機能訓練指導員とは|資格要件や仕事内容をご紹介【平成30年度改訂版】

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基本報酬

更新日:2022/02/18

機能訓練指導員とは、ご高齢者がその人らしく生活するために必要な身体能力や生活能力を獲得するために機能訓練を提供する人のことを指します。平成30年度の介護報酬改定では、鍼灸師も機能訓練指導員の資格要件として認められました。そこで今回は、デイサービスや特養で働く機能訓練指導員の8つの国家資格や仕事内容、職種ごとの魅力についてまとめてご紹介します。これから機能訓練指導員を目指す方、採用を考えている方はぜひご覧ください。

機能訓練指導員とは

機能訓練指導員とは

機能訓練指導員とは、ご高齢者が住みなれた地域で、その人らしく生活するために必要な身体能力や生活能力、趣味、社会参加を獲得するために必要な機能訓練を提供する職種のことを指します。

厚生労働省より、機能訓練指導員は以下のように定義されています。

機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。

【関連記事】機能訓練とリハビリの違いとは?通所介護と通所リハから違いを考える

機能訓練指導員になれる8つの資格要件について

機能訓練指導員の資格要件

機能訓練指導員になれる職種は、以下の7つの国家資格からいずれかの資格を所有している必要があります。

  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 看護師(准看護師含む)
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師

加えて平成30年度の介護報酬改定より、6ヵ月以上の実務経験を持つ「鍼灸師(はり師・きゅう師)」も機能訓練指導員として働くことが可能となりました。

機能訓練指導員になるための注意点

まず、機能訓練指導員という国家資格はないことを理解しておきましょう。機能訓練指導員になるためには、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの8つの職種のいずれかの国家資格を所有していることが必須となっています。

機能訓練指導員の仕事内容について

機能訓練指導員の仕事内容

機能訓練指導員の仕事内容は、ご本人やご家族の意向やケアプランを基に目標設定し、その目標を達成するために必要な機能訓練を提案します。

機能訓練の内容は、筋力アップやストレッチなどの運動プログラムだけでなく、着替えやトイレなど生活リハビリ、手芸やカラオケ、囲碁などの趣味活動も行います。

一方、現場では利用者様の中には「生活目標」や「今したいこと」を見失っている場合も多くあり、機能訓練指導員は目標をうまく引き出し、利用者様に「元気になってもいいかも」と思ってもらえるようにプロデュースを行います。

このように訓練を行うだけが仕事ではなく、病気や怪我をしたご利用者様の目標を上手に引き出したり、体を動かす動機付けを行うことも機能訓練指導員の仕事内容の一つです。

1個別機能訓練計画書または運動器機能向上計画書の作成
2バイタルチェックの実施
(看護師が責任持って対応します)
3個別機能訓練プログラムの立案
4個別リハビリの実施

5生活リハビリの実施
6リハビリ機器や自主トレの指導

7身体能力、生活能力の評価
8他職種とのカンファレンスなど(サービス担当者会議への出席)
【関連記事】個別機能訓練加算とは?算定要件から実践プログラムまで徹底解説します

特養の仕事内容とは

機能訓練指導員の仕事内容については、勤務する施設や事業所によって異なりますが、ここでは特別養護老人ホーム(特養)と通所介護事業所での仕事内容の違いをご紹介します。

まず、特養では、介護度の高い入居者様が多いので、機能訓練指導員は積極的に運動を提供するというよりも着替えやトイレなどの個々の生活に即した訓練を提供していきます。

【関連記事】特養における個別機能訓練加算の計画書や厚労省の発表について解説!

通所介護の仕事内容とは

通所介護における機能訓練指導員は看護師と兼務で行うことが可能で、個別機能訓練加算Ⅱを算定している事業所が多くあります。専門職として居宅生活を継続するためにその機能が重要であると提言することも大切な役割の一つとなります。

最近では、比較的運動習慣の高いご高齢者に対して「リハビリ特化型デイサービス」という運動に特化したデイサービスも増えてきています。そのため、自宅での自主訓練やマシンを使ったトレーニング指導なども提供していきます。
 

【関連記事】デイサービスの機能訓練指導員の仕事内容とは?特徴・給料もご紹介

機能訓練指導員のそれぞれの職種の特徴とは

機能訓練指導員とは


機能訓練指導員としての仕事内容や目的は、それぞれの国家資格によっての違いはありませんが、特徴については大きく変わります。

機能訓練指導員としてのそれぞれの職種の特徴を簡単にご紹介していきます!

