骨盤底筋トレーニング|尿もれに効果的な体操の基礎知識と実践方法

骨盤底筋(こつばんていきん)は、どこにあり、どのような効果があるのかご存知ですか?骨盤底筋は、その名の通り骨盤の底にあり、ハンモックのように骨盤や内臓を支え、尿もれや骨盤の安定、姿勢の改善に効果があります。本稿では、骨盤底筋を鍛えるトレーニングを解説します。ご自分の能力に合わせた体操方法を選んで挑戦してみてください。

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骨盤底筋とはどんな筋肉なのか?

骨盤底筋

骨盤底筋とは骨盤の最下部(底)に位置する筋肉です。この筋肉は、お尻の骨である坐骨結節の間に位置しています。坐骨結節は、椅子に座った姿勢でお尻に手を置くと当たる骨です。その間に骨盤底筋が位置していることになります。

骨盤底筋は、表層・中間層・深層の3層構造となっていることから「骨盤底筋群」と呼ばれることもあります。

骨盤底筋は、主にハンモックのように骨盤や内臓を支える働きをします。また、腹筋の深層部に位置する「腹横筋」と、背中に位置する「多裂筋」との関係性が強く、体幹の土台として大きな役割を持っています。


骨盤底筋を構成する筋肉
① 恥骨直腸筋(肛門挙筋の一つ)
② 恥骨尾骨筋(肛門挙筋の一つ)
③ 腸骨尾骨筋 (肛門挙筋の一つ)
④ 深会陰横筋
⑤ 浅会陰横筋
⑥ 外肛門括約筋
⑦ 外尿道括約筋
⑧ 球海綿体筋
⑨ 坐骨海綿体筋

骨盤底筋の神経支配
陰部神経叢

骨盤底筋のトレーニング効果とは?

この骨盤底筋を鍛えることで、どのような効果があるのでしょうか?

骨盤底筋のトレーニング効果
 ・内臓を支える
力がアップする
 ・正しい姿勢、体幹の安定性を高める

 ・呼吸機能と連動
する
 ・尿もれの改善や予防に効果がある

骨盤底筋のトレーニングは「尿もれ」に効果的!

女性の悩みとして、特にお声を聞くのが「尿もれ」や「尿失禁」です。

尿もれを予防する方法に「ケーゲル体操」があります。この体操は、腹圧性尿失禁の治療として、1948年に Kegel が提唱した骨盤底筋のトレーニングです。

即効性がある訳ではありませんが、2〜3ヶ月間継続的に取り組むことで尿もれの予防に一定の効果が期待できます。

さらに、他の治療法に比べ副作用がなく、その有効率も60~80%であると報告されています。
 

骨盤底筋訓練の効果的な指導方法
岡部みどり 村西内科クリニック

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高齢者の悩みを解決する排便体操・尿もれ体操

尿もれに効果的な体操をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

骨盤底筋のトレーニングは「産後の回復」に効果的!

さらに、女性の悩みが多くなる時期が産後です。

儀間らによると、骨盤底筋のトレーニングは、ストレッチやウォーキングと合わせて行うことで産後の疲労を軽減したり、産後の回復にもつながることが示唆されています。

産前・産後のトレーニングとして合わせて取り組むことをオススメします!

但し、産後すぐの運動は控えなければなりません。骨盤底筋のトレーニングを行う場合は、医師に相談の上、産後3週間くらいから開始するようにしましょう。
 

妊娠中の運動が分娩に及ぼす影響
儀間 繼子 琉球大学医学部保健学科母子看護学講座

 

骨盤底筋体操とはどんな体操なのか?

骨盤底筋体操とは、字の通り骨盤底筋を鍛える運動で、主に肛門や膣を意識して「しめる→ゆるめる」を繰り返していきます。

男性は肛門(お尻の穴)を、女性は膣(ちつ)と肛門(お尻の穴)を自分の意思した通りに動かしていきます。


ご高齢者や産後の女性にとって尿もれや尿失禁は、誰にも相談できない恥ずかしいことです。さらに、尿もれが続くと外出が億劫になってしまったりと精神的にもマイナスな影響を及ぼします。


効果が出るまでには、長期的なトレーニングが必要なため長い目で見て骨盤底筋体操に取り組んでいきましょう!

