ケアマネージャーとは? 介護支援専門員の仕事内容と役割を知ろう

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2022/02/21

今や介護分野で「ケアマネージャー」という言葉を耳にしたことがない人はほとんどいないでしょう。ケアマネージャーは資格でいうと介護支援専門員といい、具体的にどのような仕事をしているのかご存じですか?そこで本稿では、ケアマネージャーの役割や仕事内容について詳しくご紹介します。ケアマネは、利用者が住み慣れた在宅で生活するために必要な介護保険サービスを提案する縁の下の力持ちです。医療・介護職員の基礎知識として理解しておきましょう。

ケアマネージャーとは

ケアマネージャー(ケアマネジャー)とは正式には「介護支援専門員」といい、通称ケアマネと呼ばれます。

2000年に「介護保険制度」により誕生した資格で、要介護者の自立支援や利用者本位を重視して、その人らしく暮らせるように支援します。

ケアマネージャーの仕事内容は、要介護者やその家族の意向や状況をヒアリングしたうえで、適切な介護サービスが受けられるようにケアプラン(サービス計画書)を作成し、サービス事業者や関係機関との連絡や調整を行います。

ケアマネージャーはどこで働くの?

ケアマネジャー(介護支援専門員)は主にこちらの場所などで働いています。

  • 居宅介護支援事業所
  • 介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設など)
  • 医療法人
  • 地域包括支援センター
  • 訪問看護ステーション
  • 認知症高齢者グループホーム
  • 市区町村社会福祉協議会(市区町村社協)

ケアマネージャーの仕事内容とは

ケアマネージャーの仕事内容は、細かなことも合わせると一言では言い尽くせないほど多岐に笑りますが、主な仕事内容には、「高齢者とその家族の介護相談」や「ケアプランの作成」、「要介護認定の書類作成代行」、「モニタリング」があります。

  1. お年寄りやその家族の介護相談
  2. ケアプランの作成
  3. 要介護認定の書類作成代行
  4. モニタリング

ケアマネージャーの仕事内容 |高齢者と家族の介護相談

ケアマネージャーの仕事内容は、高齢者と介護保険をつなぐコンシェルジュのような役割があります。

そのため、介護保険制度についての知識だけでなく、高齢者の特徴や病気に対する基礎的な知識を持っています。また、各地域のボランディア活動や行政サービスなども把握していくことが必要になります。

介護相談や依頼は、ご本人やご家族から入ることもあれば、地域包括支援センターなどからあることもあります。

ケアマネージャーの仕事内容 |ケアプランの作成

ケアプラン作成は、ケアマネージャーのコアな仕事内容で、作成したケアプランは要介護者や介護サービス事業所にも配布します。このケアプランに則り介護サービス事業者はサービスを行うため、ケアマネジャーはどのサービス事業者を選定するのか、利用者とその家族の意向を尊重して、調整を行います。

サービスの選定には、介護保険サービスだけでなく、行政や地域のボランディアとして低料金でのサービスもあります。ケアプランに盛り込む訳ではありませんが、最近では介護保険外サービスとして各地域によっても様々なサービスが提供されているため本人やご家族への情報提供として把握しておくことも必要です。

▼介護保険外サービスの種類と事例をもっと知りたい方は下記の記事がオススメです。


—ケアプラン作成の最新トレンド—
2017年4月政府系ファンドの産業革新機構と介護大手のセントケア・ホールディングは、ケアプランの内容を人工知能(AI)が提案するシステムを手がける新会社「シーディーアイ」を設立したと発表しました。利用者の状態を入力すれば、ケアプランの原案が自動で提示される仕組みなどを想定しており、ケアマネがそれを確認し、本人の希望など様々な要素を加味して最適なプランに仕上げていく流れとなっています。

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介護保険外サービスはなぜ重要なのか|サービスの種類と事例紹介
介護保険外サービスの種類について解説

ケアマネージャーの仕事内容 |要介護認定の書類作成代行

要介護認定の書類作成代行とは、要介護者やその家族が「新しく介護保険サービスを利用したい」「状態が悪くなったので新たに介護認定を受けたい」時に、地方自治体への要介護認定の新規・更新の手続きを行うことで要介護認定を受けることによって介護保険の給付を受けられるようになります。

この手続きには、書類作成と専門的な知識が必要になります。そこでケアマネージャーが本人やご家族に代り申請書類を作成し、要介護認定の認定調査を受ける手配を行います。

その後は、本人・ご家族に介護状態について行政スタッフがヒアリングに来られます。

ケアマネージャーの仕事内容 |モニタリング

ケアプランを作成すると実際に介護保険サービスが開始されます。

ケアマネージャーは、作成したケアプランが「本人やご家族の意向に沿うサービスとなっているのか」、「本人の健康状態は変化がないか」、「サービスに満足しているか」など定期的な訪問やサービス担当者会議で随時モニタリングを行います。

場合によっては、ケアプランの内容を再度変更することもあります。

ケアマネージャーのその他の仕事内容

ケアマネージャーの仕事内容には、これまでご紹介していきた4つ以外にもたくさんあります。その仕事内容をご紹介します。
 

介護保険の給付管理・請求一ヶ月間にご利用者が利用する予定の介護保険サービスと実際に提供された介護保険サービスに食い違いがないかをチェックし「給付管理票」を作成します。給付管理票は介護給付費請求に使用するため、ミスが内容に一人ひとり細かくチェックしていきます。
サービス担当者会議ケアプランを作成後、利用予定・利用中の介護保険サービス提供事業者と利用者、家族を含めたサービス担当者会議を主催します。そのためケアマネは各種介護保険サービス事業者と利用者、家族に日程調整などの連絡を行う必要があります。サービス担当者会議では、各種サービス提供事業者からの専門的なご意見や本人、ご家族の悩み・意向を再度確認することでより質の高いケアプランを提案することができるようになります。
 
病院カンファレンス新規でケアプランを立案する利用者の多くは、病院から退院される方です。そのため、事前に病院へ訪問し、医師や看護師、リハビリスタッフなどの専門職種から現状の能力や課題について聴取します。また、本人やご家族に在宅での希望・要望を聴取し、さまざまな視点から本人に必要なケアプランを立案していきます。
事業者との情報共有ご利用者の状態は常に安定しているわけではありません。本人・ご家族から状態の変化を確認したり、ご利用中の介護保険サービス事業者との情報共有を随時行います。これらの情報からケアプランを変更することもあります。

ケアマネージャーになるにはどうしたらいいの?

これまでご紹介してきたようにケアマネージャーの仕事は、介護保険を受給している方々が安心して在宅生活を送れるように支援する「縁の下の力持ち」という役割があります。

縁の下の力持ちであるケアマネージャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格することが必要です。この資格は、実務経験が5年以上など細かく受験資格の条件が設けられています。

介護支援専門員証を取得し、ケアマネージャーになるための流れをご紹介します。


ケアマネージャーになるまでの流れ

受験資格平成30年度からケアマネージャーの受験資格が変更されます。
受験申し込み都道府県により申込先、申込日は異なります。
介護支援専門員実務研修受講試験試験はマークシートで、問題数は60問、試験時間は120分です。毎年1回行われます。
合格発表例年 11月下旬〜12月上旬
実務研修合計87時間以上の実務研修を受けます。
登録研修終了後、3か月以内に介護支援専門員資格登録簿への登録を申請し、「介護支援専門員証」を取得します。


▼ケアマネージャーになるための受験資格や試験内容についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

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ケアマネージャーになるための受験資格や試験内容など流れについてご紹介します。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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