居宅訪問チェックシートの実施頻度やを書き方 個別機能訓練加算の基礎知識

個別機能訓練加算を算定している事業所の方、これから算定する事業所の方に必見です!今回は、平成27年度の介護報酬改定で必須となった居宅訪問で必要な「居宅訪問チェックシート」と「興味関心チェックシート」を踏まえた居宅訪問のチェックポイントをまとめてご紹介します。居宅訪問は、個別機能訓練計画書を作成する上でも重要となります。ご利用者様ができるだけ長く、住み慣れた環境で生活を続けていただくためにも居宅訪問時のポイントを学んでいきましょう。

個別機能訓練加算に必要な居宅訪問の目的とは

個別機能訓練加算の算定要件について、より効果的に機能訓練を実施する観点から、平成27年度の介護保険改定において、「居宅訪問の上で利用者の居宅での生活状況を確認すること」を新たに加算の要件に追加されました。

 

さらに、「居宅訪問チェックシート」や「興味関心チェックシート」を活用することが推奨されました。

 

厚生労働省老健局振興課長「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する 事務処理手順例及び様式例の提示について」

個別機能訓練加算を算定する上でなぜ居宅訪問が必要になったのか?

居宅訪問の目的は、ご利用者様が「自宅の環境でどのように生活しているのか」「生活の課題や問題点はないか」を把握することにあります。利用者の居宅における生活状況を確認し、個別機能訓練計画に反映させることが居宅訪問の目的となっています。


従来の個別機能訓練計画書の作成では、ケアプランやご本人・ご家族からの情報収集にて計画書を作成していました。しかしながら、これだけの情報収集では、実際に利用者様の自宅にある段差や手すりなどの家屋状況や生活状況を把握することは困難です。

 

特に、ご自宅に伺うことがないデイサービスなどの通所介護事業所では、これらの情報を得ることは難しいといえます。

そこで、実際にご利用者様のご自宅に訪問することで、どうすればご利用者様が住み慣れた環境で生活を続けていくことができるかを考え、適切な福祉用具のアドバイスやご利用者様の生活環境にあった機能訓練を実施していくことができるようになるのです。

 

居宅訪問や居宅訪問チェックシートの実施頻度

ご自宅への居宅訪問は情報収集をするだけでなく、居宅訪問チェックシートで推奨されている項目をベースに少なくとも3ケ月ごとに1回以上の頻度でご利用者様やご家族に訓練内容や立案した目標の達成状況などを報告する場としても活用されます。


▼個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱの算定要件や計画書の作成方法などについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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居宅訪問時に確認すべき3つのポイントとは

では、個別機能訓練加算で利用者様の居宅を訪問をする場合には、どのようなことを確認するのでしょうか?

 

ご利用者様の居宅訪問時に確認する3つのポイントをご紹介します。

  1. (1)現在している生活の状況
  2. (2)主な生活の動線
  3. (3)課題となっている自宅の環境


この3点を把握することで、住み慣れた環境で生活ができるように適切な福祉用具を提案したり、自宅環境を想定した日常生活の訓練を提供することができるようになります。機能訓練に活かすためのポイントとしては上記3点を中心に観察することですが、加算の算定要件として記録に残すときは少しく工夫した方がよいかもしれません。

 

3ヶ月ごとの居宅訪問を行なった記録の項目や内容について

居宅訪問した記録については、利用者の居宅での生活を確認した上で個別機能訓練計画を作成するという目的に沿えるように実施したことを残しましょう

具体的に居宅訪問の記録として残し、他職種と共有しておきたい情報としては居宅訪問チェックシートで示されている内容が主となります。もし、指定の居宅訪問チェックシートの書式と異なる書式や、カルテや介護記録のような形で文章で書き込む場合には、以下の内容を含む形にすることが望ましいと思います。

 

・訪問した日時(機能訓練計画作成日より原則前)

・生活全般のADL・IADLについて自立度

・ADL等の課題度

・どんな環境で行なっているか

・ご利用者様やご家族に訓練内容や立案した目標の達成状況などを報告したこと(再評価の内容)

・ご利用者・ご家族からのコメント

これらの記録があり、ケアプランや個別機能訓練計画との整合性が取れていれば加算算定のための居宅訪問の記録として足りると思います。

 

個別機能訓練計画書の作成で作成しておきたい居宅訪問チェックシート

個別機能訓練計画書を作成する場合は、ご家族やご本人の生活目標などを掘り起こしていかなければなりません。

しかしながら、ご利用者様によっては「生活の目標」や「今後したいこと」など目標を見失っていることもあります。急に「どんなことに興味がありますか?」「自宅で生活しにくい場所は?」と聞かれても具体的な目標が出てきません。


そこで役立つのが「居宅訪問チェックシート」です!

 

▼個別機能訓練計画書の作成方法については以下の記事でご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです!

