機能訓練指導員にて算定できる加算まとめ

介護保険法

基本報酬

更新日:2022/02/21

機能訓練指導員になれる職種は、理学療法士や作業療法士、看護師などの8つの国家資格のいずれかの資格を所有している必要があり、機能訓練指導員はそれらの職種を総称した名称です。今回は、機能訓練指導員を配置し、機能訓練をすることで取得できる加算について各介護サービスごとにまとめてご紹介します。  

機能訓練指導員に関する加算の種類について

介護サービスのうちデイサービス、特養、ショートステイでは、厚生労働大臣が定める所定の基準要件を満たし、機能訓練指導員が入居者様の身体状況に応じた機能訓練を行った場合に、配置加算個別機能訓練加算Ⅰ個別機能訓練加算Ⅱなどを算定することができます。

特にデイサービスの場合は、個別機能訓練加算Ⅰと個別機能訓練加算Ⅱを算定すると1人の利用者あたり「102単位/日」を加算することができるので介護事業所の収益にも大きく影響しています。そのため、最近では「リハビリ特化型デイサービス」や「機能訓練特化型デイサービス」として運営している事業所も多く、それにともない機能訓練指導員の求人も多くなっているようです。

参照:厚生労働省ホームページ,平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について

通所介護(デイサービス)の機能訓練指導員の加算について

※当該基準に従い1日につき所定単位数に加算することができます。
 

特別養護老人ホーム(特養)の機能訓練指導員の加算について

※当該基準に従い1日につき所定単位数に加算することができます。
 

ショートステイ(短期入所生活介護)の機能訓練指導員の加算について

※当該基準に従い1日につき所定単位数に加算することができます。


▼機能訓練指導員とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(正看、准看)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(はり師・きゅう師)の8つの国家資格を総称した職種を指します。詳しくは下記の記事をご覧ください。

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通所介護の機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

通所介護の機能訓練指導員に関する加算の算定要件についてご紹介します。

通所介護では、機能訓練指導員の配置や個別機能訓練計画書の作成、目的に応じた機能訓練の実施をしている事業所に対して「個別機能訓練加算Ⅰ」と「個別機能訓練加算Ⅱ」を算定することができます。

個別機能訓練加算Ⅰと個別機能訓練加算Ⅱの算定要件は以下の通りです。

単位数1日につき「46単位」を加算
人員配置「常勤」の理学療法士等を1名以上配置していること
     実施者必ずしも機能訓練指導員が実施する必要はなく、機能訓練指導員の指導のもとであれば他職種のスタッフでも実施することが可能
目的筋力・バランスなどの心身機能の維持・向上を目指すもの
訓練の内容ご利用者様が主体的に選択でき、生活意欲を増進する訓練項目を複数準備すること
実施範囲人数の規定はなく、複数の「グループ活動」に分かれて実施することが可能
実施環境指定は特になし
単位数1日につき「56単位」を加算する
     人員配置「専従」の理学療法士等を1名以上配置していることが義務付けられています。非常勤の機能訓練指導員の配置でも算定は可能。また、雇用契約等をクリアすれば同法人内で出向や派遣での対応も可能です。
 実施者機能訓練指導員が直接実施すること
目的ご利用者様の身体機能を活用して、食事、排泄、更衣などの日常生活活動や調理、洗濯、掃除など家事動作の獲得を目指したり、趣味活動、町内会などの社会参加を目指すもの
訓練の内容目標にした内容の具体的な動作さやそれを模倣した動作を反復した訓練を提供する
実施範囲類似の生活目標をもつご利用者であれば「5名程度以下」の小集団(個別対応含む)に対して実施する
実施環境浴槽、脱衣所、階段、台所など日常生活に必要な設備を整え実用的な訓練も提供すること


▼通所介護の個別機能訓練加算についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

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通所介護における個別機能訓練加算の算定要件から計画書の書き方、実践プログラムを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

特養の機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

続いて、特別養護老人ホーム(特養)の機能訓練指導員に関する加算の算定要件についてご紹介します。

特養においても機能訓練指導員の配置など以下の所定要件を満たし、入居者様の身体状況に応じた機能訓練を行った場合に個別機能訓練加算が算定することができます。通所介護の個別機能訓練加算は2種類あったのに対して、特養の個別機能訓練加算は1種類のみとなっています。


特養の個別機能訓練加算の単位
12単位/日


特養の個別機能訓練加算の算定要件
次の基準にすべてに適合することが条件です。

  1. 専ら機能訓練指導員の職務に従事する「常勤」の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師(以下、機能訓練指導員)を1名以上配置していること。
  2. 指定介護老人福祉施設として都道府県知事に届け出をすること。
  3. 機能訓練指導員、看護職員、介護職員、 生活相談員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに個別機能訓練計画を作成すること。
    ※ただし、「施設サービス計画」に個別の機能訓練計画が記載されていれば別に計画書を作成する必要はありません。
  4. 当該計画に基づき、計画的に機能訓練を行っていること。




通所介護(デイサービス)に比べ、特養では比較的介護度の高い方(要介護3〜5)の機能訓練が中心となります。そのため、筋力トレーニングや歩行などの運動をするというよりも着替えやトイレなどの個々の生活に沿った訓練(生活リハビリ)を提供しているのが特徴です。


▼特養の個別機能訓練加算については下記の記事で詳しく解説しています。特養における個別機能訓練加算の算定状況や厚生労働省のQ&Aなど詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

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ショートステイの機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

ショートステイでは、「機能訓練指導員の配置加算」と「個別機能訓練加算」が機能訓練指導員の加算としてそれぞれ算定することができます。


ショートステイ(短期入所生活介護)の場合
機能訓練指導員の配置加算:12単位/日
個別機能訓練加算:56単位/日


「機能訓練指導員の配置加算」は、常勤・専従の機能訓練指導員を配置した場合に算定することが加算です。また「個別機能訓練加算」は、利用者の生活機能の維持・向上を目的として、専従の機能訓練指導員が利用者に対して直接訓練を行った場合に算定することができます。

厚生労働省によると以下のように通達されています。

短期入所生活介護の個別機能訓練加算は、通所介護における個別機能訓練加算(II)と同趣旨なので、当該加算と同様の対応を行うこと

つまり、ショートステイにおける個別機能訓練加算は、通所介護(デイサービス)の個別機能訓練加算Ⅱの内容と同等と考えていただければと思います。


▼ショートステイの個別機能訓練加算については下記の記事で詳しく解説しています。ショートステイの個別機能訓練加算の算定要件から計画書作成、厚生労働省のQ&Aなど詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

今回は、介護サービスごとに機能訓練指導員にて算定できる加算についてまとめてご紹介しました。

機能訓練指導員が取得できる加算には、単位数は各介護事業所によって異なりますが、主に「個別機能訓練加算Ⅰ」「個別機能訓練加算Ⅱ」「機能訓練指導員の配置加算」の3つがあります。

  • 個別機能訓練加算Ⅰでは、身体機能の維持と向上を目的として機能訓練を提供します。
  • 個別機能訓練加算Ⅱでは、日常生活の機能の維持と向上を目的として機能訓練を提供します。
  • 機能訓練指導員の配置加算は、スタッフ配置のみで算定することができます。


これから機能訓練指導員を目指す方、機能訓練指導員の求人募集をご検討中の事業所の経営者の方の参考になれば幸いです。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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