握力の平均値|男性・女性の平均値と握力測定のポイント

現場ノウハウ

評価

更新日:2024/04/15

握力測定は握力計で簡単に検査でき、他の筋力検査とも相関が高いため、高齢者の筋力を把握するのに大変便利です。医療・介護現場で握力測定を行うスタッフの方は、握力測定の基礎知識を知っておくとよいでしょう。この記事では、握力の測定方法と成人から高齢者までの平均値をご紹介しています。

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握力の平均値|年齢別の握力の平均とは?

握力 平均値 年齢別

握力測定とは

握力測定は、最大筋力を知る方法としても最もよく知られている測定方法の一つで、スポーツテストだけでなく、医療・介護現場の筋力測定としても活用されています。

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握力の平均値

 【日本の握力の平均値(平成26年度)】

日本(平成26年度)における年齢別の握力の平均値をご紹介します。

日本人の握力平均
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握力の平均値の全体を見てみると、男性の平均値は「35〜39歳」をピークに低下、女性の平均値は「45〜49歳」をピークに低下していることが分かります。

高齢者の握力の平均値

高齢者の握力の平均値は、若年者と比較すると下がっています。(以下は、文科省を元にした目安値です)

前期高齢者(65歳〜74歳)の握力測定結果の平均値

男性 38.62kg  女性 24.35kg

後期高齢者(75歳〜)の握力測定結果の平均値

男性 35.02kg  女性 22.34kg

あなたの握力測定の結果は、平均値を上回ることができましたか?

参照:文部科学省「平成26年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について」(平成29年9月2日アクセス)

握力測定のポイント|握力はどうやって測定すれば良いの?

握力測定 握力計

正しい握力測定の仕方についてご紹介します。上図のようなグリップ幅を調節できる握力計が一般的です。今回は、こちらの握力計の測定方法のポイントをご紹介します。

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握力測定の基本

握力測定の基本ルールは、左右2回ずつ測定します。左右それぞれの握力の高い値を選びます。

握力測定のポイント

  1. 第2指から第5指の全ての指を用いてしっかりと握れるようにグリップ幅を調節する。
  2. 人差し指の第2関節が直角になるように長さを調整する。
  3. 両足の幅を肩幅に開く。
  4. 肘を下ろして、握力計のパネル面を体と垂直にする。
  5. 手首をまっすぐに伸ばす。

握力測定の注意点

  1. 握力計が体側に触れないように注意する。
  2. 握力計を振り上げたり下げたりしないように注意する。
  3. 手首や肘が曲がらないように注意する。

参照:TOEI LIGHT「握力計」(平成29年9月2日アクセス)

握力測定のメリット|握力はなぜ測定する必要があるの?

握力測定 握力計

握力は、なぜ測定する必要があるのでしょうか?ここでは、握力測定のメリット測定の結果から分かることについてご紹介します。

【握力測定のメリット】

  • 握力の平均値は他の人と比較しやすい
  • 握力と他の筋力検査との相関が高い
  • 握力と足の指(足趾)の把持力との相関が高い
  • 握力と太もも(大腿四頭筋)の筋力との相関が高い
  • 握力と全身の筋力(骨格筋量)との相関が高い
  • 握力は高齢者のサルコペニアの診断基準の一つとして活用できる
  • 握力の低下と認知症の発生リスクの相関がある

高齢者の握力測定はなぜ重要なのか?

握力測定 高齢者

握力は、医療や介護現場においても測定します。特に、ご高齢者の握力測定は、ただ身体能力を評価するだけではありません。ご高齢者の握力測定は、全身の筋力の低下が著した虚弱高齢者である「サルコペニア」を判断する評価方法として重要とされています。

NILS-LSA(国立長寿医療研究センター)の長期縦断疫学研究によると、サルコペニアの簡易基準として以下の方法を規定しています。

  1. 普通歩行速度1 m/s未満、もしくは握力の測定結果が男性25 kg未満、女性20kg未満である場合
  2. BMI 18.5 kg/m2未満もしくは下腿周囲長30 cm未満(脆弱高齢者と判断脆弱高齢者のうち)である場合

人の筋量は、40歳前後から徐々に減少していきますが、特に高齢者においては、年間に5%以上も減少するとも言われており、日本の75歳以上の方の約22%は、サルコペニアとされています。握力を定期的に測定することで、この虚弱の早期発見することができるのです。

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まとめ

今回は、握力の測定方法と成人から高齢者までの握力の平均値をまとめました。

ここまでご紹介したように握力は、全身の筋力と相関が高いといわれる簡易な検査です。成人の身体測定としての測定だけでなく、ご高齢者の筋力検査としてもぜひ活用していきましょう。

デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。

→→ 【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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