初心者でもわかる個別機能訓練加算【総論】算定要件や人員配置を解説

介護保険法

個別機能訓練加算

更新日:2022/12/01

【令和3年報酬改定対応】個別機能訓練加算とは、所定の算定要件を満たし、機能訓練指導員を配置した上で利用者に応じた個別の機能訓練を行った場合にできる加算のことです。本記事では個別機能訓練加算Ⅰ・個別機能訓練加算Ⅱの算定要件をはじめ、単位数、個別機能訓練加算の流れなどをご紹介します。  

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個別機能訓練加算とは、所定の算定要件を満たし機能訓練指導員を配置した上で、ご利用者に応じた個別の機能訓練を行った場合にできる加算のことです。

この記事では個別機能訓練加算Ⅰ・個別機能訓練加算Ⅱの算定要件をはじめ、単位数、個別機能訓練加算の流れなどをご紹介していきます。

個別機能訓練加算とは?

個別機能訓練加算は、機能訓練指導員を配置し個別機能訓練を行うための計画書の作成、それに基づいた機能訓練の実施などの算定要件を満たした際に算定される加算です。

令和3年介護報酬改定により、従来の個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)が加算区分が見直され個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・個別機能訓練加算(Ⅰ)ロとなり、LⅠFEへデータを提出した場合の加算として、個別機能訓練加算(Ⅱ)が新設されました。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いが分かりづらかった従来の個別機能訓練加算に比べ、算定要件や機能訓練指導員の配置条件が整理され分かりやすくなっています。

次章からは個別機能訓練加算のメリットや具体的な算定要件について解説していきます。

個別機能訓練加算のメリットは?

ケアマネ・ご利用者への提案の幅が広がる

個別機能訓練加算は、機能訓練指導員が直接、利用者に応じた機能訓練を提供することが算定要件になっています。

デイサービスの大きなニーズは「自宅での安心安全な生活を継続できるようにすること」ですので、機能訓練やリハビリを重視した姿勢はご利用者のニーズを満たすことにつながり、事業所の印象も好印象になります。

また、個別の目標に沿って今までとは違ったデイでの過ごし方・デイの役割が提案できるのも大きなメリットです。

2021年の介護報酬改定では「自立支援・重度化防止の取り組み」に大きく舵を切っており、これからもその傾向は続くものと予想されます。自宅での生活を想定した機能訓練は重要であり、今後もさらに重視されるでしょう。

単価アップ・利用増加で売上アップが見込める

個別機能訓練加算を算定した場合、施設の1名単価がアップして増収になるため、施設運営を安定させられるというメリットにつながります。

ここでは、新規算定した場合の収益シミュレーションを行ってみましょう。

シミュレーションの前提条件

  1. 1単位=10円で計算する
  2. 1日の平均利用人数 (要介護者) :25人 (登録者数100人 (うち要介護者50人、要支援者50人) )
  3. 営業日数:20日
  4. 個別機能訓練加算Ⅰ(イ):56単位/日
  5. 個別機能訓練加算Ⅱ:20単位/月
  6. 科学的介護推進体制加算:40単位/月
  7. 利用者は週3回(=月12回)通所する

個別機能訓練加算の場合

算定加算: 個別機能訓練加算Ⅰ(イ)

  • 個別機能訓練加算Ⅰ(イ)の年間売上=① × ② × ③ × ④ × 12 = 3,360,000円

合計=3,360,000円

個別機能訓練加算とLIFE関連加算の場合

算定加算:個別機能訓練加算Ⅰ(イ)、個別機能訓練加算Ⅱ、科学的介護推進体制加算

  • 個別機能訓練加算Ⅰ(イ)の年間売上=① × ② × ③ × ④ × 12 = 3,360,000円
  • 個別機能訓練加算Ⅱの年間売上 = ① × ②× ⑤ × 12 =120,000円
  • 科学的介護推進体制加算の年間売上= ① × ② × ⑦ × 12 = 480,000円

合計=3,960,000円

以上のような収益となり、算定すれば大きな増収につなげられます。

また、機能訓練の提供が来所を増やすきっかけにもなり、利用者増につなげられるのもメリットです。機能訓練やリハビリを必要としている利用者にとってもうれしい変化といえます。

