排便体操・尿もれ体操まとめ|体操で高齢者の悩みを解決しよう!

加齢に伴う悩みとして多くなるのが便秘と尿もれです。高齢者施設で働くスタッフの方で、この悩みを少しでも解消する方法をお探しではありませんか?高齢者の便秘や尿もれを予防する方法に、骨盤底筋を鍛える「排便体操」と「尿もれ体操」があります。今回は、そんな高齢者の悩みを解消するための2つの体操をまとめてご紹介します。

排便体操・尿もれ体操とは

加齢にともない、便秘や尿もれに悩む高齢者は多くなります。

その原因は、消化器系などの病気によることもありますが、食生活や内服薬の副作用、運動不足、筋力低下、姿勢の乱れなど予防や改善ができるものも多くあります。

そこで、ご紹介するのが「排便体操」と「尿もれ体操」です!



▶︎ご高齢者の便秘を解消するための方法に「排便体操」があります。
もちろん、排便障害の場合は、医師による原因の追究などが必要な場合もありますが、便の排出障害の原因の1つに、腹筋や骨盤底筋の筋力低下があります。腹筋が弱いと腹圧がかからず、大腸への刺激が乏しくなります。また、運動不足が続くと循環動態が悪くなり、筋肉が不活性化を起こすため、内臓温度も低くなると言われています。排便体操に取り組んで腸の蠕動運動を刺激し、お腹スッキリを目指していきましょう。


▶︎ご高齢者の尿もれを解消するための方法には「尿もれ体操」があります。
尿もれや尿失禁の原因の1つに骨盤底筋の筋力低下があります。骨盤底筋の運動は、即効性がある訳ではありませんが、2〜3ヶ月間継続的に取り組むことで尿もれの予防に一定の効果が期待できます。


排便や尿もれ予防には、散歩や全身運動などがありますが、高齢者施設やデイサービスなどに通われるご高齢者を対象とした場合、ベッドや椅子での生活がほとんどです。

このようなご高齢者のために「ベッドに寝てできる体操」と「椅子に座ってできる体操」を中心に排便体操と尿もれ体操をご準備しました。


ご高齢者の悩みを解消できる体操のスペシャリストを目指して行きましょう!


▼ご高齢者が安全に取り組める体操はこちらの記事でもご紹介しています。興味がある方はこちらをご覧ください。

【関連記事】高齢者向けリハビリ体操 全22種|高齢者に最適な座ってできる運動方法とは
ご高齢者向けに「座ってできる体操」を5つの姿勢に分けてご紹介します♬

高齢者の便秘の原因と体操のポイントとは

ご高齢者の便秘の原因には「排便回数減少型」と「排便困難型」の2つに大きく分かれます。



排便回数減少型の場合は、排泄物が体内に停滞し、十二指腸や大腸で水分が取られていきくため便が硬くなってしまい排泄しにくくなっています。また、腸の大蠕動の回数が少なかったり蠕動運動が弱いために便が溜まっていくことがあります。


排便困難型は、腸の運動があり直腸までは便が運ばれているものの、その便がうまく排出できないというものです。その原因には、直腸や肛門の機能に問題がある場合と便自体に問題がある場合があります。



便秘の原因にはさまざまありますが、その中の一部をご紹介します。



【大腸通過遅延の原因】

・特発性(原因がわからないもの)

・加齢(年を取って大腸の動きが悪くなることによるもの)

・薬剤性(抗うつ薬など薬剤の影響によるもの)

・症候性(パーキンソン病、うつ、甲状腺ホルモン低下症など病気の影響によるもの)

・精神
・心理的問題

・巨大結腸症



【便の排出障害の原因】

・腹筋、骨盤底筋群の筋力低下

・骨盤底筋協調運動障害

・直腸知覚低下

・直腸収縮力低下


その中でも今回は、腸の蠕動運動を刺激する腹筋・骨盤底筋群をポイントとして排便体操をご紹介して行きます。

寝たままできる排便体操 ①腹筋運動

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それでは、高齢者がベッドに寝たままできる排便体操をご紹介して行きます。

こちらの体操は、膝を抱える運動を行うことで下腹の腹筋を鍛えて行きます。腹筋は便を出すときに踏ん張ったり、力んだりする力として重要です。また、腸内環境を整え、腸内温度を上げる役割もあります。こちらの排便体操で足が上がりにくいご高齢者の場合は、腕で膝を抱えるだけでも構いません。

【高齢者体操のポイント】
① 息を大きく吐きながら膝を曲げて行きましょう。
② 膝が胸につくように意識して行いましょう。

寝たままできる排便体操 ②足踏み運動

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こちらの体操は、ベッドに寝たままで足踏み運動を行う排便体操です。足踏み運動は、主に腸腰筋や腹直筋と呼ばれる下腹部を鍛えることができます。さらに、足を大きく動かすことで腹圧がかかり大腸への刺激を与えることができます。ご高齢者の方で散歩などの有酸素運動が難しい方は、こちらの体操をお勧めします。

【高齢者体操のポイント】
① 腰に負担がかかる方は、腰と床の間に丸めたタオルを差し込むと良いでしょう。
② 足を上げる際に、息を大きく吐きましょう。

寝たままできる排便体操 ③ひねり運動

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こちらの排便体操は、お尻や腰のひねり運動です。体をひねることは、腸を刺激する上でも重要なポイントとなります。腰に痛みが出ない範囲でしっかりとひねりを加えて行きましょう。

【高齢者体操のポイント】
① 後ろを振り向くようにしっかりと捻りましょう。
② 息を大きく吐きましょう。

座ってできる排便体操 ①腹筋運動

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続いて、椅子に座ることができるご高齢者の場合の排便体操についてご紹介します。
こちらの運動は、ドローインと呼ばれるお腹の深層部の筋肉をトレーニングすることができます。内臓に近い筋肉を活動化させることで、腸の蠕動運動を刺激します。

