介護報酬改定の動向と平成30年度の介護報酬改定のポイント

介護保険法

基本報酬

更新日:2022/08/10

3年に1度行われる介護報酬改定もいよいよ来年に迫りました。団塊の世代が75歳以上を迎える2025年に向けて、改定内容も年々厳しくなってきたいと感じる方も多いのではないでしょうか?高齢化率が進む中で日本の財政は慢性的な危機、介護業界を取り巻く環境は問題が山積です。今回は、そんな介護報酬改定の動向と平成30年度の介護報酬改定のポイントについて解説します。 →忙しすぎるデイサービス業務は、機能訓練ソフト「リハプラン」が解決。

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平成30年度介護報酬改定の動向

2025年には「団塊の世代」が75歳以上を迎え、超高齢化率が急速に高まります。そのため、社会保障費の拡大が財政を圧迫するとともに労働力の減少に伴う経済活動の停滞が懸念されています。

日本の社会保障給付費は2016年度の時点で約118兆円を上回っており、国民医療費は約40兆円超、介護保険給付費は約10兆円となっています。これらは2025年度には国民医療費約60兆円、介護保険給付費は約21兆円に膨らむ予測。


このような最中、3年に1度行われる平成30年度介護報酬改定では、平成27年に9年ぶりの介護報酬のマイナス改定となりました。具体的には介護報酬の減算改正、高額所得者の自己負担2割の実施、特別養護老人ホームの長期入所対象者の変更など大きな改定が行われました。これらの影響により介護事業所の倒産件数は、2015年は「76件」、2016年は「108件」と制度施行以来過去最多の事業所が倒産しています。

【関連記事】平成30年度介護報酬改定について介護保険制度は、2000年(平成12年度)に介護保険法が施行して以来「6年に1度」から「3年に1度」その改定の頻度が変わりました。介護報酬改定の動向と合わせて介護保険制度の改定の経緯についても学んでみませんか?詳しくは下記の記事をご覧ください。

介護報酬改定の動向|介護サービスの事業収支差率

介護サービスにおける収支差

介護報酬改定の動向を把握する資料として、各介護サービスの事業収支差率をみると平成27年度介護報酬改定の実質4.48%のマイナス査定によって、介護サービス事業全体の平均収支差率は「約4〜5%」まで抑えられていることがわかります。

在宅サービスの事業収支差率に着目すると、訪問介護(5.5%)と通所介護(6.3%)はまだまだ収支率が高いことになります。平成27年度の介護報酬改定にて小規模型通所介護が大幅なマイナス改定が行われたが、居宅サービス全体からみると依然として高い収支率を維持していることが想定できます。

これらのことから平成30年度の介護報酬改定では、「訪問介護」と「通所介護」が中心にマイナス査定となる可能性考えられるのではないでしょうか。

厚生労働省 「資料1 平成28年度介護事業経営概況調査結果のポイント」、平成29年10月6日アクセス

平成30年度の介護報酬改定の7つのポイント

平成27年度の改定は、平成30年度の介護報酬改定への布石といわれており、さらなる社会保障費の抑制、介護保険サービスを施設から在宅へ移行を推進する流れとなっています。

いかに平成30年度の介護報酬改定のポイントを大きく7つご紹介します。

介護のパラダイムシフトへ予防や自立支援を重視した仕組みに転換
インセンティブ制度の設定へ要介護度を改善させた事業所させた事業所の報酬を引き上げ、要介護状態の改善をアウトカム指標としてインセンティブ制度を設けていく
訪問介護の資格要件緩和訪問介護の生活援助サービスの資格要件緩和とともに介護報酬の減算
福祉用具のレンタル価格公表・貸与価格の上限設置相場より高額なレンタル価格の取引ができない仕組みをつくる
通所介護の給付費の適正化を検討10人未満の小規模デイサービスは地域密着型に変換し店舗数を制限
通所介護全体の収支差率6.3%を減算
特養の看取り体制づくり配置医師の積極的な関わりや外部の医師、歯科医師、薬剤師、看護師が関わりやすい報酬体系へ
地域包括ケアシステムの推進2017年4月より全国の市町村で介護予防・日常生活支援総合事業を完全スタートにより予防給付費を抑える方針
訪問介護の要支援者への生活援助サービスはゆくゆく自費となる可能性が高くなる
【関連記事】平成30年度介護報酬改定の自立支援を目指す日本の介護の未来とは平成30年度介護報酬改定に向けた「未来投資会議」において日本の介護は「自立支援・重度化防止に向けた科学的介護の実現」を進め、平成30年度介護報酬改定では要介護者の状態を改善した事業者を評価する仕組みが検討されています。その内容について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  藤本 卓

作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事後、株式会社Rehab for JAPANに参画。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの資格を有し、専門的な知識と現場での知見を元に、事業所の支援を行う。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせるなどの実績をもつ。

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