このように、個別機能訓練加算はご利用者・事業所ともにメリットの多い加算といってよいでしょう。

該当の介護サービスと単位数

  • 通所介護(デイサービス) イ:56単位/日 ロ:85単位/日
    次章から詳しく解説していきます。
  • 特定施設入居者生活介護施設(有料老人ホーム) 12単位/日
    理学療法士など特定施設で働く機能訓練指導員の職務に従事する常勤が1名以上いて、共同して個別機能訓練計画を作成し、計画的に機能訓練を実施することが算定要件となっています。
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 12単位/日
    理学療法士など特養で働く機能訓練指導員の職務に従事する常勤が1名以上いて、共同して個別機能訓練計画を作成し、計画的に機能訓練を実施することが算定要件となっています。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ) 56単位/日
    理学療法士などショートステイで機能訓練指導員の職務に従事する常勤が1名以上いて、利用者ごとに個別の目標を作成し、必要な具体的動作練習や反復訓練などを5人程度以下の小集団または個別に機能訓練指導員が直接指導することが算定要件となっています。

個別機能訓練加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の算定要件

個別機能訓練加算(Ⅰ)は具体的な人員配置や訓練内容を定めた算定要件、個別機能訓練加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)に加えてLIFEの活用を必須とした算定要件になっています。

個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定する場合は単独の算定はできず、必ず(Ⅰ)を算定したのちLIFEでの提出が必須、ということです。

(Ⅰ)と(Ⅱ)を合わせて算定したい場合、LIFE提出の環境が必要ですので、算定前にLIFEに登録し、スムーズに提出できるよう準備しておきましょう。

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ

  個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ
単位数 56単位/月 85単位/月
対象者 類似の目標を持ち、同様の訓練項目を選択した5人程度以下の小集団(個別対応含む)
算定要件 居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成。利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定。必要に応じて事業所内外の設備等を用いた実践的かつ反復的な訓練とすること。
訓練の実施者

機能訓練指導員が直接実施
以下の資格を有した「機能訓練指導員」が実施する

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 看護師及び准看護師
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師・きゅう師(令和3年度改定により追加)
機能訓練指導員の配置
左項目1
専従1名以上(配置時間の定めなし) 専従1名以上(サービス提供時間帯を通じて)
  • イとロは併算定不可 
  • ロを算定する場合、イに加えて専従で1名以上配置すること
  • 人員欠如減算・定員超過減算を算定している場合は、個別機能訓練加算を算定しない
  • イは、運営基準上配置を求めている機能訓練指導員により満たすこととして差し支えない
機能訓練項目
  • 利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定
  • 複数種類の訓練項目を準備して、利用者が選べることにより生活意欲を増進されるように援助する
進歩状況の評価
  • 3ヶ月に1回実施して、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認する
  • 当該利用者又はその家族に対し個別機能訓練計画に関する状況を説明して、必要に応じて見直しを行う

※人員欠如減算・定員超過減算を算定している場合は、個別機能訓練加算を算定しない

※イは運営基準上配置を求めている機能訓練指導員により満たすこととして差し支えない。ロはイに加えて専従で1名以上配置する

個別機能訓練加算(Ⅱ)

個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数 20単位/月 (Ⅰ)算定に加えて算定する
対象者 要介護、個別機能訓練加算Ⅰを算定している者
算定要件
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)イまたは個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定していること
  • Ⅰの取り組みに加えて、厚生労働省に個別機能訓練計画の情報を提出・フィードバックを受けること(LIFEの活用)
  • 利用者の状態に応じて個別機能訓練計画の作成、計画に基づいた訓練の実施、評価、評価結果を踏まえた計画の見直しや改善の一連のサイクルによりサービスの質の管理を行う

通所介護の他、介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護等も加算の対象になります。

機能訓練指導員の配置

機能訓練指導員とは

個別機能訓練加算における機能訓練指導員とは、以下7つの国家資格からいずれかの資格を所有している指導員のことです。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 看護師及び准看護師
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師・きゅう師(令和3年度改定により追加)

また、厚生労働省より、機能訓練指導員は以下のように定義されています。

機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。

なお、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロそれぞれの機能訓練指導員の配置は以下のように決められています。イとロの最大の違いはこの機能訓練指導員の人員配置ですので、算定前によく確認し、場合によっては人員配置を整備しておく必要があります。

