バーセルインデックスとは ADLの評価表

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更新日:2022/02/21

バーセルインデックス(BI:Barthel Index)はADLの評価表(評価方法)で全10項目を自立・一部介助・全介助の分類で100点満点で採点します。具体的には、日常生活動作を把握するために、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿の10項目についての評価を行います。

バーセルインデックス(BI:Barthel Index)とは

バーセルインデックス(Barthel Index:BI)とは

バーセルインデックスの意味

Barthel Index(BI:バーセルインデックス)とは、食事や着替えなどの日常生活の能力を評価する検査方法で、病院や介護現場で患者様のADLを評価することを目的に使われています。

Barthel Indexの頭文字から「BI」と略されることもあり、専門職以外でも容易に理解でき、時間をかけずに比較的正確な評価結果が得られる国際的なADL評価の一つです。

ちなみに、このBarthel Indexは米国の医師Mahoneyと理学療法士Barthelによって作られたもので、理学療法士の名前を一部をとって評価名がつけられています。

バーセルインデックスの目的

バーセルインデックスの目的は、本人が日常生活の中で「できるADL」を評価し、現状のADLの状態を簡単に把握することです。バーセルインデックスによるADLの評価では、環境や条件などは細かく設定されていないため、誰でも短時間で評価が可能で、点数で自立度がわかりやすいので患者様やご利用者の全体像の把握に役立ちます。

バーセルインデックスのカットオフ

バーセルインデックスの評価項目は、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿の全10項目で構成され、各項目を自立度に応じて15点・10点・5点・0点で採点します。

採点方法もかんたんで、100点満点で採点できるので見た目にも分かりやすい評価方法です。満点が100点であり全自立、60点が部分自立(カットオフ)、40点が大部分介助、0点は全介助と一般的にされています。85点以上を自立としています。

令和3年度介護報酬改定でも活用される

最初は平成30年度介護報酬改定で、「ADL維持等加算」が新設され、そこでBIによる評価を利用していました。
そして、令和3年度介護報酬改定でも「ADL維持等加算」の評価方法として継続してBIを活用しております。
また、個別機能訓練加算で使用する「生活機能チェックシート」でも同様の評価項目でBIの評価が組み込まれています。個別機能訓練加算(Ⅱ)では、BIの評価をLIFEに提出することが要件に組み込まれていますので、評価方法を正しく知っていくことはとても重要です。
 

【関連記事】
【2021年の介護報酬改定版】通所介護のADL維持等加算の見直しについてADLとは?医療・介護現場で役立つADL評価の基礎知識

バーセルインデックスの特徴について

バーセルインデックスの特徴について

バーセルインデックスの評価指標の特徴やメリット、デメリットについて簡単にご紹介します。

特徴

  1. 評価項目は、全10項目
  2. 「できるADL」を評価する
  3. 採点は、各項目を0点〜15点で評価する
  4. 満点は100点で、最低点は0点とする
  5. 移動・移乗の項目の配点が高い

メリット

  1. 採点が簡便で時間がかからない
  2. 満点100点のため、分かり易い
  3. 世界共通の評価法

デメリット

  1. FIMに比べて点数が大まか
  2. 細かいADL能力を把握しにくい
  3. 採点の根拠が明らかではない

このように簡易的にわかりやすい判定基準でADLを把握できる一方で、バーセルインデックスの問題として、点数の大まかさや採点の粒度が粗いことが挙げられます。

【総論】バーセルインデックスの評価方法【PDF付き】

バーセルインデックスの評価表

こちらがバーセルインデックスの評価表です。バーセルインデックス ではこのようにADLに関する10項目を簡素化された内容で採点します。 

▶︎PDFのダウンロードはこちらからできます

ADLを評価するバーセルインデックス(BI:Barthel Index)の項目には、どのようなものがあるのでしょうか?

バーセルインデックス のADL項目

こちらがバーセルインデックスで評価するADLの評価項目です。

各評価項目に対して、「自立」「一部介助」「全介助」の3つの選択肢を選びます(評価する)。

基本的には自立10点、一部介助5点、全介助0点となっていますが、移乗と歩行は自立が15点、整容と入浴は自立が5点になっています。

  1. 食事
  2. 移乗(車椅子からベッドへ)
  3. 整容
  4. トイレ動作
  5. 入浴
  6. 歩行
  7. 階段昇降
  8. 着替え
  9. 排便コントロール
  10. 排尿コントロール

では次章より、バーセルインデックスの各項目の採点方法について詳しく解説していきます。

【各論】バーセルインデックスの項目別の評価方法

「食事」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「食事」の点数

ADLの評価であるバーセルインデックスの採点方法は、日常生活の自立度(自立・一部介助・全介助など)に応じて15点・10点・5点・0点で評価され、10項目を100点満点で採点します。こちらでは、「食事」の採点方法について解説します。


