算定割合低水準の入浴介助加算(Ⅱ)|ケアマネ対応のポイントを解説
介護保険法
2023/03/15
介護保険法
栄養改善加算
更新日:2022/02/25
栄養改善加算とは、ご高齢者に対して栄養状態の維持・改善をすることで算定できる加算です。平成30年度(2018年)の介護報酬改定では、外部との連携で管理栄養士を1名以上配置で算定が可能に。厚生労働省の栄養ケア計画書書式の項目は、解決すべき課題(ニーズ)、目標と期間、栄養ケアの内容、担当者、頻度、期間、経過記録など。今回は、栄養改善加算の算定要件と見直しされた人員要件についてまとめてご紹介します。
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この記事の目次
栄養改善加算とは、低栄養状態またはそのおそれがあるご高齢者に対して、栄養状態の改善を図る相談や管理といったサービスを提供した場合に算定できる加算です。
この加算では、利用者の心身状態の維持または向上を含め、栄養改善の対するサービスを提供します。
栄養改善加算を算定できる介護サービスは、こちらです。
栄養改善加算の単位数は、要介護、要支援ともに1回につき「150単位」を算定することができます。
※ただし、原則3カ月以内であり、要介護者は月2回、要支援者は月1回までを上限とします。
栄養改善加算と類似する加算に「栄養スクリーニング加算」があります。栄養スクリーニング加算については、こちらの記事がオススメです!
【関連記事】 栄養スクリーニング加算とは?算定要件からQ&Aのまとめ【新設加算】 通所介護や通所リハビリ、小規模多機能、グループホーム、特定施設などで算定することができる栄養スクリーニング加算は、管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な加算です。栄養スクリーニング加算について算定要件からQ&Aまでまとめてご紹介します。 |
栄養改善加算を算定するためには、都道府県や指定都市などの指定官庁へ届け出が必須であり、「事業所の算定要件」と「対象者の算定要件」が定められています。
栄養改善加算を取得するための事業所の算定要件は以下の通りです。
栄養改善加算を取得するためには、以下のいずれかに該当するご利用者がいる必要があります。
また、以下の問題が認められた者に対して、対象者に該当するか確認が必要となります。
▼低栄養状態のご高齢者を「サルコペニア」といいます。サルコペニアについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
【関連記事】 サルコペニアの評価と栄養の基礎知識 ご高齢者の指導する上で大切な「サルコペニアと栄養」の評価方法など基本的な知識をご紹介します。 |
【関連記事】 栄養マネジメント加算とは|算定要件から平成30年度の見直しについて 栄養マネジメント加算とは、栄養士によってご利用者様にあった「栄養」を管理(マネジメント)した場合に算定できる加算です。平成30年度の介護報酬改定では、栄養マネジメント加算の算定要件が緩和され、介護施設は算定しやすくなりました。そこで今回は、栄養マネジメント加算の算定要件や管理栄養士の人員配置、栄養改善加算との違いなどを平成30年度の算定要件の見直しについてまとめてご紹介します。 |
栄養改善加算は、算定要件に示したように栄養ケア計画書が必要で、厚生労働省が事務処理手順例・書式様式例を示しています。
栄養改善加算算定にあたり、必ず厚生労働省の提示した書式で栄養ケア計画書を作成することは求めていませんが、栄養改善加算の算定にあたっては手順としてこの様式の項目を満たす必要があります。
栄養ケア計画書の項目としては、利用者の家族の意向、解決すべき課題(ニーズ)、長期目標(ゴール)と期間、短期目標と期間、栄養ケアの具体的内容、担当者、頻度、期間、栄養ケア提供経過記録などが含まれています。
栄養ケア計画書の項目は、次で紹介する栄養改善加算の意義や目的に繋がります。
ご高齢者にとって栄養改善加算はどのような意義・目的があるのでしょうか?