参照:厚生労働省ホームページ,社保審-介護給付費分科会 第153回(H29.11.29) 資料5,介護人材関係について

人員配置・兼務に関するQ&A

(問)個別機能訓練加算(Ⅰ)イにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することとなっているが、具体的な配置時間の定めはあるのか。
(答)個別機能訓練加算(Ⅰ)イに係る機能訓練指導員については、具体的な配置時間の定めはないが、当該機能訓練指導員は個別機能訓練計画の策定に主体的に関与するとともに、利用者に対し個別機能訓練を直接実施したり、実施後の効果等を評価したりする必要があることから、計画策定に要する時間、訓練時間、効果を評価する時間等を踏まえて配置すること。なお、当該機能訓練指導員は専従で配置することが必要であるが、常勤・非常勤の別は問わない。
(問) 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等をサービス提供時間帯を通じて1名以上配置することとなっているため、合計で2名以上の理学療法士等を配置する必要があるということか。
(答)貴見のとおり。
(問)個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等をサービス提供時間帯を通じて1名以上配置することとなっているが、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名しか確保できない日がある場合、当該日は個別機能訓練加算(Ⅰ)ロに代えて個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定してもよいか。
(答) 差し支えない。ただし、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置しているのみの場合と、これに加えて専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等をサービス提供時間帯を通じて1名以上配置している場合では、個別機能訓練の実施体制に差が生じるものであることから、営業日ごとの理学療法士等の配置体制について、利用者にあらかじめ説明しておく必要がある。
(問) 通所介護等事業所において配置が義務づけられている管理者は、機能訓練指導員を兼ねることができるか。
(答)・ 管理者の配置基準は、指定通所介護等事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置くこと(ただし、指定通所介護等事業所の管理上支障がない場合は、当該指定通所介護等事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。)となっている。また、機能訓練指導員の配置基準は、指定通所介護等事業所ごとに1以上と定められている。・ このため、通所介護等事業所において配置が義務づけられている管理者は、指定通所介護等事業所の管理上支障がない場合、管理者としての職務に加えて、機能訓練指導員の職務に従事することが可能である。
(問)第一号通所事業と一体的に運営される通所介護において、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又はロを算定するために配置された機能訓練指導員が、第一号通所事業の運動器機能向上加算を算定するために配置された機能訓練指導員を兼務できるのか。
(答)通所介護の個別機能訓練の提供及び第一号通所事業の運動器機能向上サービスの提供、それぞれに支障のない範囲で兼務することが可能である。

参照:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.3)」

個別機能訓練加算の算定開始までの流れ

個別機能訓練加算を算定する際は、上記のような流れで進めていきます。

ひとつひとつの内容を次章から解説していきましょう。

1.個別機能訓練加算の算定要件を確認する

個別機能訓練加算(Ⅰ)は、機能訓練指導員が直接、または5人以下の小集団で機能訓練を実施することが求められます。また機能訓練指導員を2名配置することで、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロとして85単位が算定できます。

個別訓練指導員(Ⅱ)は、(Ⅰ)の算定に合わせてLIFE活用が必須です。

まだLIFEを利用していない場合は、パソコンの設置などハード面の整備を含め、算定前にLIFE利用の環境づくりのため、早めの準備が必要です

2.自治体に必要書類を提出する

算定要件を満たしていれば、自治体窓口に「届出書類」を提出します。

個別訓練加算の提出期限や届出方法は、各自治体によって「窓口へ直接提出」なのか「郵送提出」なのかが異なるため、事業所の登記している自治体に事前に問い合わせて確認しておくのがおすすめです。

提出すべき書類の例は以下の通りです。

  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(加算届)
  • 介護給付費算定に係る体制等状況一覧(居宅サービス、施設サービス)
  • 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  • 機能訓練指導員の資格証
  • 機能訓練計画に関連する様式

※運営規程・重要事項説明書に変更が生じる場合には、合わせて届出を行う。

また、以下のようなケースの場合、算定可能かどうかを必ず自治体に確認しておきましょう。

  • 個別機能訓練加算(I)イ・ロで配置する機能訓練指導員の勤務が不定期な場合
  • 個別機能訓練加算(I)ロの機能訓練指導員をサービス提供時間を通じて配置できているか判断できない場合
  • 人員についての要件がある個別機能訓練加算以外の加算も算定している場合

3.ケアマネ・ご利用者への説明(担当者会議)

加算算定開始前にはケアマネジャーへの周知とご利用者・ご家族への同意や周知をしておく必要があります。

事業所で提供する内容は、ケアマネジャーの適切なケアマネジメントを経て計画されるものです。そのため、加算を算定する場合は「機能訓練の必要性」を理解してもらう必要があります。