【食事の採点基準】

◎自立(10点)

  • 適当な時間内に自分で食事をとって食べることができる。
  • 自助具を自分で装着して食事を食べることができる。

◎一部介助(5点)

  • 食べ物を細かく切ってもらうなどの介助が必要となる。
  • 自助食器など配置して、取りこぼしがないように一部介助が必要となる。

◎全介助(0点)

  • 全介助

「移乗」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「移乗」の評価・採点方法について

次に、バーセルインデックスの中でも「移乗」の採点方法についてご紹介します。

移乗は、車椅子からベッドに移乗するまでを評価の対象とします。具体的には、車椅子でベッドに近づく、ブレーキをかける、フットレストを上げる、ベッドに乗り移る、ベッドに横になることから、ベッドから起き上がり、ベッドに座る、車椅子に乗り移るまでを評価します。

【移乗の採点基準】

◎自立(15点)

  • 車椅子またはベッドの移乗が全て自分でできる。

◎一部介助(10点)

  • 移乗動作のいずれかに介助が必要だが、あとは自分でできる。

◎一部介助(5点)

  • ベッドからの起き上がり座っていることはできるが、乗り移りに介助が必要となる。

◎全介助(0点)

  • 全介助

「整容」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「整容」の評価・採点方法について

次に、バーセルインデックスの中でも「整容」の採点方法について解説します。

整容動作は、手洗い、洗顔、歯磨き、髭剃り、化粧の準備や動作が自分でできるかを「自立」か「全介助」かで評価します。


【整容の採点基準】
◎自立(5点)

  • 全ての整容動作が自分でできる。

◎全介助(0点)

  • 整容動作に介助が必要となる。

「トイレ動作」の評価・採点方法

バーセルインデックスの「トイレ動作」の評価・採点方法

次に、バーセルインデックスの「トイレ動作」の採点方法についてご紹介します。

トイレ動作は、トイレの出入り、ズボン・下着の上げ下げ、お尻を拭く、流すなどが自分でできるかを評価します。

【トイレ動作の採点基準】

◎自立(10点)

  • 全てのトイレ動作が自分でできる。
  • ポーターブルトイレや尿器を使用して洗浄などもできる。
  • 手すりや福祉用具を使用しているが自分で全てできる。

◎一部介助(5点)

  • ズボンのお尻の部分を一部介助する必要があるが、その他は自分でできる。
  • トイレットペーパーをとってあげる必要があるが、その他は自分でできる。
  • バランスが不安定なため、支える程度の介助が必要となる

◎全介助(0点)

  • 全介助

「入浴」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「入浴」の評価・採点方法について

次に、バーセルインデックスの中でも「入浴」の採点方法についてご紹介します。

入浴は、浴槽に入る、シャワーを使う、体を洗う、頭を洗うといった動作が自分でできるかを2段階で評価します。

【入浴の採点基準】

◎自立(5点)

  • 全ての入浴動作が自分でできる
  • シャワー浴で入浴できる
  • 浴槽内に自分で入浴できる

◎全介助(0点)

  • 入浴に介助が必要となる

「歩行」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「歩行」の評価・採点方法について

続いて、バーセルインデックスの6つ目の評価項目である「歩行」の採点方法について解説します。

歩行の評価では、平地の歩行または車椅子の移動ができるかを4段階で評価します。


【歩行の採点基準】
◎自立(15点)

  • 見守りまたは介助なしに45m以上歩ける。
  • 装具、義足、杖、松葉杖、歩行器(車輪付きは除く)を使用して45m以上歩ける。
  • 装具の場合は、継手のロックが自分できる。

◎一部介助(10点)

  • 見守りまたはわずかな介助があれば45m以上歩ける

◎全介助(5点)

  • 車椅子を自分で操作して45m以上移動ができる
  • 車椅子で角を曲がること、方向転換、テーブル・ベッド・トイレなどを含めた45m以上の移動ができる

◎全介助(0点)

  • 歩行または車椅子での移動に全介助が必要となる

「階段昇降」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「階段昇降」の評価・採点方法について

7つ目のバーセルインデックスの評価項目は「階段昇降」です。

階段昇降では、階段を安全に昇り降りができるかを3段階で評価します。階段の段数はとくに問われてはいません。

【階段昇降の採点基準】

◎自立(10点)

  • 見守りまたは介助なしで安全に階段の昇降ができる
  • 手すりや松葉杖、杖を利用して階段の昇降ができる

◎一部介助(5点)

