デイサービスで清拭・シャワー浴・足浴だけでも入浴介助加算を算定可能か

介護保険法

入浴介助加算

更新日:2021/12/17

デイサービス(通所介護)では、ケアプランや通所介護計画に位置付けた上で入浴を行なった場合には入浴介助加算50単位/日を算定できます。しかし、デイサービスの現場では体調不良や全身状態などにより、清拭だけ行うケース、シャワー浴だけ行うケース、足浴だけ行うケースなどがあり、入浴介助加算の算定が可能であるか迷うと思います。シャワー浴は算定できますが、部分浴である足浴、入浴ではないタオル等での清拭のみの場合は算定できません。入浴介助加算の算定要件から詳しく紹介します。

デイサービス(通所介護)には入浴介助加算があり、多くの施設で入浴サービスを提供して50単位/日を算定しています。しかし、デイサービスの現場では体調不良や全身状態などにより、清拭だけ行うケース、シャワー浴だけ行うケース、足浴だけ行うケースなどがあり、入浴介助加算の算定が可能であるか迷うと思います。シャワー浴は算定できますが、部分浴である足浴、入浴ではないタオル等での清拭のみの場合は算定できません。入浴介助加算の算定要件から詳しく紹介します。

入浴介助の注意点と方法については「入浴介助の注意点とポイント|入浴用の福祉用具もご紹介」の記事で詳しく紹介しています。

清拭とは

清拭とは

清拭とは、タオルをお湯で濡らしたり、清拭料を使ったりして、体を拭くことによって清潔保持を行う方法をいいます。介護現場においては、入浴できない要介護者や、入浴予定日に体調が優れない場合などに清拭が行われています。

日本人としては本来は湯船に使って入浴したり、シャワーを浴びたりしてベトベトした汗や皮脂汚れなどを洗い流すことができた方が理想ではありますが、全身状態などを考慮して清拭でも一定の衛生保持が行えることから取り入れられています。

体力や安静の度合に応じて、手と足など体の一部の清拭を行う「部分清拭」と、全身の清拭を行う「全身清拭」があり、利用者の希望や衛生管理などの目的などに沿ったサービスを行います。 

清拭の方法については「清拭の手順と注意点について解説」、「清拭の効果と目的・最適な温度とは?介護初心者のための豆知識」の記事で詳しく紹介しています。

足浴とは

足浴とは

足浴(そくよく)とは、部分浴の一つで、全身浴やシャワー浴などの入浴をすることが難しい方を対象に足先からふくらはぎを温めたり、足先を洗う入浴法です。全身状態面の理由や、移動ができないなどの理由で入浴が困難な場合には、足浴などを行うケースもあります。

足浴の方法や手順、ポイントなどについて詳しくは「足浴の手順と注意点について解説」で解説しています。

デイサービス(通所介護)の入浴介助加算の算定要件

清拭・シャワー浴・足浴だけでも入浴介助加算を算定可能かの図

入浴介助加算の算定要件は、「入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有して入浴介助を行った場合」となってます。

通所介護(デイサービス)では通所介護計画で入浴サービスを提供し、入浴介助加算 50単位/日を算定する事業所も多くあります。

厚生労働省の資料によると、全国の通所介護のうち「入浴介助加算」を算定している事業所は85.9%で他の加算よりも多くの割合で算定されています。

通所介護の入浴介助加算は、入浴中の利用者の観察を含む介助を行う場合について算定されるものである(利用者等告示 第15号)が、この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、極力利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、加算の対象となるものであること。 また、通所介護計画上、入浴の提供が位置付けられている場合 に、利用者側の事情により、入浴を実施しなかった場合については、加算を算定できないというルールがあります。入浴介助加算の算定要件については「入浴介助加算の算定要件から注意事項までを解説」をご確認ください。

通所介護(デイサービス)で清拭だけを行った場合は入浴介助加算算定不可

清拭だけを行った場合は入浴介助加算算定不可

デイサービスでは、入浴を行う通所介護計画をしていても当日の体調不良やご本人の希望などにより入浴を実施しないケースもあります。デイサービスでは、入浴の可否についてバイタルチェック時の血圧や脈拍などの基準値を設けて、その値に合致しない場合には入浴中止としているケースが多いです。また、最終的な判断は看護職員が行なっているケースもあります。全く入浴や清潔保持の支援ができなかった場合もあれば、シャワーや清拭を行う場合もあります。

その場合に「清拭だけ」行なった場合には、入浴介助加算は算定できないという解釈が一般的になっています

現実的には突発的に体調不良が起きた時などにはご家族等に連絡・相談の上、衛生保持の目的を果たすために、加算の算定ができなくても清拭を行っているケースもあります。加算の算定要件としては上記のような形ですが、ご利用者やご家族のニーズやお気持ちに合わせて柔軟性が求められる部分です。

通所介護(デイサービス)で足浴だけを行った場合は入浴介助加算算定不可

足浴だけを行った場合は入浴介助加算算定不可

デイサービスでは、入浴を行う通所介護計画をしていても当日の体調不良やご本人の希望などにより入浴を実施しないケースで、足浴のみ行うというケースもあります。足浴のみを実施した場合には、部分浴であり入浴介助加算の算定要件を満たせていません。

デイサービスを利用する方の中には足の冷えや糖尿病など、足浴が必要で通所介護で行えないかとご家族やケアマネージャーから打診があることもあります。この場合、足浴をサービスとして提供することはできますが、足浴の提供のみでは入浴介助加算の算定はできないため注意しましょう。

通所介護(デイサービス)でシャワー浴のみの場合は入浴介助加算算定可能

シャワー浴のみの場合は入浴介助加算算定可能

入浴の計画をしていたが、血圧や体調などの問題で湯船に浸かるのは避けるということもデイの現場としてはあり得ます。

行政的には、シャワー浴は「一般浴として取り扱って差し支えないもの」として認識されており、シャワー浴の場合にはその理由などを記録して入浴介助加算を算定することが可能です。

まとめ

デイサービスの入浴介助加算の算定の判断について紹介しました。

入浴はデイサービスでも高いニーズの提供内容であり、算定基準については一定の線引きがあります。特にデイサービスの請求に係る方は清拭・シャワー浴・足浴などの入浴や衛生保持のサービス提供で入浴介助加算の算定ができるかについて把握しておきましょう。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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