事業所宛に案内文をお渡しし、在籍するケアマネジャーの方々へ周知していただくのがベストです。

また、個別機能訓練加算を算定する上でご利用者の居宅訪問が必須評価となっているため、ご利用者・ご家族にも周知が必要です。事前に伝えることで居宅訪問が行いやすくなりますので、案内文を作成するなどして周知しておくとよいでしょう。

4.生活機能チェックシート・興味関心チェックシートの作成

個別機能訓練加算を算定する上で「生活機能チェックシート」の作成が必須になります。また、任意ではありますが「興味関心チェックシート」を作成しておくと目標設定に役立ちます。

居宅訪問時には「生活機能チェックシート」「興味関心チェックシート」を利用し、ご利用者の状況を把握していきます。

  • 生活機能チェックシート
    医療・介護スタッフが居宅での生活状況を把握するためのチェックシート。
    科学的介護の実現に向け「バーセルインデックス」が導入されています。
  • 興味関心チェックシート
    ご利用者が項目に対し「している」「してみたい」「興味がある」の3つに〇・×をつけていくシート。
    簡単に応えられる項目が並べられているシートです。

5.個別機能訓練計画書の作成

個別機能訓練計画書は、機能訓練指導員を中心に多職種が協働しながら作り上げていきます。

居宅訪問で「機能チェックシート」の記入が完了したら「興味関心チェックシート」についてもできる限り調査を行い、その後、以下のような流れで個別機能訓練計画書を作成していきます。

個別機能訓練計画書の書き方

個別機能訓練計画書における基本情報は、ケアマネジャーから頂くケアプランを参考に記載していきます。事前に居宅訪問やご本人・ご家族から情報収集したご希望・ご要望、生活課題も記載していきます。

作成日 初回作成の場合は、作成日には初回ご利用日以前の日付を記載します。2回目以降の作成の場合は、作成日に前回作成日からおおむね3ヵ月くらいまでの日付を記載しましょう。
作成者 主に担当の機能訓練指導員の名前を記載します。
介護認定 介護認定を受けている要介護度を記載します。
認定結果が出ていない場合は「申請中」と記載しましょう。
スタッフ 管理者・看護・介護・機能訓練・相談員
共同で計画書作成に係ったそれぞれの職種の名前を記載します。
本人の希望 事前の居宅訪問での情報収集の内容を記載します。
家族の希望 事前の居宅訪問での情報収集の内容を記載します。
障害高齢者の日常生活自立度 判定基準に則り、自立度を記載します。
認知症高齢者の日常生活自立度 判定基準に則り、自立度を記載します。
病名、合併症(心疾患、呼吸器疾患等) ケアマネージャーのケアプランやサマリー、ご本人やご家族などから情報収集した病名や合併症などの医学的情報を記載します。

個別機能訓練加算の短期・長期目標

算定要件として、心身機能・活動・参加の維持改善を目的に目標設定することとされています。

例えば「座る・立つ・歩く」といった身体機能の向上を目指す目標を記載するのではなく、居宅状況における生活レベルの目標や、地域における社会的関係の維持に関する目標など、具体的な生活上の行為の達成を含めた目標とすることと示されており、以前の旧個別機能訓練加算Ⅱに近い内容が求められています。

長期目標

参加:趣味や家族の買い物のためにデパートへいく(遠出)
活動:荷物をもって長時間歩行できるようにする
機能:動的な立位バランス機能の向上を図る

短期目標

参加:近所のコンビニにいく
活動:階段昇降を行えるようにする
機能:下肢筋力の向上を図る

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個別機能訓練計画書に記載するプログラム内容

プログラム内容は、短期目標を達成するために必要な行為を遂行できるように、生活機能を向上させるための訓練項目を決定していきます。

ご利用者の心身機能などに照らし可能であること、困難であることを整理し、どのような訓練を行えば可能となるのかを検討する必要があります。

6.本人・ご家族へ説明・同意(控えをお渡し)

個別機能訓練計画書を作成したら、作成した計画書をご利用者または家族に説明し、同意を得ます。

ご利用者と家族の同意を得た後は、担当のケアマネジャーに個別機能訓練計画を交付し、同意を得たことを報告します。

7.個別機能訓練の実施(実施記録を記載・保管)

