【2021年の介護報酬改定版】通所介護の入浴介助加算の見直し・新設加算の創設

介護保険法

入浴介助加算

更新日:2022/08/03

入浴介助加算とは、通所介護(デイサービス)にて入浴中のご利用者様の観察を含む介助を行った場合に、1日につき50単位を算定することができる加算です。2021年の介護報酬改定に向けて、入浴介助加算の見直し・新たな加算創設が議論されています。今回は、2021年1月時点の社会保障審議会介護給付費分科会の議論内容をご紹介します。

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入浴介助加算の見直しの進捗報告(2021年介護報酬改定版)

2021年の介護報酬改定に向けた議論においては、重度化防止に向けた機能訓練などの自立支援の取り組み、科学的介護の推進などを中心に検討されており、「入浴介助加算」の見直し・新たな新設加算を創設することが論点となっています。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3,P119~

入浴改善加算という新設加算の検討

具体的には、現行のデイサービスの入浴介助加算に加えて、利用者が利用者宅において、自身又は家族等の介助によって入浴を行うことができるよう、

  1. 医師・理学療法士・作業療法士等が利用者宅を訪問し、浴室の環境を確認する。
    ※医師、理学療法士または作業療法士等は、訪問リハビリテーション事業所・通所リハビリテーション事業所等との連携により確保することとして差し支えない。
  2. 通所介護事業所において、多職種連携のもと、利用者の心身の状況や居宅訪問により把握した利用者宅の浴室の環境をふまえた個別入浴に関する計画を作成する。
  3. 計画に基づき、個別に入浴介助を行うことを要件とする加算を新設してはどうかが論点となっています。
    ※なお、通所リハビリテーションについても同様の対応を検討中です。

現行の入浴介助加算について

入浴介助加算は、通所介護(デイサービス)や通所リハビリ(デイケア)において、ご利用者様の観察を含む介助を行った場合に算定することができる加算です。

■単位数入浴介助加算:50単位/日

■算定要件

  1. 厚生労働省の入浴の施設基準(入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有している)を満たしていること。
  2. 入浴中の利用者さんの観察を含む介助を行う場合に算定できる。
    ※この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、極力利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、 加算の対象となるものであること。
  3. 通所介護計画上、入浴の提供が位置付けられている場合に、利用者側の事情により、入浴を実施しなかった場合については、加算を算定できない。

■算定率通所介護:94.5%(事業所ベース)

■注意点入浴方法には、様々な方法がありますが、入浴介助加算が算定できるのは「全身浴」と「全身シャワー浴」だけです。部分的に足を洗う「部分浴」や体をタオルで拭く「清拭(せいしき)」は、入浴行為として認められていません。

入浴介助加算の見直しが検討されている理由について

社会保障審議会介護給付費分科会では、これまでの通所介護(デイサービス)の入浴介助加算について現状調査を行っており、「現在の算定状況」「入浴介助を通じた利用者の居宅における自立支援・ADL(日常生活動作能力)の向上に資する取り組みを行っている事業所」が多いことなどをふまえ、入浴介助加算の見直し・新設加算を検討してはどうかという議論になっています。

理由1.入浴介助加算の算定率が非常に高い

入浴介助加算の算定割合は、通所介護94.5%、地域密着型通所介護77.8%、認知症対応型通所介護98.1%、介護予防認知症対応型通所介護69.8%と非常に高い算定率となっています。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第188回(R2.10.15) 資料1

理由2.半数以上が自宅での入浴回数などを把握している

入浴介助加算を算定している事業所のうち、69.7%が利用者の自宅での入浴回数の把握をしていたり、20.3%が脱衣や洗髪、椅子の立ち座りなど入浴にかかる一連の動作について個別機能訓練計画書として目標設定しているなど、利用者が自立して入浴をすることができるようにすでに意識的に取り組んでいることがわかりました。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3,P119~

2021年度介護報酬改定の入浴介助加算Ⅰ・Ⅱの進捗情報(2021年2月時点)

令和3年度の介護報酬改定では、これまでの入浴介助加算の単位数50単位/日から単位数40単位/日に-10単位引き下げる入浴介助加算(Ⅰ)を新設する方針となりました。

さらに、個別の入浴計画を作成したり、入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うことなどを要件に組み込んだ場合に対して、新たに入浴介助加算(Ⅱ)が新設されます。

参照:第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料【参考資料1】令和3年度介護報酬改定における改定事項について

入浴介助加算(Ⅱ)について

入浴介助加算(Ⅰ)に加え、専門職が利用者宅の浴室環境の確認、それを踏まえた個別入浴計画を作成し、計画に基づいて個別に入浴介助を実施することで入浴介助加算(Ⅰ)より15単位高い入浴介助加算(Ⅱ)を算定できるようになります。

まとめ

今回は、2021年の介護報酬改定に向けた通所介護の入浴介助加算の見直しの議論ポイントについてまとめてご紹介しました。

2021年の介護報酬改定の論点は、全般的に重度化防止に向けた機能訓練などの自立支援の取り組み、科学的介護の推進などを中心に検討されており、今回の入浴介助加算の見直しについてもADL(日常生活活動)である入浴を自宅環境でも自立して取り組めるようにという自立支援がポイントとなっています。

現在、「科学的介護の実現を目指し、CHASEなどのアウトカム評価による質の高い介護に対するインセンティブを拡充する」ことが議論されており、これからさらに「アウトカム評価を用いた介護サービスの質の向上」の波が急激に押し寄せています。

皆さんのデイサービスでも科学的介護の実現に向けて、効果的なリハビリを実現する仕組みを構築し、効果を出せるデイサービスとして実績をリハプランと一緒に作っていきませんか?

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ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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