安定したデイサービスの経営は「稼働率」がキーポイント

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更新日:2022/02/24

デイサービスの安定した経営をするにあたり、様々な要因があるのは間違いないのですが、その中でも「稼働率」に注目している施設は少ないように感じます。稼働率はご利用者さまが安定していつも利用しているということであり、経営という視点で考えた時に非常に重要な要素となります。今回この記事では、デイサービスにおける稼働率というところにフォーカスをあててご説明していきます。

デイサービスにおける稼働率の計算方法

デイサービスの稼働率は、以下の計算方法で算出できます。

稼働率=1ヶ月の利用延べ人数÷利用定員数×1ヶ月の営業日数

例えば、「定員15名・営業日数20日・1月の利用者数280名」だったとします。この場合の稼働率は93%となります。非常に良い稼働率だと言えます。一方で、「定員15名・営業日数20日・1月の利用者数200名」だとすると、67%の稼働率ということになります。

この場合、稼働率は非常に低いということになるので、稼働率を上げるための施策を打たなければなりません。

稼働率アップのためのポイント

利用者の口コミ

利用者の口コミ

稼働率アップのための一番のポイントは、「利用者の口コミ」だと言えるでしょう。
というのも、質の高いケアやリハビリなど、良質なサービスを提供していれば顧客満足度は当たり前ですが高くなります。特に女性利用者の方々は地域のコミュニティがあったり、地域との繋がりが強いので口コミで評判になります。

一方で注意しなければ悪い評判も一気に広がります。クレームなどがケアマネージャー(以下、ケアマネ)などの耳に入ると、紹介してくれるケアマネが良いイメージを持たなくなります。こうなると紹介を得られないということになります。

利用者が一番の営業マンであるということをしっかりと理解し、コミュニケーションや接遇といった当たり前のことを当たり前のようにできないといけません。
 

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デイサービスの売りを作る・付加価値を考える

デイサービス 売り 付加価値

続いて必要なのが、「デイサービスの売り」と「付加価値」です。

昨今、デイサービスの数は大幅に増え、厚生労働省の平成29年の調査によると、介護予防通所介護は34,160事業所、通所介護は23,597事業所となっています。予防と一体にやっているケースも多くありますので、はっきりとした数字は出せないものの、デイサービス全体でおよそ30,000事業所は超えていると推測されます。

2019年現在ではこれよりも増加していると考えられます。

厚労省データはこちら

一方で、コンビニの数は2017年時点でおよそ58,000店舗という日本フランチャイズチェーン協会が公開しているデータからもデイサービスの数がいかに多くなってきているのかということが分かります。

つまり、何が言いたいのかというと、これだけ数がある中で付加価値を提供しないとその他大勢に埋もれてしまうということになります。

こういうことからもデイサービスの売り、付加価値を作るということは非常に重要です。

例として挙げられるのは、リハビリに特化したデイサービスがあります。現在デイサービスの機能訓練指導員のおよそ80%はPT・OTなどのリハビリの専門家ではない、看護師や柔道整復師が担っていることが多いのが現状です。

2019年4月より医療保険による疾患別リハが一部終了となり、介護保険へ移行していきます。つまり、リハビリを強化している施設は集客しやすい環境になっていくと考えられます。このような背景からも、人件費という問題はあるものの、PTOTを雇用できるとそれだけでも付加価値となります。
 

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また、リハビリでもレッドコードを使用している施設であったり、生活に即した訓練を積極的に行なっている施設など、何か他とは一線を画す特徴を持っていることも必要です。

それ以外に考えられるのは、旅館を彷彿させるような空間作りをしていたり、音楽療法を積極的に取り入れているなど、色々なことが考えられます。

以前、リハプランで取材させていただいた事業所さまの素晴らしい取り組み事例がありますので、もしご興味ある方は参考にしてみてください。
 

【リハプラン 導入事例】
専門職がいなくても、リハビリの「質」が変わる!~よりよいリハビリは、利用者さまとご家族からの信頼につながる~(音楽療法を中心にリハプランで運動を加えて付加価値アップ)

担当者会議に管理者が積極的に参加する

担当者会議

担当者会議に参加するというのは、ケアマネさんと直接お会いする機会となります。利用者のデイサービスでの利用状況を直接お話でき、さらに他のサービス担当者と密に話し合える機会というのはそれほど多くありませんので、貴重な機会と言えます。

これはケアマネさんや他サービス事業者との「連携」になるので、コミュニケーションという意味でも非常に重要な営業活動ということが言えます。

リハプラン導入事例でも紹介させていただいている「トータルリハセンター高根台」さまでは、管理者の方が積極的に担当者会議に出ているということもお話してくださっていました。
 

振替利用のシステムを構築する

体調不良や家族の都合などで利用者がお休みをするケースもあります。

そのような場合は、そのままにするのではなく、振替利用を促進するように働きかけるのも稼働率を保つためには必要です。

そのために必要な方法は、デイサービスの稼働率をアップさせるための方法 欠席対策についてもご紹介!でご紹介していますので、是非合わせてお読みください。

長期的な入院などの対応をどのようにするか

体調不良か入院になるケースも多々あります。この場合、定期的にご家族やケアマネに情報収集を行い、今の状態がどういう状態なのか確認をすることが望ましいです。

または、管理者や生活相談員などが入院先に面会に行くのも場合によっては良いでしょう。こうすることで利用者やそのご家族は気にかけてくれていると喜んでくれますし、再利用・長期的な利用につながります。

まとめ

デイサービスの安定した経営を続けていくためには「稼働率」が重要であり、この記事では稼働率にフォーカスをあてたご説明をしましたが、いかがでしたでしょうか。

デイサービスが急増してきて厳しい状況があるのは事実ですが、利用者のことをしっかりと考え、国の方向性である「自立支援」にうまく順応し、施設の付加価値をしっかりと提供できているデイサービスは今後も成長し続けていくと考えます。

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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