算定割合低水準の入浴介助加算(Ⅱ)|ケアマネ対応のポイントを解説
介護保険法
2023/03/15
介護保険法
基本報酬
更新日:2022/02/21
介護保険サービスを受けるための要介護認定とは、各市区町村に設置される介護認定調査会からくる認定調査員の調査をを受け、現状の心身機能に応じ要介護5〜要支援1の7段階の要介護区分に認定されます。今回は、認定調査票や主治医意見書の様式などを交え、コンピュータによる一次判定、介護認定審査会での二次判定の内容などを紹介します。認定区分から認定期間・有効期間、申請・更新の方法まで徹底解説します。
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この記事の目次
要介護認定とは、介護保険サービスを利用する場合に必要な認定を市区町村から受ける認定です。要介護認定は「要介護状態にある65歳以上の者」もしくは「40歳以上65歳未満の者で特定疾病をお持ちの方」が認定を受けることができます。
基本的には65歳以上になると、介護保険の加入者であることを証明する「介護保険被保険者証」が交付されます。その保険者証を持参し、各市区町村に設置されている介護認定調査会に認定調査を依頼した場合に、要支援1〜要介護5まで7つの区分の要介護認定を受けることができます。この区分は、本人の生活能力や認知機能などを聞き取り調査と主治医意見書から判断して認定されます。
要介護認定の結果は、原則、その申請から30日以内に認定調査結果が通知されることになっています。
要介護認定区分とは、要支援1~2と要介護1~5の7区分に分かれています。要介護認定区分によって利用できる介護保険サービスの内容や支給限度額が定められています。
要介護度認定の各区分像として以下を参考にしてください。
基本的な日常生活を送る能力はあるものの身の回りのことに対して一部支援が必要となる。
今後、要介助状態になることを予防する必要なあること。具体的には、椅子からの立ち上がりや歩行などに若干の安定感があるため入浴などに配慮が必要。日常生活には支障がない程度の物忘れがある。
日常生活に若干の介助が必要となる。具体的には椅子からの立ち上がり時や歩行などに不安定感があるため入浴、排泄に一部介助が必要となる。また、高次のIADL(手段的日常生活動作)の能力が低下している状態。能力認知機能面で物忘れなどがあり、理解力の低下がある。
要介護1より介護が必要となる。具体的には立ち上がりだけでなく、起き上がり、歩行に部分的な介助が必要となる。排泄、入浴、着替えなどのADL(※1)、または料理、洗濯などのIADLに部分的な介助が必要となる。認知機能の低下があり、記憶があいまいだったり、他者との円滑な会話が困難となる。
要介護2の状態から、さらに立ち上がりや歩行において自分では行うことができず、ADL(日常生活動作)およびIADL(手段的日常生活動作)が著しく低下しているため全般的に介助が必要となる。認知機能の低下があり、自分の生年月日や名前が分からなくなる。
要介護3より著しく身体能力の低下があり、日常生活のほとんどのことを介護なしに行うことができない状態。意思疎通が取れないことが頻繁にあり、日常生活に支障をきたすことが多い状態。
要介護4よりさらに基本的な動作が困難になり、いわゆる寝たきり状態。すべての日常生活に全面的な介助が必要となる。言葉や物の理解も著しく低下し、意思の疎通が完全に困難な状態。
要介護認定の判定方法は、どのように行われるのでしょうか?
