2020年12月25日更新

【2021年の介護報酬改定版】通所介護の入浴介助加算の見直し・新設加算の創設

入浴介助加算とは、通所介護(デイサービス)にて入浴中のご利用者様の観察を含む介助を行った場合に、1日につき50単位を算定することができる加算です。2021年の介護報酬改定に向けて、入浴介助加算の見直し・新たな加算創設が議論されています。今回は、2020年12月時点の社会保障審議会介護給付費分科会の議論内容をご紹介します。

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1.入浴介助加算の見直しの進捗報告(2021年介護報酬改定版)

2021年の介護報酬改定に向けた議論においては、重度化防止に向けた機能訓練などの自立支援の取り組み、科学的介護の推進などを中心に検討されており、「入浴介助加算」の見直し・新たな新設加算を創設することが論点となっています。

【出典】

厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3,P119~

入浴改善加算という新設加算の検討

具体的には、現行のデイサービスの入浴介助加算に加えて、利用者が利用者宅において、自身又は家族等の介助によって入浴を行うことができるよう、

①医師・理学療法士・作業療法士等が利用者宅を訪問し、浴室の環境を確認する。

※医師、理学療法士または作業療法士等は、訪問リハビリテーション事業所・通所リハビリテーション事業所等との連携により確保することとして差し支えない。

②通所介護事業所において、多職種連携のもと、利用者の心身の状況や居宅訪問により把握した利用者宅の浴室の環境をふまえた個別入浴に関する計画を作成する。

③計画に基づき、個別に入浴介助を行うこと

を要件とする加算を新設してはどうかが論点となっています。

 

※なお、通所リハビリテーションについても同様の対応を検討中です。

現行の入浴介助加算について

入浴介助加算は、通所介護(デイサービス)や通所リハビリ(デイケア)において、ご利用者様の観察を含む介助を行った場合に算定することができる加算です。

■単位数

入浴介助加算:50単位/日

■算定要件
1. 厚生労働省の入浴の施設基準(入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有している)を満たしていること。2. 入浴中の利用者さんの観察を含む介助を行う場合に算定できる。
※この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、極力利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、 加算の対象となるものであること。

3. 通所介護計画上、入浴の提供が位置付けられている場合に、利用者側の事情により、入浴を実施しなかった場合については、加算を算定できない。

■算定率

通所介護:94.5%(事業所ベース)

■注意点

入浴方法には、様々な方法がありますが、入浴介助加算が算定できるのは「全身浴」と「全身シャワー浴」だけです。部分的に足を洗う「部分浴」や体をタオルで拭く「清拭(せいしき)」は、入浴行為として認められていません。

2.入浴介助加算の見直しが検討されている理由について

社会保障審議会介護給付費分科会では、これまでの通所介護(デイサービス)の入浴介助加算について現状調査を行っており、「現在の算定状況」「入浴介助を通じた利用者の居宅における自立支援・ADL(日常生活動作能力)の向上に資する取り組みを行っている事業所」が多いことなどをふまえ、入浴介助加算の見直し・新設加算を検討してはどうかという議論になっています。

理由1.入浴介助加算の算定率が非常に高い

入浴介助加算の算定割合は、通所介護94.5%、地域密着型通所介護77.8%、認知症対応型通所介護98.1%、介護予防認知症対応型通所介護69.8%と非常に高い算定率となっています。

【出典】

厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第188回(R2.10.15) 資料1

理由2.半数以上が自宅での入浴回数などを把握している

入浴介助加算を算定している事業所のうち、69.7%が利用者の自宅での入浴回数の把握をしていたり、20.3%が脱衣や洗髪、椅子の立ち座りなど入浴にかかる一連の動作について個別機能訓練計画書として目標設定しているなど、利用者が自立して入浴をすることができるようにすでに意識的に取り組んでいることがわかりました。

【出典】

厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3,P119~

3.まとめ

今回は、2021年の介護報酬改定に向けた通所介護の入浴介助加算の見直しの議論ポイントについてまとめてご紹介しました。

2021年の介護報酬改定の論点は、全般的に重度化防止に向けた機能訓練などの自立支援の取り組み、科学的介護の推進などを中心に検討されており、今回の入浴介助加算の見直しについてもADL(日常生活活動)である入浴を自宅環境でも自立して取り組めるようにという自立支援がポイントとなっています。

 

現在、「科学的介護の実現を目指し、CHASEなどのアウトカム評価による質の高い介護に対するインセンティブを拡充する」ことが議論されており、これからさらに「アウトカム評価を用いた介護サービスの質の向上」の波が急激に押し寄せています。

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著者プロフィール

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大屋 祐貴

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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