骨盤底筋体操のポイント!

それではまず、骨盤底筋体操を行う上でのポイントについてご紹介します。

骨盤底筋を鍛える際に意識するポイントは、『肛門(お尻の穴)を閉める』ことです。本来、お尻の穴を閉めると他の筋肉にも力が入ってしまうので力み過ぎになりますが、骨盤底筋体操を始めたばかりの方は、お尻の穴を意識するとイメージしやすくなります。

お尻の穴を閉めるイメージがわからない方は、おしっこを途中で止めてみてください。それと同じ感覚で骨盤底筋を意識してトレーニングしていきましょう。


上記の方法に慣れてきたらに以下の方法を意識することも良いでしょう。

▶︎ 男性の場合は、睾丸を引き上げるように意識する。
▶︎ 女性の場合は、膣で水を吸い上げるように意識する。

さらに、可能であればお尻の割れ目に沿ってタオルを置き、お尻でタオルを掴むように意識すると効果的です!

骨盤底筋体操①|導入編 

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【ドローイン】
所要時間:約10分

まず初めに骨盤底筋体操の導入編としてご紹介するのは、寝たままできる体操です。こちらの体操は、ドローインと呼ばれる体幹の深層部筋である骨盤底筋を効果的にトレーニングすることができます。このドローインでは、息を大きく吐きながらお腹でタオルを押し込むことで骨盤底筋を意識して鍛えることができます。

《ドローインのポイント》
① 仰向けの姿勢になります。
② 両ひざを軽く曲げて立て、足を肩幅に開きます。
③ おへその上に手を乗せます。
④ 10~15秒程度、肛門や膣をお腹側に引き上げるように閉めます。
⑤ 45~50秒程度、力を抜いて体をリラックスさせます。
⑥ 10回ほど繰り返します。

骨盤底筋体操②|導入編 

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【骨盤はさみ】
所要時間:約10分

膀胱(ぼうこう)が満杯になりおしっこが出そうになると運動神経を介して「外尿道筋(横紋筋)」が尿道をきつく締めつけ、尿がもれないように我慢をします。特に高齢者や産後には、この括約筋や骨盤底筋の働きが衰えるため咳やくしゃみだけでも尿もれを起こす場合があります。

そこでご紹介するのがこちらのボールはさみの体操です。ボールを太ももで挟むことで内ももに付着する「内転筋」や「骨盤底筋」「括約筋」を鍛えることができるため尿もれに効果が期待できます。ボールがない方はタオルを丸めて挟むのも良いでしょう。

《骨盤はさみのポイント》
① ボールの空気を軽く抜きます。
② 内ももの間にボールをはさみます。
③ 息を吐きながら内ももに力を入れボールを押しつぶします。
④ 10~15秒程度、押しつぶし続けます。
⑤ 45~50秒程度、力を抜いてリラックスします。
⑥ 10回ほど繰り返します。

骨盤底筋体操③|中級編

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【ヒップアップ】
所要時間:約5分

骨盤底筋群を鍛える体操方法に、ヒップアップ(お尻上げ運動)があります。通常のお尻上げ運動にボールを活用することで内ももや肛門に力を入れることができるので骨盤底筋群を効果的に鍛えることができます。

《ヒップアップのポイント》
① 両膝を立てて仰向けになります。
② 床からお尻を浮かせます。
③ お尻をあげる際は、息を大きく吐きましょう。
④ 膝の頭から上半身が一直線になるように意識します。
⑤ 肛門や腟(睾丸)を引き上げるように意識します。
⑥ 10〜15秒程度お尻を上げたままキープします。
⑦ 10回ほど繰り返します。




骨盤底筋体操に、他にもまだまだあります。
続きは乞うご期待...

骨盤底筋体操④|応用編

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【お尻歩き】
所要時間:5分

骨盤底筋体操の応用編としてお尻歩きをご紹介します。お尻で歩くだけで骨盤底筋のトレーニングができます。尿もれの予防や産後の骨盤の改善にお役立てください!

《お尻歩きのポイント》
① 両膝を伸ばして座ります。
② 大きくゆっくりとお尻で前進するように意識します。
③ 10歩ほど前進します。
④ 5回ほど繰り返します。

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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