個別機能訓練加算Ⅱの生活訓練で使えるプログラム|棒体操編

個別機能訓練加算Ⅱでは、着替えやトイレ、洗濯などの日常生活の機能向上を目的とした機能訓練プログラムを考えなければなりません。そのため、目的にあった機能訓練メニューの提案に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、個別機能訓練加算Ⅱの生活訓練で使えるプログラムとして「棒体操」をご紹介します。目標設定からプログラム立案の参考になれば幸いです。

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個別機能訓練加算Ⅱとは

個別機能訓練加算Ⅱとは

個別機能訓練加算Ⅱとは、食事、排泄、入浴などの「日常生活活動(ADL)」や調理、洗濯、掃除などの「家事動作(IADL)」、趣味などの「社会参加」の生活機能の維持・向上を目標として、それに伴う機能訓練を実施した場合に算定できるデイサービスの加算です。

この加算は、ご利用者様の「自立支援」を促すことが本質で、身体機能を良くするだけでなく、住み慣れた地域で安全に生活できるようになるために機能訓練をすることでご高齢者の充実した生活を支援します。

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個別機能訓練加算Ⅱの目的とは(厚生労働省より)

個別機能訓練加算Ⅱの目的は、専従の機能訓練指導員を配置し、利用者が居宅や住み慣れた地域において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、身体機能の向上を目的として実施するのではなく、体の働きや精神の働きである「心身機能」ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」家庭や社会生活で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を図るために、機能訓練指導員が訓練を利用者に対して直接実施するものである。

【参考資料】

厚生労働省「平成27年度介護報酬改定について」

指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準 

個別機能訓練加算Ⅱの機能訓練プログラムには

個別機能訓練加算Ⅱの機能訓練プログラムには、安全に日常生活を送るために必要な生活目標に対しての機能訓練メニューを提供します。

具体的には、寝返り・起き上がりなどの「基本動作」やトイレ・着替えなどの「日常生活活動」や洗濯、掃除などの「家事動作」、囲碁・手工芸などの「趣味活動」、町内会への参加などの「社会的活動」の5つとなっています。

 

▶︎基本動作の獲得を目指した機能訓練メニュー


・寝返り訓練
・起き上がり訓練
・立ち上がり訓練など

▶︎日常生活動作の獲得を目指した機能訓練プログラム

・箸の訓練
・髭剃り訓練
・ズボンの着脱訓練
・ドアの開閉訓練
・洗体動作訓練
・浴槽のまたぎ動作訓練など

▶︎家事動作の獲得を目指した機能訓練プログラム

・掃除機の操作訓練
・洗濯物干し動作訓練
・配膳動作訓練
・金銭管理訓練
・調理訓練など

▶︎趣味・余暇活動の獲得を目指した機能訓練プログラム

・パソコンの操作訓練
・園芸活動訓練
・屋外歩行訓練(散歩)
・ゲートボール訓練
・カラオケ訓練(発声訓練)
・編み物訓練(指先の練習)など

▶︎社会的活動の獲得を目指した機能訓練プログラム

・屋外の歩行訓練
・不整地の歩行訓練
・階段昇降訓練
・公共交通機関の利用訓練など

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個別機能訓練加算Ⅱの機能訓練のやり方(厚生労働省より)

厚生労働省によると、個別機能訓練加算Ⅱの機能訓練のやり方としては、「生活動作などの具体的な動作訓練」や「それを模倣した反復動作訓練」を提供するとしています。

また、類似する生活目標を持つご利用者様であれば「5名程度以下」の小集団にて、機能訓練を実施することができます。

個別機能訓練加算Ⅱとしての棒体操の効果・目的とは

個別機能訓練加算Ⅱとして棒体操を行う場合は、ADLやIADLを想定して行うことが必要になります。

日常生活の中で身体を動かさない、使わないことによって体が減弱してしまう廃用症候群を予防し、より健康的な生活を送れるように機能訓練を行っていきます。

 

【棒体操の効果・目的】

⑴立位バランスの維持と向上

⑵着替えに必要な肩・体幹の柔軟性(関節可動域)の獲得

⑶家事動作に必要な肩・体幹の柔軟性(関節可動域)の獲得

 

日常生活の中では特に肩関節や体幹の柔軟性を維持することが重要であり、棒体操は「関節可動域訓練」「筋力増強訓練」として効果的な道具です。

個別機能訓練加算Ⅱの長期目標・短期目標・プログラムの事例

長期目標・短期目標・プログラム

個別機能訓練加算Ⅱでは、日常生活動作や家事動作、趣味活動、社会参加などの多くの視点や活動の手順を理解して段階的に関わることが求められます。

ここで個別機能訓練加算Ⅱとして、棒体操を活用した場合の「長期目標」「短期目標」「プログラム」の事例をご紹介します。

 

【事例1】

○長期目標:食事が自分で食べれるようになる

○短期目標:箸やスプーンを使用して食事を摂取することができるようになる

○プログラム:食事動作が自立するために、棒体操にて手首の筋力トレーニングをする

 