  • 見守りまたはわずかな介助があれば安全に階段の昇降ができる

◎全介助(0点)

  • 階段昇降に全介助が必要となる

「着替え」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「着替え」の評価・採点方法について

8つ目のバーセルインデックスの評価項目は「着替え」です。

着替えでは、上衣・下衣・下着・靴・装具などを着脱できるかを3段階で評価します。

【着替えの採点基準】


◎自立(10点)

  • 全ての衣類や靴、装具やコルセットの着脱ができる。

◎一部介助(5点)

  • 着替えに介助を必要とするが、作業の半分以上は自分でできる。

◎全介助(0点)

  • 着替えに全介助が必要となる。

「排便」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「排便」の評価・採点方法について

9つ目のバーセルインデックスの評価項目は「排便コントロール」です。

排便コントロールでは、便失禁がないかを3段階で評価します。

【排便コントロールの採点基準】


◎自立(10点)

  • 失禁がなく排便コントロールが可能。
  • 脊髄損傷者などは坐薬や浣腸を使っても良い。

◎一部介助(5点)

  • 坐薬や浣腸に介助が必要となる。
  • たまに便失禁がある。

◎全介助(0点)

  • 常に便失禁がある。

「排尿」の評価・採点方法について

バーセルインデックスの「排尿」の評価・採点方法について

最後に10つ目のバーセルインデックスの評価項目である「排尿コントロール」をご紹介します。

排尿コントロールでは、失禁がなくおしっこがないかを3段階で評価します。

【排尿コントロールの採点基準】


◎自立(10点)

  • 失禁がなく排尿コントロールが可能。
  • 脊髄損傷者などは収尿器の着脱や清掃管理ができていること。

◎一部介助(5点)

  • たまに尿器やトイレに行くまで間に合わず尿失禁することがある。
  • 収尿器の着脱や管理に介助が必要となる。

◎全介助(0点)

  • 常に尿失禁がある。
  • 全介助が必要となる。

バーセルインデックスとFIMの違いとは?

バーセルインデックスとFIMの違いとは?

バーセルインデックスとFIMの違いについて改めて整理していきましょう。「できるADL」を評価するバーセルインデックス(BI:Barthel Index)であり「しているADL」であるFIMとよばれるADLです。

両者ともに国際的なADL評価という共通点がありますが、FIMの評価項目は18項目と多く、採点方法が細かく規定されているため病院などのADL評価としてよく活用されています。

【FIM評価の特徴】

  1. 評価項目は、計18項目
  2. しているADLを評価する
  3. 採点は、1点〜7点で評価する
  4. 満点は126点で、最低点は18点とする
  5. コミュニケーション能力と社会的認知能力の認知項目も評価できる

【FIM評価のメリット】

  1. 採点方法が細かく規定されている
  2. ADLの自立度と介護量を点数で把握することができる
  3. 世界共通の評価のため研究や発表の際にデータの集約として活用しやすい
 バーセルインデックスFIM
ADL評価の内容できるADLしているADL
認知項目なしあり
点数100点満点126点満点
評価項目10項目計18項目
難易度簡単難しい
評価にかかる時間短いやや長い
【関連記事】
FIMとは|FIMの評価方法と点数付けに必要な基礎知識【総論】
FIMの特徴や評価項目などの基礎知識から採点方法までかんたんに解説します

バーセルインデックスの活用状況

バーセルインデックス (BI)の活用場面

ADLの評価指標として活用されているバーセルインデックスとFIMは、どのような現場で活用されているのでしょうか?

厚生労働省(平成27年度)の調査結果を見てみると、バーセルインデックスの評価は、介護現場の中でも通所リハの「59.1%」、通所介護の「10.8%」がADLの評価指標として活用されていることが分かります。

一方で、FIMの評価は、通所リハの「14.3%」、通所介護の「9.7%」がADLの評価指標として活用されています。

医療現場では患者様のADL評価は必須となっていますが、介護現場の中でも通所介護(デイサービス)の「27.3%」 しか評価指標を活用できていないのが現状です。

参照:厚生労働省「リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究事業 報告書」

おわりに

今回は、バーセルインデックス(BI:Barthel Index)を初めて評価・採点される方に向けて、全10項目の評価・採点方法をまとめてご紹介しました。

バーセルインデックスは、FIMに比べて採点方法が簡易のため評価がしやすく、100点満点でかんたんに評価することができるADL評価です。令和3年度の介護報酬改定でも引き続き活用される評価指標になっています。

ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定するためにバーセルインデックスによる評価を行いますが、指定様式はありません。個別機能訓練加算を算定するのであれば、生活機能チェックシートを活用することが可能です。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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