それぞれの職種の特徴について理解することにより「機能訓練指導員の求人」を公募するときにも役に立ちます。

機能訓練指導員としての理学療法士

機能訓練指導員とは 理学療法士

機能訓練指導員としての理学療法士は、医学的リハビリテーションに基づき、運動療法や物理療法(電気や温熱)を活用して、歩く・座る・立つなどの基本動作能力を回復させたり、症状を軽減させたりすることができるのが特徴です。また、疾患の知識も豊富で生活習慣病や病気の予防などの機能訓練を提供することも得意としています。

理学療法士は、まず国家資格を取得することが必要です。国家資格とは、国が法律で定め、国や地方自治体などが認定する資格のことをいいます。

▼理学療法士についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

【関連記事】理学療法士とは|仕事内容から活躍する職場、年収を徹底解説

機能訓練指導員としての作業療法士

機能訓練指導員とは 作業療法士

機能訓練指導員としての作業療法士は、医学的リハビリテーションに基づき、入浴やトイレなど日常生活の動作や手工芸、園芸及びレクリエーションなど様々な活動を通して、身体と心のケアをすることができるのが特徴です。また、自宅の環境に即した福祉用具の選定や家族のケアなども得意としています。

▼作業療法士についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

【関連記事】作業療法士とはどんな職種?認定・専門作業療法士になる方法もご紹介

機能訓練指導員としての言語聴覚士

機能訓練指導員とは 言語聴覚士

機能訓練指導員としての言語聴覚士は、医学的リハビリテーションに基づき、嚥下や口腔機能や誤嚥性肺炎の予防、口腔ケアなどの機能訓練とその評価を行うことができるのが特徴です。また、言語障害や高次脳機能障害などの機能訓練も得意としています。

▼言語聴覚士になりたい方はこちらをご覧ください。

【参考】日本言語聴覚士協会 – 言語聴覚士を目指す

機能訓練指導員としての看護師

機能訓練指導員とは 看護師

機能訓練指導員としての看護職員は、ご利用者様のケアや健康状態を見極めるバイタルチェック、疾患別のリスク管理を行うことができるのが特徴です。

デイサービスでは、看護師兼機能訓練指導員として兼務するケースも多くあります。ただし、学生時代に運動などの知識を学ぶことは少ないため、機能訓練やリハビリの経験が少なく、現場で勉強されている方が多いのが現状です。

機能訓練指導員としての柔道整復師

機能訓練指導員とは 柔道整復師

機能訓練指導員としての柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉ばなれなどの各種損傷に対しての治療や運動などの機能訓練を行うことができるのが特徴です。柔道整復師は、開業している場合も多く高齢者特有の疾患なども得意としています。

柔道整復師の方は、比較的疾患のことは知っていると思いますが、個別機能訓練加算Ⅱを算定する上で、生活機能に即した評価測定やプログラム内容の立案は苦手だというお話もお聞きします。

そのような場合は、以下の関連記事を参考にしていただけたらと思います。

【関連記事】【完全保存版】デイサービス経営者必見!機能訓練指導員 関連記事まとめ|随時更新【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新【完全保存版】デイサービス経営者必見!個別機能訓練加算・計画書まとめ|随時更新

まず、柔道整復師になりたい方はこちらをご覧ください。

参照:公益社団法人 日本柔道整復師会 – 柔道整復師とは

機能訓練指導員としてのあん摩マッサージ指圧師

機能訓練指導員とは あん摩マッサージ指圧師

機能訓練指導員としてのあん摩マッサージ指圧師は、日常生活やトレーニングにともなう疲労感や筋肉のコリ、硬さを軽減することができるのが特徴です。

マシントレーニングなどリハビリ特化型デイサービスよりもストレッチやマッサージを主体とした事業所で勤務されることが多い印象です。あん摩マッサージ指圧師は、学生時代のカリキュラムに運動や日常生活生活訓練などの技術を学ぶことがなく、機能訓練指導員として勤務するようになり、現場で勉強されている方が多くいらっしゃいます。