【事例2】

○長期目標:着替えが自分でできるようになる

○短期目標:上着をスムーズに着替えることができるようになる

○プログラム:着替え(上着)が着替えれるようになるために、棒体操にて肩の可動域訓練をする

 

【事例3】

○長期目標:入浴動作が見守りでできるようになる

○短期目標:洗体が見守りでできるようになる

○プログラム:洗体動作ができるようになるために、棒体操にて肩の可動域訓練をする

 

このように個別機能訓練加算Ⅱの目標・プログラムは、「長期目標」とする日常生活動作を達成するために必要な工程を「短期目標」として立案します。次に、その短期目標を獲得するために必要な「機能訓練プログラム」を立案していきます。

個別機能訓練加算Ⅱのプログラムを記載する際は、「○○をするために、××訓練をする」と目的を必ず明記するように注意しましょう。

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個別機能訓練加算Ⅱプログラム|手首の棒体操

 
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ここからは、個別機能訓練加算Ⅱのプログラムとして活用できる棒体操」の機能訓練メニューをご紹介します。

まずは、腕の棒体操をご紹介します。

この運動では、手首、前腕、上腕、肩、肩甲骨の関節可動域訓練や筋力増強訓練としての効果があります。主に、食事・整容・洗体・更衣などを目標として立案した場合のプログラムとして活用いただけます。

 

【運動のポイント】

(1) まずはゆっくりと行います

(2) 棒の長さはご利用者様の身長や上肢長に合わせて選択しましょう

個別機能訓練加算Ⅱプログラム|着替え(上衣)のための棒体操

 

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次に、個別機能訓練加算Ⅱの中でも着替え(上着の着脱)」の獲得を目指した、棒体操プログラムをご紹介します。

ご利用者様の中に、「最近、肩が回りにくくなったな」などとお聞きしませんか?

こちらの棒体操では、肩を回転させる運動を行うことで肩の柔軟性を向上される関節可動域訓練プログラムとして活用できます。日常生活の中でも「着替え」は毎日行う行為です。生活の課題を想定し、日常生活に必要な基礎トレーニングとして取り組んでみてください。

 

【運動のポイント】

(1) 棒の両端を持ちます

(2) 棒を水平にするように意識しながら棒を回します

個別機能訓練加算Ⅱプログラム|着替え(ズボン)のための棒体操

 
 
 

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次に、着替えの中でも「ズボンの着脱動作」の獲得を目指した棒体操プログラムをご紹介します。

ご高齢者のズボンの着脱の際に問題になるのが、肩が回らないことです。そのため、こちらの棒体操を行い肩の柔軟性(関節可動域)を保っておくようにしましょう。

 

【運動のポイント】

(1) お尻の後ろで棒を持ちます

(2) 棒を逆手で保つように意識しましょう

(3) 棒を水平にするように意識しながら棒を持ち上げます

個別機能訓練加算Ⅱプログラム|洗濯物干しのための棒体操

 
 

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続いて個別機能訓練加算Ⅱのプログラムとしてご紹介するのが「洗濯物干し」の獲得を目指した棒体操です。

家事動作の中でも、洗濯物を干すためには、腕を120°程度あげる能力が必要と言われています。そのため、こちらの棒体操を行うことで胸や肩の柔軟性(関節可動域)をアップを行っておく必要があります。

手を高くあげるために、棒体操を活用して上半身の柔軟性を保っておきましょう。

 

【運動のポイント】

(1) 背中と肘の間に棒を挟みます

(2) 棒を中心に、できる限り上半身を後方に倒します

個別機能訓練加算Ⅱプログラム|洗体動作のための棒体操

 
 

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続いての個別機能訓練加算Ⅱのプログラムは、「洗体動作」の獲得を目指した棒体操です。

体を洗う際に、肩が回らず背中が洗えない方も多いのではないでしょうか?棒体操を活用して肩の柔軟性を保つことで制限なくスムーズに日常生活を送っていただけるように支援していきましょう。

 

【運動のポイント】

(1) 背中の後ろで棒を縦に持ちます

(2) 棒を大きく前後に動かします

個別機能訓練加算Ⅱプログラム|家事動作のための棒体操

 
 
 

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最後にご紹介する個別機能訓練加算Ⅱプログラムは、「家事動作」の獲得を目指した棒体操です。

料理や掃除を行う家事動作では、立った姿勢で振り向いたり、上半身を捻ったりする動きが多くあります。こちらの棒体操を行うことで体幹を捻る筋肉の強化と立位でのバランス能力を鍛えることができます。

 

【運動のポイント】

(1) 両手または背中に棒を挟みます

(2) 棒を水平に意識したまま、上半身を捻ります

まとめ

今回は、個別機能機能訓練加算Ⅱの生活訓練として活用できる棒体操のプログラムをご紹介しました。個別機能訓練加算Ⅱは、ご利用者様の生活を目標とするための機能訓練プログラムを考えるのは、一苦労です。そのため今回の記事を参考に棒体操を使用した訓練も取り組んでいただけるようになると幸いです。

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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