厚生労働省によると、要介護認定の判定は市区町村に申し込んだ後、市区町村の担当者より「認定調査票に基づく聞き取り調査」と「主治医意見書」と主に1次判定があり、その結果をもとに介護認定審査会で2次判定審査を行い判定するとされています。
市区町村の担当者や認定調査員による「聞き取り調査」や「主治医意見書」を基に、コンピューターが介護にかかると想定される時間(要介護認定等基準時間)を客観的に推計して算出、7つのレベルに分類します。
コンピュータによる一次判定は、その方の認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。
5分野(直接生活介助、間接生活介助、BPSD関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為)について、要介護認定等基準時間を算出します。
一時判定では機械的に要介護認定等基準時間を算出して区分分けを行いますが、実際に家庭で行われる介護時間とは異なります。
要支援1では、要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態
要支援2・要介護1では、要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護2では、要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護3では、要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護4では、要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護5では、要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態
要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものなので、これを正確に行うために介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調査した結果から導き出されたデータを1分間タイムスタディ・データと呼んでいます。
1次判定の結果をもとに、介助が必要と思われるが介助がされていない、または介助がされていても不適切である場合など、介助が不足しているという具体的な事実や根拠が主治医意見書や特記事項に記載されていた場合は、適切な介護が行われるよう配慮して介護認定審査会でその結果や調査員からの報告なども交えて2次判定審査を行い、要介護度を判定していきます。
主治医意見書とは、市町村が要介護認定を行う際には、主治医から、疾病、負傷の状況などについて医学的な意見を所要の事項を意見書として医師に記載してもらう書類です。要介護認定に必要な主治医意見書について詳しくは「主治医意見書の様式や項目の内容|介護保険の要介護度認定」の記事で紹介しています。
主治医意見書の中には、「認知症高齢者の日常生活自立度」と「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」があります。もっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
【関連記事】 認知症高齢者の日常生活自立度とは 認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準を、各ランクがどのような基準になっているのかわかりやすくまとめました。 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)とは 障害高齢者の日常生活自立度(通称:寝たきり度)の判定基準を、各ランクがどのような基準になっているのかわかりやすくまとめました。 |
厚生労働省が定める要介護認定の有効期間は、新規申請で原則6ヶ月、更新認定で原則12ヶ月となっています。
介護認定審査会の意見にもとづき必要と認める場合、有効期間を原則よりも短く、または長く定めることも可能となっています。
日常生活総合事業の開始など区市町村の事業範囲が広がり、認定にかかる事務負担を軽減するため、平成30年4月から認定有効期間は、1次判定の要介護度が前回の認定結果と一致し、前回の認定の有効期間が12ヵ月以上の場合の更新認定時には、要介護認定に係る有効期間を延長し、簡素化することが可能となりました。
[出典]全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料について, 平成30年3月6日(火), 厚生労働省
要介護認定は、どのように申請すれば良いのでしょうか?申請方法の流れをご紹介します。
【申請する場所】
本人が住んでいる市区町村の窓口で申請します。
【申請する人】
基本的に申請は本人、またはその家族が行います。しかしながら、家庭内の事業で本人または家族が申請に行くのが難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に代行してもらうこともできます。
【申請で準備するもの】
要介護認定の更新をする場合は、有効期間が満了する日の「60日前〜満了日」までに行います。また、認定有効期間中に、状態が良くなった、悪くなったなど介護状態が明らかに変わった場合も随時、介護認定の更新手続きをすることができます。(区分変更申請)
要介護認定の更新の手順は、要介護認定を申請する時と同様に「申請書」に必要事項を記載し、現在使用中の「介護保険証」を添えて市町村の窓口に提出します。もし、要介護認定有効期間までに更新ができて居ないと認定期間以降に介護保険サービスが使用できなくなってしまいます。
要介護認定を受けたら必ず認定有効期限を確認しておきましょう!
要介護認定の申請から認定までの流れをまとめとしてご紹介します。
【要介護認定までの流れ】
1 | 市区町村の窓口に必要書類を提出
・印鑑 ・要介護(要支援)認定申請書 ・65歳以上の場合は、介護保険被保険者証 ・40歳~64歳の場合は、健康保険被保険者証 |
2 | 介護保険資格者証の受け取り |
3 | 訪問調査の日程調整 各市区町村から1次判定に必要な訪問調査の日程連絡があり、希望の日時を決めます。 |
4 | 1次判定 各市区町村の担当者、または委託されたケアマネジャー(介護支援専門員で認定調査員の有資格者)が訪問による聞き取り調査を行います。 各市区町村から、かかりつけ医に主治医意見書の作成を依頼され、これらをもとに判定されます。 |
5 | 2次判定 特記事項などの必要書類、1次判定内容、主治医の意見書を参考に介護認定審査会が要介護認定区分の判定を行います。 |
6 | 認定結果の通知 申請から約30日以内に認定結果と介護保険被保険者証が郵送されます。 |
要介護認定の区分や認定期間、申請までの手順はご理解いただけましたでしょうか。2025年の超高齢化に向かって要介護認定者はますます増加していくことが予想されます。要介護認定希望者だけでなく、医療・介護に携わるスタッフもこの申請方法は把握しておきましょう。
デイサービスの経営や運営は様々な視点から行っていくことが重要だといえます。これまでのやり方に加えて、稼働率アップさせるための営業戦略や、より業務効率化・生産性向上に貢献するITツールの導入などを検討していってもよろしいのではないでしょうか。 これら経営や運営に関する記事を一挙にまとめていますので、該当する記事を読んでいただき少しでも参考にしていただけたらと思います。 →→ 【完全保存版】デイサービス経営改善・運営・営業戦略・ITツール・実地指導・接遇に関する記事まとめ|随時更新 |
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?
その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
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