機能訓練指導員に鍼灸師もなれる

平成30年度の介護報酬改定では、機能訓練指導員の資格要件を緩和を行い「鍼灸師(はり師・きゅう師)」でも担えるようになりました。

これは、短期入所生活介護(ショートステイ) や認知症対応型通所介護(認知症デイサービス) 、特定施設などの機能訓練指導員も同じ扱いになります。
 
ただし、サービスの質を担保する観点から、現行の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの機能訓練指導員が配置されている事業所において、半年以上の実務経験を積むことを前提とされます。

機能訓練指導員が算定することができる加算について

機能訓練指導員とは

機能訓練指導員が在籍するデイサービス特養ショートステイでは「個別機能訓練加算」を算定することができます。

通所介護(デイサービス)

個別機能訓練加算Ⅰ

単位1日につき46単位/人
算定要件利用者の自立の支援、日常生活の充実を目的とした機能訓練の項目を「複数」計画し、利用者の心身状況に応じた訓練を実施していること。機能訓練指導員、看護職員、介護士、生活相談員、その他の職種の者が共同し、機能訓練計画書を作成、実施していること。3ヶ月に1回以上、利用者やその家族の居宅を訪問した上で、その内容を説明し、見直しを行っていること
配置基準「常勤専従」の機能訓練指導員を1名以上配置していること
業務内容ご利用者様の「身体機能を維持すること」を目的として個別の運動プログラムを提供する

個別機能訓練加算Ⅱ

単位1日につき56単位/人
算定要件ご利用者様の「生活機能の維持・向上」に関する目標を具体的に設定し、「5名程度以下」の小集団(個別対応含む)に対して機能訓練指導員が「直接」実施すること。個別機能訓練計画に基づき、理学療法士等が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を実施していること。3ヶ月に1回以上、利用者やその家族の居宅を訪問した上で、その内容を説明し、見直しを行っていること。
配置基準「専従」の理学療法士等を1名以上配置していること
業務内容利用者の生活機能の維持・向上し、「利用者ごと」の心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること

特養やショートステイ

単位1日につき12単位/人(介護福祉施設サービス、特定施設入居者生活介護、短期入所生活介護)
配置基準専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を配置し、計画的に機能訓練を行った場合に加算

認知症対応型通所介護

単位1日につき27単位
配置基準1日120分以上、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置し、計画的に機能訓練を行った場合に加算

▼機能訓練指導員が取得できる加算について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

関連記事機能訓練指導員が取得できる加算を徹底解説!機能訓練指導員が取得できる加算についてまとめてご紹介します。

機能訓練指導員の年収について

機能訓練指導員の年収

今までご紹介したように、機能訓練指導員が取得できる事業所では機能訓練指導員の配置が義務付けられており、そのニーズも増えてきているようです。そんな機能訓練指導員の平均的な年収についてご紹介します。



 

・年収:300万円〜400万円
・月収:17万円〜22万円
・時給:1200円〜1800円




・年収:約310万円 
・月給:約21万円 

・時給:約1146円




機能訓練指導員は、一般的な介護職種に比べてもその専門性から給料も高くなっていることがわかります。また、機能訓練指導員の6つの専門職の中でも、看護師は、看護業務はもちろんのこと機能訓練指導員と兼務することができるため、給料が比較的高くなっているようです。




▼機能訓練指導員の給料についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【関連記事】機能訓練指導員の給料・年収とは?

オススメの機能訓練指導員の求人サイト【5選】

機能訓練指導員 求人サイト

これから機能訓練指導員として働こうかとお考えの方に、オススメの求人サイトを「5つ」ご紹介します。

特に、デイサービスにおいては機能訓練指導員を急募しているようです。

機能訓練指導員のみなさまが住む都道府県や市区町村での求人情報を確認してみてくださいね。

◯ リジョブ介護
◯ カイゴジョブ
◯ メガキャリア
◯ ジョブメドレー
◯ インディード

まとめ

機能訓練指導員の職種別割合

これまで機能訓練指導員の職種ごとの仕事内容やその魅力、取得できる加算、給料についてまとめてご紹介しました。

実際に機能訓練指導員として働いている職種の多くは「看護師」が多いようです。厚生労働省の報告を見てみると個別機能訓練計画書の作成者においても機能訓練指導員の職種の中でも「看護師」が最も多いことが分かります。通所介護事業所(デイサービス)では、リハビリ専門職を雇用することが難しく、看護師機能訓練指導員を兼務していることが多い現状です。

それぞれの資格ごとの機能訓練指導員の特徴の理解を深めて資格取得や求人掲載の参考にしていただければ幸いです。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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