個別機能訓練計画書の作成とご利用者・家族の同意、ケアマネジャーへの報告が完了したら、具体的な実施が始まります。

機能訓練実施にあたっては、以下のような実施体制・方法・訓練時間・頻度などが求められますので、その点に留意して実施していきます。

  • 個別・もしくは類似の目標を持ち同様の訓練内容を選択した5人以下の小集団で行う
  • 機能訓練指導員が直接指導する
  • 目標を具体的な生活上の行為の達成としている場合、実際の生活上の様々な行為を構成する実際的な行動やそれを模した行動を反復して行う
  • 概ね週1回以上実施することを目安とする

また、訓練の際はその都度、機能訓練の記録を残し、従業者が閲覧可能であるようにすることが必要です。

8.モニタリング・評価の実施

個別機能訓練加算の算定においては、3ヵ月に1回以上ご利用者の居宅を訪問し、居宅での生活状況を確認し、目標の達成状況・機能訓練が適切であったか・機能の効果などの評価が必要です。

また、モニタリング・評価実施後は関係者に結果を説明する必要があります。

「利用者と家族」、「ケアマネジャー」の両名に対して、

  • 実施状況
  • 効果

身体機能評価のレポートなど、わかりやすいグラフなどを用意しながら説明すると、伝わりやすいです。

よくある質問

(問)訪問職員は介護職員でもよろしいのでしょうか。
(答)個別機能訓練計画は多職種協働で作成することが前提であるため、適切に居宅の生活状況を評価できる職員であれば、職種に指定はございません。
(問)介護度が変わった場合、機能訓練計画書は月の途中でも新規作成した方がいいですか?
(答)介護度が変更となり、利用者の状況変化が生じていると思われます。再度アセスメントを行い、計画書を再作成いただくことをおすすめいたします。
(問)特記事項にはどのようなことを入力すればいいですか?
(答)運動プログラムを実施するにあたり、注意すべきこと等を記載します。例 かかりつけ医より運動の中止基準情報がある。 収縮期血圧 上限180mmHg 下限 90mmHg など。

介護保険最新情報(Q&A)

(問)個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロについては、個別機能訓練計画を作成するにあたり、利用者の居宅を訪問し、利用者の居宅での生活状況の確認等を行うこととなっているが、通所介護等事業所において、長期にわたり、いわゆる「宿泊サービス」を利用している利用者に関しては、どのように対応すればよいか。
(答)個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロは、利用者ごとに心身の状態や居宅の環境をふまえた個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき機能訓練を行うことで、利用者の生活機能の維持・向上を図り、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目指すために設けているものである。このため、いわゆる「宿泊サービス」を長期にわたって利用しており、居宅で生活していない利用者に対して、同加算を算定することは基本的には想定されないが、例えば、今後宿泊サービスの利用を終了し居宅での生活を再開する予定である利用者について、利用者とともに居宅を訪問し、居宅での生活にあたっての意向等を確認した上で、居宅での生活再開に向けた個別機能訓練を実施する等の場合にあっては、同加算の算定も想定されうるものである。
(問)個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロにおいては、個別機能訓練の実施にあたり、利用者の生活機能の向上に資するよう複数の種類の訓練項目を準備し、その項目の選択に当たっては、利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助することとなっているが、どのくらいの種類の訓練項目を準備しておくことが必要なのか。
(答)複数の種類の訓練項目を設けることの目的は、機能訓練指導員その他の職員から助言等を受けながら、利用者が主体的に訓練項目を選択することによって、生活意欲が増進され、機能訓練の効果が増大することである。よって、仮に訓練項目の種類が少なくても、目的に沿った効果が期待できるときは、同加算の算定要件を満たすものである。

参照:介護保険最新情報「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について(Vol.952)

個別機能訓練加算で高齢者の自立支援アップの一助に

個別機能訓練加算は事業所の増収はもちろん、ご利用者の「自立支援・重度化防止」のために有効に活用できる加算です。

算定のためには機能訓練指導員を新たに配置したり、LIFE導入の準備が必要だったりとさまざまな工数が発生しますが、導入する意義は小さくはありません。また、今後の事業所の安定運営のためにも欠かせない加算といって良いでしょう。

令和3年介護報酬改定では、高齢者の自立支援・重度化防止の取り組みに大きく舵を切りました。

これからもますます需要が高まるであろう科学的介護の実現・LIFE活用のため、この機会に導入を検討してみても良いでしょう。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

リハプラン編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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