算定割合低水準の入浴介助加算(Ⅱ)|ケアマネ対応のポイントを解説
介護保険法
2023/03/15
介護保険法
基本報酬
更新日:2022/02/28
デイサービスで第三者評価を実施することが推奨し、平成30年度から重要事項説明書に記載する基準ができたことを知っていますか?第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した年月日、評価機関の名称、評価結果の開示状況)をインターネットに公開すること、ご利用者への重要事項説明に含めることを運営基準に追加されました。実地指導や監査との違い、内容や目的、助成金などについてご紹介します。
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この記事の目次
デイサービスなどの介護保険サービスの質を担保するために、事業者において①専門家による第三者評価 ②インターネットでの介護サービス情報の公表 ③各地域密着型サービス事業所が自ら設置する運営推進会議の開催 ④地方自治体等による実地指導・監査が行われています。
デイサービスなどの介護保険事業者のサービスの質については、実地指導や監査が話題の中心となっていますが、近年はデイサービス事業者が自ら第三者評価を実施することを推奨する動きや、第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の 開示状況)をインターネットに公開すること、サービス提供開始時にご利用者への重要事項説明に取り入れることを運営基準に定めるなどの動きも出ています。そこで、通所施設ではまだ馴染みがあまりない「第三者評価」について、その制度の内容や目的、助成金などについて紹介します。
第三者評価とは、一定の評価項目について第三者の目から客観的見た評価結果を、ご利用者への説明やインターネットなどで幅広く利用者や事業者に公表することにより、利用者に対する情報提供を行うことや、サービスの質の向上に向けた事業者の取り組みを促すことで、利用者のためになる質の高い福祉の実現を目指すものです。
第三者評価は、行政機関が介護保険サービスを提供する事業者向けに最低基準を満たせているかを点検する「実地指導」や「監査」と似ているイメージがあると思います。第三者評価と実地指導には、目的に少し違いがあります。
実地指導の目的は、事業者が運営基準や算定要件などの法令を理解し、それらを遵守した運営を行っているかどうかを、施設や法人を監督する立場である行政側が事業所に出向いて直接確かめ、間違っている場合や適切に実施できていない場合はそれを正すことを目的として実施されています。
第三者評価は、デイサービスの事業者が事業運営の具体的な問題点を把握してサービスの質の向上させること、利用者の適切なサービス選択のために評価結果を公表することを目的として実施されています。
これは「良いところ」「努力すべきところ」を指摘するものであって、事業所の優劣をつけるものではありません。
このように、実地指導と第三者評価には違いがありますが、どちらもサービスの質の向上への誘導を目的とするものです。
介護保険制度のサービス等は、ご利用者が選択の上、契約して利用を開始する流れになっています。このような状況では、事業者が質の高いサービスを提供しなければ、利用者から選択されることが困難となります。 ただし、その質については自主的な点検のみでは把握しきれない問題も多々あり、またご利用者やケアマネージャー側としてもどのような施設であるのか客観的で公平な情報がないと選択の材料がありません。
行政側としては、介護保険の給付を行うに値する最低限のサービスを提供できているかについては実地指導で把握して事業者に助言できますが、良いサービスであるかや、サービス品質、各事業者の特徴などについて良いところや努力するところについては言及できないため、第三者評価という形で客観的によいところも努力するともっと良くなるところの情報をまとめてもらうことも重要なのです。
平成30年12月に発表された全国社会福祉協議会 政策企画部調べによると、特別養護老人ホームなどの施設系では、毎年全施設の5%程度が第三者評価を受審をしています。
同調べによると、全国の23,597※ のデイサービスのうち、第三者評価の受審数は221件となっており、受審率は0.94%です。また、平成29年度までにデイサービスで第三者評価を受審した累計数は2,826件となっています。
(※この調査の全国数は「平成29年社会福祉施設等調査報告」(平成29年10月1日現在)、「平成29年介護サービス施設・事業所調査」(平成29年10月1日現在)からの参考値のため、実在するデイサービスとは異なる)