参照:「栄養改善マニュアル(改訂版)」(平成21年3月)
研究班長 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 杉山 みち子
栄養マネジメント加算と栄養改善加算の違いについて見ていきましょう。
栄養マネジメント加算 | 栄養改善加算 | |
---|---|---|
対象事業所 | ○介護老人福祉施設 ○介護老人保健施設 ○介護療養型医療施設 ○地域密着型介護老人福祉施設 | ○デイサービス(通所介護) ○総合事業通所型サービス ○デイケア(通所リハ) |
単位数 | 1日あたり14単位 | 要介護、要支援ともに1回につき「150単位」を算定 |
栄養改善加算の算定している事業所は、どれくらいあるか知っていますか?
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(平成25年に実施)の調査によると、栄養改善加算を算定している事業所は必要に少ないことがわかります。
○ 算定は「9.3%」 ○ 未算定は「86.0%」 |
○ 栄養改善サービスが必要と思われる利用者がないためは、「32.6%」 ○ 必要な専門職が人材不足で配置できないためは、「32.1%」 ○ ご利用者が希望しないためは、「21.8%」 |
これまでの栄養改善加算の算定状況から、平成30年度(2018年)の介護報酬改定にて栄養改善加算の算定要件の見直しが行われました。
新しい算定要件では、「管理栄養士が1名以上の配置が必要となる要件」から「外部の管理栄養士」でも算定ができるようになりました。
【参考記事】 平成30年度の介護報酬改定の論点|通所介護の機能訓練に着目して 平成30年度(2018年)の介護報酬改定では、改定率0.54%と若干の引き上げ改定になります。その中でも通所介護では、インセンティブ制度や生活機能向上連携加算、栄養改善加算の見直しなどが行われています。こちらの記事では、平成30年度の介護報酬改定についてポイントを絞ってご紹介します。 |
ここでは、栄養改善加算について厚生労働省より提示されている「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A」からご紹介します。
(問34)通所サ―ビスにおいて栄養改善加算を算定している者に対して管理栄養士による居宅療養管理指導を行うことは可能か。 |
(答)管理栄養士による居宅療養管理指導は通院又は通所が困難な者が対象となるため、 栄養改善加算の算定者等、通所サービス利用者に対して当該指導を行うことは想定されない。 ※ 平成18年度報酬改定Q&A(vol.2)(平成18年5月2日) 通所介護・通所リハビリテ ーションの問2は削除する。 |
参照: 厚生労働省「平成30年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)」
今回は、栄養改善加算の算定要件と平成30年度の介護報酬改定で見直しされた要件についてまとめてご紹介しました。
栄養改善加算は、ご高齢者の低栄養状況を早期に発見し、「要支援者が重度の状態になることを防止すること」「要介護者の楽しみや社会参加の促しすること」を目的とした重要な加算です。つまり、低栄養状態の改善および重度化予防を図ることは、ご高齢者の自立支援につながる取り組みとなるのです。
ご高齢者の低栄養状態等の改善に必要なことは多岐にわたります。そのため、栄養の指導だけではなく、多職種に相談できる場を提供する、関連するサービスや社会資源の活用の提案なども取り組んでいただければ幸いです。
【加算・減算・報酬の関連リンク集】
栄養改善加算は、「介護予防通所介護(総合事業における通所介護相当サービス)」の基本報酬に上乗せできる加算になっています。
介護サービスには、栄養改善加算以外にもさまざまな加算・減算があります。最後に関連加算・減算についてご紹介します。(介護予防の対象加算以外も含んでいます)
● 栄養スクリーニング加算とは【新設加算】
● ADL維持等加算とは【新設加算】
● 生活機能向上連携加算とは【新設加算】
加算
● 通所介護の加算・減算の種類
● 個別機能訓練加算とは
● 口腔機能向上加算とは
● 運動器機能向上加算とは
● 栄養改善加算とは
● 介護職員処遇改善加算とは
● サービス提供体制強化加算とは
● 若年性認知症利用者受入加算とは
● 認知症加算と中重度者ケア体制加算の違いとは
● 入浴介助加算とは
● 延長加算とは
● 特定地域加算と中山間地域等に居住する方へのサービス提供加算とは
減算
● 通所介護の送迎減算について
● 人員基準欠如減算について
● 定員超過利用減算とは
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?
その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?