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居宅訪問チェックシートについて

居宅訪問チェックシートとは、日常生活の自立度(自立、見守り、一部介助、全介助)や生活状況の課題、環境の問題を効率よく見つけることができます。

[出典] 厚生労働省老健局振興課
 

通所介護事業所の中では、実際のご利用者様の生活課題は見えません。そこで居宅訪問チェックシートを活用することで生活状況や環境を把握することができます。

 

居宅訪問チェックシートでは、ご利用者様が自宅でお困りの「食事・排泄・入浴・更衣などのADL(※1)」、「調理・洗濯・掃除・階段昇降などのIADL(※2)」、「立ち上がり・起き上がりなどの基本動作」といった項目を確認することができます。

 

居宅訪問チェックシートの記入方法・書き方について

居宅訪問チェックシートを活用する場合は、ADL・IADL・基本動作の項目を[自立][見守り][一部介助][全介助]の4つで評価し、この項目に課題が[有る][無し]を付けることで評価することができます。


居宅訪問チェックシートで重要なポイントは、「今現在している生活」や「環境の問題点」を把握することです。そのため、ご利用者様が「自力でどこまで生活できるのか?」「どの程度の介助が必要なのか?」を把握するだけでなく、生活環境においての問題点なども随時記入しておくと良いでしょう。


さらに、問題となる環境においては、高さを計測したり、写真を撮影させていただくと、通所介護事業所に持ち帰ってから他職種のスタッフと情報を共有して、自宅を想定した段差の調整や調理道具の準備など、より実践的な訓練を提供することができます。


※尚、個別機能訓練計画書作成に関わる職員であれば機能訓練指導員以外のスタッフが居宅訪問を行っても構いません。また、生活状況を確認する者は毎回必ずしも同一人物で行う必要はありません。


(※1)ADLとは、自宅で日々行っている食事、更衣、移動、排泄、整容、入浴といった日常生活動作のことです。
(※2)IADLとは、洗濯、掃除や調理といった家事や買い物、金銭管理、公共交通機関の利用といった手段的日常生活動作を指します。

 

▼居宅訪問チェックシートのひな形については、厚生労働省の老健局振興課より提示されています。詳しく見たい方はこちらをチェックしてください。

居宅訪問チェックシートのひな形はこちら

厚生労働省老健局振興課長「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する 事務処理手順例及び様式例の提示について」

このような場合に、ご高齢者の持つ興味や関心を引き出すために「興味・関心チェックシート」が役立ちます。

興味関心チェックシートの記載方法について

興味・関心チェックシートの項目には、日常生活や家事動作、趣味、スポーツ、社会参加に対してご利用者様が実際に「している」「してみたい」「興味がある」の3つで評価していくだけです。


趣味や社会参加への目標は、なかなか聞き出せない情報です。ご利用者様の趣味嗜好や社会参加への意欲などを新たに探り、介護現場での機能訓練に活用していきましょう!

ご本人からお聞きできない場合は、ご家族に元々好んでいた趣味などをお聞きするのも良いでしょう!


▼興味関心チェックシートの使い方についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

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個別機能訓練加算における居宅訪問の注意事項とは

厚生労働省のQ&Aをもとに個別機能訓練加算の算定における居宅訪問を行う場合の注意事項をご紹介します。


【質問1】

通所介護の個別機能訓練加算について、利用者の居宅を訪問し、利用者の在宅生活の状況を確認した上で、多職種共同で個別機能訓練計画を作成し機能訓練を実施することとなるが、利用者の中には自宅に人を入れることを極端に拒否する場合もある。入れてもらえたとしても、玄関先のみであったり、集合住宅の共用部分のみであったりということもある。このような場合に、個別機能訓練加算を取るためにはどのような対応が必要となるのか。

【回答】

利用者の居宅を訪問する新たな要件の追加については、利用者の居宅における生活状況を確認し、個別機能訓練計画に反映させることを目的としている。このため、利用者やその家族等との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、通所介護事業所の従業者におかれては、居宅訪問の趣旨を利用者及びその家族等に対して十分に説明し、趣旨をご理解していただく必要がある。

【質問2】
利用契約を結んではいないが、利用見込みがある者について、利用契約前に居宅訪問を行い利用者の在宅生活の状況確認を行い、利用契約に至った場合、個別機能訓練加算の算定要件を満たすことになるか。
【回答】
利用契約前に居宅訪問を行った場合についても、個別機能訓練加算の居宅訪問の要件を満たすこととなる。

【質問3】
居宅を訪問するのは、利用者宅へ送迎をした後そのまま職員が残り、生活状況を確認することでも認められるか。
【回答】
認められる。

厚生労働省「平成 27 年度介護報酬改定に関するQ&A(平成 27 年4月1日送付)」

まとめ

今回は、厚生労働省から推奨されている「居宅訪問チェックシート」を踏まえた居宅訪問のチェックポイントをご紹介しました。

居宅訪問は、自宅を想定した具体的な機能訓練を提供するためにとても大切な役割があります。


個別機能訓練加算は、ご利用者様一人ひとりの身体能力や生活環境に合わせた機能訓練を提供することで算定できる加算です。そのため、デイサービスを利用されるご利用者様が、住み慣れた自宅でいつまでも元気に生活をしていただくためにも居宅訪問を行った上で個別機能訓練計画書を作成し、機能訓練を提供していく必要があるのではないでしょうか?

今回の記事を参考に私たちスタッフがご利用者様に寄り添い、自宅の状況や本人の気持ちを把握できればすることができればと思います。
 

【最後に筆者より】

介護経営者のための情報サイト「リハプラン」では、今回ご紹介したように「個別機能訓練加算」を算定するために必要な情報をお届けしています。

平成30年度の介護報酬改定に向けて個別機能訓練加算を算定していきたい方、機能訓練メニューがわからない方、機能訓練計画書の書き方がわからない方などお悩みがありましたら、気軽にご連絡ください♬

 

デイサービス運営では、個別機能訓練加算の算定は売上の貢献にも非常に重要な要素だと言えます。「個別機能訓練加算・個別機能訓練計画書」に関する記事を一挙にまとめた記事をご用意していますので、必要に応じて活用していただけたら嬉しいです。

→→ 【完全保存版】デイサービス経営者必見!個別機能訓練加算・計画書まとめ|随時更新

 

著者プロフィール

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大屋 祐貴

リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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