生活機能向上連携加算の計画書の書式様式は基本的には個別機能訓練計画書と同様の書式となっているため、上記のような計画書を3ヶ月ごとに作成する必要があります。

もちろん、個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって計画の作成に代えることが可能です。

また、個別機能訓練加算を算定している場合は、別に計画を作成する必要はありません、
 
各月の評価内容や目標の達成度合いを、機能訓練指導員などが利用者・家族、リハ職らに報告・相談し、利用者・家族の意向を確認し、リハ職などから助言を得つつ適切な対応をとっていかなければなりません。
 
○ 機能訓練に関する記録は利用者ごとに保管し、機能訓練指導員などが常に閲覧できるようにしておく必要があります。

個別機能訓練計画書の作成についてお困りの方はこちら

《こんな事業所にオススメ》

●計画書の作成方法がわからない!

●運動プログラムに悩んでいる!

●書類業務を効率化したい!

そんなお悩みを解決したのが、個別機能訓練計画書作成支援ツール「リハプラン」


「職種を超えたリハビリ介護を実現する」というサービスコンセプトを軸に、リハプラン上で要介護者ごとの目標や身体状況に合ったプログラムを自動で提案し、かつ身体評価の数値を記入するだけでグラフ化するなど現場目線に合わせたワンストップサービスを実現しました。

また、リハビリ専門職を社内に配置し、徹底したカスタマーサポートとITを組み合わせた体制を整えることにより、リハ職不在のデイサービス様でも安心してサービスをお使いいただくことが可能となります。

詳しくはこちら

生活機能向上連携加算のq&a

生活機能向上連携加算について厚生労働省よりご報告されているQ&Aをご紹介します。

訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護

(問)

生活機能向上連携加算(II)について、告示上、「訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション等の一環として当該利用者の居宅を訪問する際にサービス提 供責任者が同行する等により」とされているが、「一環」とは具体的にはどのようなものか。

(答)

具体的には、訪問リハビリテーションであれば、訪問リハビリテーションで訪問する際に訪問介護事業所のサービス提供責任者が同行することであるが、リハビリテー ションを実施している医療提供施設の医師については、訪問診療を行う際等に訪問介 護事業所のサービス提供責任者が同行することが考えられる。 

デイサービス

(問)

指定通所介護事業所は、生活機能向上連携加算に係る業務について指定訪問リ ハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又は医療提供施設と委 託契約を締結し、業務に必要な費用を指定訪問リハビリテーション事業所等に支払うことになると考えてよいか。 

(答)

貴見のとおりである。なお、委託料についてはそれぞれの合議により適切に設定する必要がある。 

(問)

生活機能向上連携加算は、同一法人の指定訪問リハビリテーション事業所若しくは指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)と連携する場合も算 定できるものと考えてよいか。 

(答)
・貴見のとおりである。 

・なお、連携先について、地域包括ケアシステムの推進に向けた在宅医療の主たる担い手として想定されている 200 床未満の医療提供施設に原則として限っている趣旨や、リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の有効活用、地域との連携の促進の観点から、別法人からの連携の求めがあった場合には、積極的に応じるべきである。 

【参考資料】

平成 30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) (平成 30 年3月 23 日) 

まとめ

生活機能向上連携加算 まとめ

今回は、これまでの訪問介護の生活機能向上連携加算と平成30年度の介護報酬改定で新設された生活機能向上連携加算についてご紹介しました。

通所介護(デイサービス)における他事業所等のリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚 士)との連携状況は、「連携している」が27.6%で、連携の効果も一定程度認められています。

生活機能向上連携加算は、より良い機能訓練を行うためにご利用者様においても、事業所様においても大切になる加算です。

生活機能向上連携加算が算定できる介護サービスは拡大したものの、地域の「訪問リハビリ」「通所リハビリ」「医療機関」のリハビリ専門職または医師が引き受けてくれるかのかといった点が今後の課題となるのではないでしょうか。

【出典】

厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について」社保審-介護給付費分科会 第158回(H30.1.26)

簡単・安心の個別機能訓練加算ソフト「リハプラン」 簡単・安心の個別機能訓練加算ソフト「リハプラン」

著者プロフィール

author

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

デイサービスメソッドを無料プレゼント!

デイサービスメソッドは、リハプランで扱っているデイサービスのノウハウを体系的にまとめたもので、ご利用者を元気にするためのメソッドです。 7章構成となっており、介護士やリハビリ担当者がすぐに現場で使えるハウツーに加えて、マニュアルやリスク管理、営業等、デイサービスの管理運営に役立つコンテンツも入っています。

リハプランについての資料請求、ご質問など
なんでもご相談ください。

必須会社名・所属団体名
必須お名前
必須電話番号
任意メールアドレス
任意自由記入欄