【高齢者体操のポイント】
① 深呼吸を意識し、お腹を凹ませたり、膨らませたりして行きましょう。
② 胸を張り、背筋を伸ばして行いましょう。

座ってできる排便体操 ②足踏み運動

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こちらの体操は、椅子に座ってできる足踏み運動です。できる限り両手の腕振りも合わせて動かすことで下腹部だけでなく、お腹をひねることができるので腹圧がかかり大腸への刺激を与えることができます。姿勢が前かがみになると腹筋があまり働かないので注意しましょう。

【高齢者体操のポイント】
① 手足を交互にテンポよく動かしましょう。
② 腕振りに合わせて上半身をひねるように意識しましょう。

座ってできる排便体操 ③ひねり運動

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こちらの体操は、椅子に座ってお腹をひねる体操です。下腹部をひねる動きは腹斜筋などのお腹に斜め付着する筋肉を刺激することができます。ご高齢者にこちらの体操を行う場合は、脊椎疾患や腰痛の増悪がないか確認した上で取り組みましょう。

【高齢者体操のポイント】
① 後ろを振り向くようにしっかりと上半身をひねりましょう。
② 背筋を伸ばし、胸を張りましょう。

高齢者の尿もれの原因と体操方法とは

高齢者の中でも特に女性の悩みとしてお声を聞くのが尿もれや尿失禁です。

尿もれや尿失禁を予防する方法に骨盤底筋を鍛える体操があります。この体操は「ケーゲル体操」とも呼ばれ、股間部と骨盤の中にある骨盤底筋を鍛えることで尿もれを予防することができます。

尿もれ体操は、即効性がある訳ではありませんが、2〜3ヶ月間継続的に取り組むことで尿もれの予防に一定の効果が期待できます。

高齢者にとってトイレが近いことや尿もれは誰にも相談できず、外出が億劫になってしまったりと活動にマイナスな影響を及ぼすことも多いため、私たちスタッフの方から積極的に取り組んで行きましょう!


▼骨盤底筋について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

【関連記事】骨盤底筋トレーニング|尿もれに効果的な体操の知識と実践方法
骨盤底筋トレーニングの効果や体操方法について解説しています♬

寝たままできる尿もれ体操 ①ドローイン運動

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ここからは高齢者がベッドに寝たままできる尿もれ体操をご紹介して行きます。

こちらの体操は、ドローインと呼ばれる体幹の深層部筋(骨盤底筋群)のトレーニングとして有効です。深層部筋は骨盤底筋群だけでなく、腹横筋や多裂筋も鍛えることができます。ドローインでは、息を大きく吐きながらお腹でタオルを押し込むことで骨盤底筋群をより意識して鍛えることができます。

【高齢者体操のポイント】
① 骨盤底筋を鍛える場合は、お尻の穴を締めるように意識すると良いでしょう。
② 息を大きく吐き、タオルを押し込むようにしましょう。

寝たままできる尿もれ体操 ②腹筋運動

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こちらの尿もれ予防体操は、一般的な腹筋のトレーニングです。腹筋運動では、息を大きく吐きながら両手が膝頭に届くように上体を起こしていくことで骨盤底筋群や腹筋を鍛えることができます。太ももを沿わすように上体を起こしていきましょう。

【高齢者体操のポイント】
① 骨盤底筋群を鍛えるポイントは息を吐きながらお尻の穴を締めることです。
② おへそを覗き込むように頭を上げましょう。

寝たままできる尿もれ体操 ③ボール挟み運動

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膀胱が満杯になりおしっこが出そうになると運動神経を介して「外尿道筋(横紋筋)」が尿道をきつく締めつけ、尿がもれないように我慢をします。高齢者になるとこの括約筋の働きが衰えるため、特に高齢者女性の場合は咳やくしゃみだけでも尿もれを起こす場合があります。

この尿もれを予防する体操にボール挟み運動があります。ボールを太ももで挟むことで内ももに付着する「内転筋」や「恥骨筋」と膀胱を締める「括約筋」を鍛えることができるため尿もれに効果が期待できます。ボールがない方はタオルを丸めて挟むのも良いでしょう。

【高齢者体操のポイント】
① お尻の穴を締める→緩めるを意識的に繰り返しましょう。
② ボールやタオルは少し柔らかいものを活用しましょう。

寝たままできる尿もれ体操 ④ヒップアップ運動

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尿もれを予防する体操にヒップアップがあります。通常のお尻上げにボールを活用することで骨盤底筋群を意識した運動をすることができます。こちらもボールがない場合は、タオルを丸めて挟むでも構いません。

【高齢者体操のポイント】
① 骨盤底筋を鍛える場合は、お尻の穴を締めるように意識しましょう。
② 挟んだボールやタオルが落ちないように意識してお尻を上げましょう。

座ってできる尿もれ体操 ⑤お尻歩き【番外編】

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尿もれ体操の中でも床に座って行うお尻歩きの運動です。お尻歩きは、骨盤周りに付着する「腰方形筋」を鍛えるだけでなく、腹筋群も鍛えることができるので「骨盤底筋群」のエクササイズとしても効果が期待できます。大きくゆっくりと前進するように意識して取り組んでください。

腰方形筋は、60代から退縮するといわれており、性差も大きい筋の一つです。足を伸ばして座ることができる方はこちらの尿もれ体操にも取り組んでいきましょう!

【高齢者体操のポイント】
① 足を伸ばして床に座ります。
② お尻を交互に動かし、前方に移動していきます。
③ お尻の横の筋肉に力がが入らないように意識しましょう。

 

著者プロフィール

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大屋 祐貴

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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