現時点では、通所介護(デイサービス)での第三者評価の受審は推奨され、努力義務ではありますが、実施義務ではありません。福祉サービス第三者評価については、ご利用者の適切なサービス選択に資する情報を提供することが期待されているものの、認知度が必ずしも高い状況にはないため、ご利用者が自分で第三者評価の情報を参照することは現実的には難しいです。
このため、福祉サービスの利用者や社会福祉関係者との連絡調整や活動支援、制度改善などを事業としていて、第三者評価事業の推進組織でもある「全国社会福祉協議会」に設けられた「福祉サービスの質の向上推進委員会」に検討を要請し、その結果を踏まえて介護サービス情報公表システムにおける評価結果の掲載について取り決めがなされ、以下のような通知が発出されました。
サービスの選択に資すると認められる重要事項としての位置付け
福祉サービス第三者評価事業については、結果として、利用者の適切なサービス選択に資する情報を提供することが期待されているものの、一般国民の認知度が必ずしも高い状況にはないため、利用者が自らその制度を知り、情報を参照することが困難な状況にある。 一方、介護事業所は、サービス提供の開始にあたって、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、利用申込者のサービス選択に資すると認められる重要事項を説明する義務があり、一般国民の認知度が必ずしも高くない現状を踏まえると、自ら、任意の福祉サービス第三者評価を受審し、サービスの質の向上や事業の透明性を確保しようとしているのかを説明する必要がある。 このため、今般、次表の介護保険サービスに係る基準通知の一部を改正することにより、次表の介護保険サービスに係る事業所は、サービス提供の開始にあたって、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対して、「第三者評価の実施の有無」、「実施した直近の年月日」、「実施した評価機関の名称」、「評価結果の開示状況」をサービスの選択に資すると認められる重要事項として説明するものとしたので、関係機関への周知をお願いしたい。
参照:高齢者福祉サービス事業所等における第三者評価の実施に係る留意事項について, 平成30年3月26日, 厚生労働省 社会・援護局長 老健
通知では、以下の介護保険サービス事業者で、第三者評価の実施を進め、ご利用者のサービス選択に資する重要事項(重要事項説明書)として説明することを明記しています。
上記のように、平成30年3月に通知された第三者評価の実施に係る留意事項についてで、利用申込者又はその家族に対して、「第三者評価の実施の有無」、「実施した直近の年月日」、「実施した評価機関の名称」、「評価結果の開示状況」をサービスの選択に資すると認められる重要事項(重要事項説明書)として説明するものとしたと明記されており、自治体が発行している通所介護自主点検表・運営基準等でも、第三者評価の実施について、重要事項として位置付けてご利用者に説明しているかについての項目が追加されています。そのため、今後実地指導等においても、重要事項説明書を確認するにあたり、もし第三者評価の項目がない場合には指導対象となる可能性が高いです。
介護保険サービスを提供する事業者に対して、第三者評価の受審を推奨することについて、厚生労働省からは自治体に向けて「実施状況の数値目標の設定」が努力義務とされました。
「福祉サービス第三者評価事業に関する指針について(平成30年3月26日, 厚生労働省, 老発0326第7号)」の指針において、経営者の責務及び事業の位置付けとして、質の向上とサービス選択の両者を踏まえた積極的な受審が必要である趣旨を明記し、 第三者評価事業の普及・啓発を更に進める観点から、都道府県推進組織のガイドラインに、共通事項として、数値目標の設定と公表、本事業の実施状況の評価(数値目標の設定等)に関する努力義務の規定を設けるという内容が追加されています。
これを受けて、各自治体では第三者評価の実地に対して助成金・補助金を設定している場合もあります。
いかがでしたか?
第三者評価は、老人ホームなどでは認知度が高くなってきましたが、経営母体が小さい事業者も多い通所介護では、なかなか費用をかけて第三者評価を実施することは進んでいません。すでに各自治体で第三者評価の実施を推進しているほか、第三者評価の受審状況はインターネットで開示されてきています。まずはデイサービスの重要事項説明に第三者評価の実施状況が掲載できているか確認してみましょう!
参照:第三者評価制度・情報公表制度について&厚生労働省 (平成29年2月21日)
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?
その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
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