デイサービス(通所介護)のモニタリングを行う期間・書き方について

介護保険法

基本報酬

更新日:2022/02/28

モニタリングシートとは、高齢者に提供しているサービス内容の現状把握と見直しを行うために作成する書類のことです。今回は、デイサービス(通所介護)におけるモニタリングシートの役割・項目・記載例についてまとめてご紹介します。

モニタリングシートとは

デイサービス(通所介護)におけるモニタリングシートとは

モニタリングシートとは、高齢者に介護サービスを提供する上で、目標としていた内容が達成しているかといった現状把握とサービスの見直しを行うために作成する書類です。定期的に作成することで、提供されているサービスがご利用者のADLを改善しているか、利用者が望むサービスを提供できているかを振り返ることができます。

デイサービスにおけるモニタリングについて

デイサービス(通所介護)で行うモニタリングは、通所介護計画書に加えて、個別機能訓練加算を算定している場合は、個別機能訓練計画書のモニタリングを行う必要があります。

通所介護計画書は、ケアマネージャーが作成する居宅サービス計画書の内容(期間)に沿って作成する必要があるので、その内容の変更に合わせて適宜変更していく必要があります。通所介護計画書におけるモニタリングについては、この変更時に行う必要があり、その内容はケアマネージャーに共有する必要があります。

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通所介護計画におけるモニタリング期間について

ここでは、東京都と埼玉県の自主点検表を引用します。

通所介護計画におけるモニタリング期間について東京都では、特別期間設定は示されていません。埼玉県でも、通所介護計画に対するモニタリングは、1ヶ月や3ヶ月という期間設定はなく、居宅サービス計画書の設定期間によって変更すると示されています。

ただし、情報共有という意味では、1ヶ月に1回程度のケアマネジャーへの報告は有益なのでそれを前提とするとよいでしょう。内容については、都道府県によって違いがあるかもしれないので、必ず自身の都道府県に確認をするか、自主点検表を確認をするようにしてください。

通所介護計画に従った指定通所介護の実施状況及び目標の達成状況については、それぞれの利用者について記録を行わなければならないが、管理者は、当該通所介護計画の実施状況等の把握・評価を行い、必要に応じて当該通所介護計画の変更を行なっているか。

引用元:【東京都】介護サービス事業所等自己点検票(指定通所介護事業)P12

通所介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該居宅サービス計画の内容に沿って作成していますか。

→ 通所介護計画を作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、当該通所介護計画が居宅サービス計画に沿ったものであるか確認し、必要に応じて変更してください。

引用元:【埼玉県】介護サービス事業者 自主点検表(平成30年5月版)通所介護 P17

個別機能訓練加算におけるモニタリング期間について

デイサービスで個別機能訓練加算を算定している場合、個別機能訓練計画書を作成する必要があり、個別機能訓練加算のモニタリング期間として「3ヶ月に1回以上」行う必要があります。機能訓練指導員を中心に計画書の作成、機能訓練のメニュー提供・継続的な実施、実際に計画書上で設定した目標が達成されているのかどうかをモニタリングを通じて評価を行ってください。

モニタリングシートの記載項目・記載例について

モニタリングのチェック項目について

モニタリングの目的は、利用者様の現状の状態を把握することです。「サービス内容は適切か」「本人や家族は満足しているか」「もっと違った希望や要望はないか」「機能訓練は適切に行われているか」「心身機能的に現在の状態はどうなか」などを適宜確認し、修正していくことが重要です。

通所介護計画書のモニタリング項目について

  • 通所介護計画に沿ったサービスが行われているか
  • サービスの利用目標(長期・短期)が達成されているかどうか
  • サービス提供内容が適切かどうか
  • 利用者またはその家族の満足度はどうか
  • 新しい希望や要望はないか

個別機能訓練計画書のモニタリング項目について

  • 個別機能訓練の計画通りにサービスが行われているか
  • 長期目標、短期目標が達成されているかどうか

記載例)

もともと立案していた長期目標が「トイレの立ち上がりが見守りでできるようになる」、短期目標が「車椅子からの立ち上がりが手すりを使用して見守りでできるようになる」としていただ場合に、この目標の達成度の評価を行います。難易度が高い場合は、もう少し難易度の低い目標に再設定します。

  • 提供している機能訓練が適切がどうか
  • 利用者さま、またはその家族の満足度はどうか、新しい希望や要望はないか

まとめ

デイサービス(通所介護)におけるモニタリング まとめ

今回は、デイサービスにおけるモニタリングについてまとめてご紹介しました。
良質なサービスを展開するには、しっかりと評価をすることが大切です。モニタリングについては情報が少ないために混乱してしまうこともあるとは思いますが、とても大切なことですので、この記事が少しでも役に立てば嬉しく思います。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  藤本 卓

作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事後、株式会社Rehab for JAPANに参画。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの資格を有し、専門的な知識と現場での知見を元に、事業所の支援を行う。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせるなどの実績をもつ。

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