生活機能向上連携加算とは?目的や算定要件、対象施設について
介護保険法
2023/03/24
介護保険法
通所介護以外
更新日:2022/02/22
通所介護には、リハビリ特化型デイサービスという形態があり、身体機能の維持・向上を目的とした機能訓練(リハビリ)を目的とした利用の需要が高まっています。通所介護は今回は、そんなリハビリ特化型デイサービスと普通のデイサービスの違い、特徴、特化型デイサービスの問題点や区市町村の総合事業通所型サービスの介護予防の課題についてご紹介します。
→忙しすぎるデイサービス業務は、機能訓練ソフト「リハプラン」が解決。
→利用者・ケアマネから選ばれるデイサービスの強みづくりについて、無料オンライン研修会で解説!
この記事の目次
リハビリ特化型デイサービスとは、近年の身体機能の維持や回復を目的とした高齢者のニーズにより、デイサービスの特徴を明確にするため「リハビリ特化型デイサービス」や「機能訓練型デイサービス」などと名称をつけてデイサービスを運営しているものです。
リハビリ特化型デイサービスでは、主に介護予防を目的とした運動や体操など身体機能訓練や利用者が満足する生活ができるように日常生活の訓練を提供しています。通常のデイサービスとの大きな特徴の違いは、理学療法士や柔道整復師などの機能訓練指導員が在籍しており、一人ひとりの身体能力に合わせて個別機能訓練を用意している点です。また、リハビリ特化型デイサービスの多くが3〜5時間といった短時間で運営していることもその特徴の1つです。
このようなリハビリ特化型デイサービスは、こんな方にオススメです!
【リハビリ継続理由のトップ5】
1位:身体機能を治したい:78.8%
2位:筋力や体力を付けたい:75.4%
3位:歩けるようになりたい:60.8%
4位:排泄などの動作ができるようになりたい:55.9%
5位:職員やなじみの仲間に会いたい:54.7%
参照:厚生労働省「リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査研究」(平成29年10月19日アクセス)
介護保険法でいう「通所介護」のことを一般的に「デイサービス」と言います。
デイサービスは利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを提供するものとなっています。デイサービスは、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
リハビリ特化型デイサービスと普通のデイサービスの違いは、入浴や食事というサービスは最小限もしくは行わないようなサービス内容で、マシントレーニングや機能訓練が中心になっている点です。
リハビリ特化型デイサービスを利用する場合、どのような1日の流れとなっているのでしょうか?
サービスの主な内容は、事業者によっても異なりますが、今回は短時間(3〜5時間)のリハビリデイサービスのスケジュールを事例にご紹介します。
送迎 | 自宅まで送迎車で迎えがあります。 |
---|---|
体調管理 | 体温・血圧・脈拍を測定し、当日の健康状態を確認します。 |
準備体操 | 準備運動で体をほぐします。 |
機能訓練 | マシントレーニングなどによる運動や機能訓練指導員による個別の運動指導やストレッチなどのプログラムを行います。 |
休息 | 好きな飲み物を飲みながら随時休憩をします。 |
送迎 | 自宅まで送り届けます。 |
【関連記事】 機能訓練指導員の仕事内容 機能訓練指導員とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の6つの職種を合わせた職種を指します。詳しくは下記の記事をご覧ください。 |
リハビリ特化型デイサービスで行われる訓練にはどのようなものがあるのでしょうか?
それぞれの事業所によってもその特徴は異なりますが、機能訓練の内容を一部ご紹介します。
【訓練内容の事例】
【関連記事】 個別機能訓練メニュー|個別機能訓練加算ⅠとⅡ デイサービスで働くスタッフの方で、利用者様に提供する個別の機能訓練メニューがわからない方はいませんか?今回は、個別機能訓練加算Ⅰと個別機能訓練加算Ⅱの違いや機能訓練メニューをできるだけ多くご紹介します。介護現場で取り組める機能訓練メニューの事例もご紹介しているので参考にしてみてください。 |
リハビリ特化型デイサービスのご利用料金は、基本的に通常のデイサービスと同様です。ここでは、利用者数が18名以下の短時間(3〜5時間)の場合(平成27年4月時点)の基本料金をご紹介します。
【リハビリ特化型デイサービスの利用料金】
例)小規模デイサービス、3〜5時間未満の場合(自己負担割合が1割の場合)
※ただし、食事やオムツ交換がある場合は別途自己負担となります。また、入浴加算や個別機能訓練加算など別途に加算費用がかかる場合があります。
※時間帯やお住いの地域(市区町村)などによって若干料金が異なります。詳しくは、ご利用予定の事業所にお問い合わせください。
リハビリ特化型デイサービスや通常のデイサービスを利用できる方は、要支援1・2、要介護1〜5の介護保険(要介護認定)をお持ちの方が対象となります。
サービスを利用するまでの大まかな流れは以下の通りです。
【関連記事】 介護保険とは?介護保険制度の基礎知識 介護保険のしくみや介護保険サービスを利用するための手順、サービスの種類について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。 |
介護保険法では、通所介護(デイサービス)は利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを提供するものとされています。
その中で機能訓練だけに特化してしまうと、送迎や看護師がいる介護保険適応のフィットネスクラブになってしまいます。
介護保険法上、「通所介護とは、居宅要介護者について、老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うことをいう」と定義されています。つまり、通所介護の定義上は、入浴や排せつ、食事、日常生活上の世話まで含めて通所介護であるということになり、特化しすぎてそのほかのサービスは提供しない形が広がりすぎると介護保険法のデイサービスの定義から外れてきてしまいます。実際に、入浴や食事が提供されてない場合には、普通のデイサービスと比較するとマンパワーが少なくて済み、経営や営業的に優位になる可能性が高いです。
近年、要支援の認定を受けている方と事業対象者の方の通所型サービスについては、介護保険給付のサービスから区市町村の自治体が指定監督する事業への移管されました。
これにより、区市町村の福祉の実態に合わせて提供内容が調整できるようになり、その中で運動に特化したデイサービスを推奨している自治体も増えました。要支援の方など、入浴や食事が自分で行える方にとっては、介護予防の観点からも効果的な運動を実施することが健康寿命の延伸に成果を出す可能性が高いです。通所介護で提供されるサービスの多様性を尊重しつつ、介護保険サービスや総合事業としてどこまでを認めていくかの線引きや、類似する他のヘルスケアサービスとの利用料の差なとに課題感は残っています。
リハビリ特化型デイサービスとして、介護保険の方針に沿って提供していくならば、生活機能や自宅での生活に着目して効果的な介入を行なっていく必要があります。
もし、デイサービスを運営している事業者で、機能訓練やリハビリの内容や、機能訓練計画書などの作成にお悩みでしたら、個別機能訓練加算算定支援ツールのリハプラン の導入をご検討ください。
介護保険の方針や報酬改定の主旨を反映したITツールと、理学療法士・作業療法士による徹底サポートで機能訓練を支援します。
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?
その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?