自立支援医療制度とは(更生医療、育成医療、精神通院医療)

自立支援医療制度とは、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。自立支援医療制度は、障害者福祉のひとつで、更生医療、育成医療、精神通院医療が一元化され、一般にも知られるようになってきた福祉制度です。自立支援医療費を受給するための申請手続き、疾病、症状等による対象者などを紹介します。

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自立支援医療とは

自立支援医療とは、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。自立支援医療制度は、障害者福祉の中のひとつであり、更生医療、育成医療、精神通院医療が一元化された流れを受け、一般にも知られるようになってきた福祉制度です。

自立支援という言葉はよく聞くようになりましたが、似た言葉には「自立支援介護」があります。

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自立支援医療制度での障害者医療費の公費負担について

・身体障害者福祉法に基づく「更生医療」

・児童福祉法に基づく「育成医療」

・精神保健福祉法に基づく「精神通院医療費公費負担制度(32条)」

これらのように、身体障害者は更生医療、障害児は育成医療、精神障害者は精神保健福祉という分類をされて規定されていましたが、障害者自立支援法の成立により、平成18年4月から、これらを一元化した新しい制度「自立支援医療制度」に変更されました。

ただし、その内容については更生医療、育成医療、精神通院医療費公費負担制度を継承しています。

育成医療とは

育成医療とは、身体に障害のある児童の健全な育成を図るため、当該障害児に対して行われる、生活の能力を得るために必要な医療に係る医療費を支給する制度です。

更生医療とは

更生医療とは、身体障害者の自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、当該身体障害者に対して行われる、更生のために必要な医療に係る医療費を支給する制度です。例えば、肢体不自由者の関節拘縮に対して、人工関節置換術の費用や、視覚障害者の白内障に対して、水晶体摘出術なども含みます。肢体の障害だけでなく、内部障害も対象で、心臓機能障害対する弁置換術・ペースメーカー埋込術や、腎臓機能障害→に対する腎移植、人工透析も含まれます。

精神通院医療とは

精神通院医療とは、精神障害の適正な医療の普及を図るため、精神障害者に対して、当該精神障害者が病院又は診療所へ入院することなく行われる精神障害の医療に係る医療費(向精神薬などの薬剤費、精神科デイケア、訪問看護なども含む)を支給する制度です。

 

自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み

① 利用者負担が過大なものとならないよう、所得に応じて1月当たりの負担額を設定。(これに満たない場合は1割)

② 費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない(重度かつ継続)者、育成医療の中間所得層については、更に軽減措置を実施。

自立支援医療における「重度かつ継続」の範囲

疾病、症状等から更生医療・育成医療の対象となる者

腎臓機能・小腸機能・免疫機能・心臓機能障害(心臓移植後の抗免疫療法に限る ) ・肝臓の機能障害(肝臓移植後の抗免疫療法に限る )の者

疾病、症状等から精神通院医療の対象となる者

①統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)の者

②精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した者

疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となる者

更生医療・育成医療・精神通院医療で、医療保険の多数該当の者

自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み

引用:自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み, 自立支援医療制度の概要, 厚生労働省

自立支援医療費を受給するための申請手続き

(1) 自立支援医療の申請はお住まいの区市町村の担当窓口で行います。 (区市町村によって、担当する課の名称は異なりますが障害福祉課、保健福祉課が担当する場合が多いようです。)

(2) 自立支援医療の申請に必要なものは概ね以下の通りですが、自治体により異なる場合がありますの で、詳しくは市町村の担当課や、お住まいの地域にある精神保健福祉センターにお問 い合わせください。

(3) 自立支援医療費受給の申請が認められると、「自立支援医療受給者証」が交付されます。

自立支援医療受給者証とは

区市町村の窓口に自立支援医療費受給の申請が認められると「自立支援医療受給者証」が交付されます。

自立支援医療を受ける時には、その都度、交付された自立支援医療受給者証と、自己負担上限額管理票を医療機関に提示します。

※ 自立支援医療受給者証は障害者手帳とは違いますのでご注意ください。

自立支援医療受給者証の有効期間

自立支援医療受給者証の有効期間は、1年以内です。有効期間終了後も引き続き自立支援医療を受ける場合は、更新が必要になります。更新の申請は、おおむね有効期間終了3ヶ月前から受付が始まります。病態や治療方針に変更がなければ、2回に1回は医師の診断書の省略が できますので、詳しくは申請した市町村にお問い合わせください。

 

自立支援医療制度で医療を受けられる医療機関や薬局について

自立支援医療制度による医療費の軽減が受けられるのは、各都道府県又は指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)で、自立支援医療受給者​に記載されたものに限られています

現在通院している医療機関や、通院を希望する医療機関等が指定されているかどうかは、医療機関におたずねいただくか、精神保健福祉センター、都道府県、指定都市等の担当課にお問い合わせください。

 

障害者福祉の中の自立支援医療制度のまとめ

いかがでしたか?障害者福祉の中で自立支援医療制度は認知度が高まってきました。近年、介護保険分野と障害福祉分野の縦割りが解消されてきて、高齢者のケアをする中でも障害者福祉・自立支援医療制度の知識が必要とされる場面も出てきています。介護分野でよく使われる「自立支援」の意味や、「自立支援介護」の考え方などと合わせて、自立支援医療についても覚えておきましょう!

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著者プロフィール

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作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事。現在は、通所介護事業所(デイサービス)を中心に介護の経営および現場指導に取り組んでいる。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの専門的な資格を生かし、高い技術を介護現場に普及している。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせた実績の持ち主。

〜筆者の想い〜
平成27年度の介護報酬マイナス改定から介護保険制度は大きく変化しようとしています。特に、平成30年度の介護報酬改定後は、行政の実地指導・監査が厳しくなることが予想されます。そこで、介護経営の基本となる「介護保険法」と「介護サービスの種類」「介護報酬改定の動向」について解説します。

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