2021年03月12日更新

【2021年の介護報酬改定版】通所介護のCHASE対応について

2020年5月から始まったCHASE(チェイス)は、厚生労働省が掲げる「自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現(科学的介護)」に向けて推進しているデータベースを指しています。CHASEに収集されたデータを元に、介護分野におけるエビデンスの蓄積と活用に活かすことを目的としています。本内容は2021年2月時点の厚生労働省の発表を元に作成しております。

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CHASEとは

CHASEの読み方は「チェイス」と読み、以下を組み合わせた造語です。

・介護・予防を指す「Care」(ケア)と「HeAlth」(ヘルス)

・利用者の状態やイベントを指す「Status」(ステータス)&「Events」(イベント

CHASEは、厚生労働省が掲げる「自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現(科学的介護)」の実現を行うために、介護分野におけるエビデンスの蓄積と活用を行うデータベースとして、2020年5月より運用が開始されました。

設立された背景としては、2017年10月から2019年7月の間で行われた「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」で議論されたもので、これは介護保険総合データベース(介護DB)やVISITでは収集できていなかった情報を補完する役割として設計されました。

CHASEで収集するデータ

2020年度に運用を開始した当時の「CHASEの初期仕様において収集の対象とする項目」では、「基本的な項目」、「目的に応じた項目」、「その他の項目」の3つが定義されており、「基本的な項目」では、「総論」、「認知症」、「口腔」、「栄養」の4分類のデータを収集することとなっています。

基本的な項目の4分類ではそれぞれ下記のような情報を収集します。

・総論
保険者番号、被保険者番号、事業所番号、性別、生年月日、服薬情報など
・認知症
認知症の往来歴等、DBD13、Vitality Index
・口腔
食事の形態、誤嚥性肺炎の既往歴等
・栄養
身長、体重、栄養補給法、提供栄養量(エネルギー、タンパク質)

「科学的介護」とは?

2000年4月から始まった介護保険制度では、介護を必要とする高齢者に対して、尊厳を保持しながら自律的な日常生活を支援することを理念とした制度でした。

ですが、介護分野では科学的な検証に裏付けられた客観的データが十分ではなく、これに加えて、介護職員の働き方改革と利用者に対する介護サービスの質向上に対する課題意識がありました。

そこで、医療分野における「根拠(エビデンス)に基づく医療」(Evidence Based Medicine:EBM)を参考に、介護分野にも「根拠(エビデンス)に基づく介護」に向けて取り組むこととなりました。

このような背景から考えられたのが「科学的裏付けに基づく介護(科学的介護)」です。

科学的介護は、エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止等を推進することを意味し、介護現場と学術研究が一体となって、取り組むために、以下の3つを行う必要があると定義しています。

①エビデンスに基づいた介護の実践

②科学的に妥当性のある指標等を現場から収集、蓄積し、分析すること

③分析の成果を現場にフィードバックすることで、更なる科学的介護を推進

そして、これら3つを実行するために設計されたのがCHASEを始めとした、介護保険データベースやVISITになります。

CHASE/VISIT/介護保険データベースとの違い

介護保険データベース(介護DB)

要介護認定、介護保険レセプトの情報を収集

提出は義務化

提出を行うと介護保険レセプトが行える

VISIT

通所、訪問リハビリテーション事業所からリハビリテーション計画書等の情報を収集

提出は任意

提出を行うと「リハビリテーションマネジメント加算」が受けられる

CHASE

上記2つで取得できなかった利用者の健康情報や状態、介入状況の情報を収集

提出は任意

令和3年の介護報酬で「科学的介護推進体制加算」の新設加算を予定

【出典】

科学的介護の推進、介護関連DB等の 更なる利活用等 <参考資料>

CHASEの目的とメリット

CHASEは「科学的介護の実現」を目的に生まれました。

科学的介護の実現とは「介護分野におけるエビデンスの蓄積と活用」を指しています。

これは、利用者の状態やそれに伴うケア実績の状況を記録・評価することで得られるフィードバックを元に、介護内容を調整していくPDCAサイクルを推進し、ケアの質を向上を目的としています。

PDCAサイクルの推進とは?

厚生労働省が定めるPDCAサイクルの推進をご紹介します。

・PLAN(計画)
計画書等の作成

・DO(実行)
計画書等に基づいたケアの実施

・CHECK(評価)
利用者の状態、ケアの実績等(計画諸島の様式等)の評価・記録・入力
★CHASEへデータ提出

ACTION(改善)
フィードバック情報による利用者の状態やケアの実績の変化等を踏まえた計画書等の改善

【出典】

(別添2)PDCAサイクルの推進等イメージ

2021年度の介護報酬改定で「LIFE」に変わり、加算が新設

2016年から始まった通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム(VISIT)、2020年5月から始まった高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム(CHASE)

この2つを2021年4月1日より、統合し「科学的介護情報システム(LIFE)」への統一名称とすることになりました。

LIFE(ライフ)は「Long-term care Information system For Evidence」(エビデンスのための介護情報システムの意味)を元にした造語です。

令和3年度介護報酬改定では、このLIFEを活用した科学的介護推進加算が追加され、CHASE・VISITのデータはLIFEに引き継がれます。

※令和3年4月前半にLIFEの利用を開始する場合は、令和3年3月25日までに利用申請を行う必要があります。
※すでにCHASE・VISITのいずれかを利用している場合は4月以降も同様のID・パスワードで利用可能。両方利用している場合はCHASEののID・パスワードで利用可能。

CHASEを活用した加算が新設予定

ADL、栄養、口腔・嚥下、認知症等をCHASEに提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルの推進、ケアの向上を評価する介護報酬が設定されます。

<施設系サービス> 
科学的介護推進体制加算(Ⅰ) 40単位/月(新設)
科学的介護推進体制加算(Ⅱ) 60単位/月(新設)
※加算(Ⅱ)・・・服薬情報の提供を求めない特養・地密特養については、50単位/月

<通所系・多機能系・居住系サービス>
科学的介護推進体制加算 40単位/月(新設)

CHASEの登録方法

CHASEの登録の流れをかんたんに説明していきます。

詳しくはCHASE導入手順書と合わせてご確認ください。

1.新規利用登録

https://chase.mhlw.go.jp/loginから利用申請を行います。

2.ハガキが届く

Webサイトで利用申請を行うと、厚生労働省から管理ユーザーのログインIDとパスワードが記されたハガキが届くので、これを元にCHASEにログインを行います。

3.職員の登録

CHASEには「管理ユーザー」と「操作職員」の2種類のユーザーが存在します。

管理ユーザーは操作職員、記録職員、介護サービス利用者の登録と編集を行うことができます。実際に様式の入力を行うには「操作職員」のユーザーを作成する必要があります。

まとめ

2020年5月から始まった高齢者の状態やケアの内容等データの収集を行うCHASEは、厚生労働省が掲げる「自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現(科学的介護)」に向けた、介護分野におけるエビデンスの蓄積と活用のために必要な「介護に関するサービス・状態等を収集するデータベース」として2020年5月より運用が開始されました。

2021年の介護報酬のタイミングではVISITと統合して、科学的介護情報システム(LIFE)になり、新たな「科学的介護推進体制加算」が新設されます。

科学的介護により、エビデンスに基づく適切なケアの介入とアウトカムの評価が、今後更に重要視されることになっていくことでしょう。

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著者プロフィール

author

大屋 祐貴

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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