通所介護における口腔機能向上加算のサービス提供の手順について|自主点検表を活用することでコンプライアンス遵守

介護保険法

口腔機能向上加算

更新日:2022/08/03

通所介護(デイサービス)における加算の1つに「口腔機能向上加算」という加算があります。この加算は、言語聴覚士(ST)・看護師・歯科衛生士を配置していることで算定できます。人員基準や算定要件はもちろんのこと、実際に算定をする上でのサービス提供手順について理解しておく必要があります。この記事では、人員基準や算定要件の振り返りに加え、サービス提供の手順にフォーカスをあててご説明をしていきます。

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通所介護事業において、昨今基本報酬が下げられているということから、適切に加算を算定することが安定した事業運営につながるのは言うまでもありません。

通所介護の加算では、

等々、加算の種類はたくさんあります。この記事では、「口腔機能向上加算」にフォーカスをあててご説明をしていきます。

人員基準や算定要件についてもご説明しますが、詳細についてはデイサービスの口腔機能向上加算の算定要件や計画書について詳しく解説!の記事で確認をしていただき、この記事では主に、口腔機能向上加算のサービスを提供する手順をご説明していきます。

口腔機能向上加算の目的

口腔機能向上加算の目的は、名前の通り口腔機能の向上にあります。では、ここで言う口腔機能とはどういったものでしょうか。

"口腔機能が低下している利用者の口腔機能の向上を目的として、個別的に実施される口腔清掃の指導若しくは実施又は摂食・嚥下機能に関する訓練の指導若しくは実施であって、利用者の心身の状態の維持又は向上に資すると認められるもの"


このように定義されています。

つまり、

  • 口腔内の清掃実施と指導
  • 摂食・嚥下機能に関わる訓練実施と指導

この2点が主な内容となります。これに加え、この2点を実施することで利用者さんの心身状態が維持される、向上すると考えられる方が対象となります。
 

口腔機能向上加算の算定要件

人員基準として、言語聴覚士(ST)・看護師・歯科衛生士を1名以上配置している必要があります。単位数は1回あたり150単位で、要支援者は月に1回のみ、要介護者は月に2回まで算定することができます。

その他、計画書の内容や頻度などについては、デイサービスの口腔機能向上加算の算定要件や計画書について詳しく解説!を合わせてご覧になってください。
 

口腔機能向上加算を算定できる利用者

ここでは、埼玉県の自主点検表を参考にご紹介します。

口腔機能向上加算を算定できる利用者は、次のア〜ウまでのいずれかに該当する者であって、口腔機能向上サービスの提供が必要と認められる者

ア 認定調査票における嚥下、食事摂取、口腔清掃の3項目のいずれかの項目において「1」以外に該当する者
イ 基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)、(14)、(15)の3項目のうち、2項目以上が「1」に該当する者
ウ その他の口腔機能の低下している者又はそのおそれのある者

参照:埼玉県 自主点検表


【基本チェックリスト13・14・15】
13:半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
14:お茶や汁物等でむせることはありますか
15:口の渇きが気になりますか

基本チェックリストはこちらを参照ください → PDFでダウンロードできます

ここに挙げた対象が「口腔機能向上サービスの提供が必要と認められる者」となります。

口腔機能向上加算のサービス提供の手順

いざ加算を算定しようと動き出したとしても、どのような手順を追っていけばいいのか悩むこともあると思います。こちらも、埼玉県の自主点検表を基にご説明していきます。

① 利用者ごとの口腔機能を、利用開始時に把握していますか。
② 利用開始時に、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が中心となって、利用者ごとの口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題の把握を行なっていますか。
③ 言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して取り組むべき事項等を記載した口腔機能改善管理指導計画を作成していますか。
④ 作成した口腔機能改善管理指導計画については、口腔機能向上サービスの対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得ていますか。
⑤ 口腔機能改善管理指導計画に基づき、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員等が利用者ごとに口腔機能向上サービスを提供していますか。
⑥ 口腔機能改善管理指導計画に実施場の問題点があれば直ちに当該計画を修正していますか。
⑦ 利用者の口腔機能の状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、おおむね3月ごとに口腔機能の状態の評価を行なっていますか。
⑧ ⑦の評価の結果について、当該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師、主治の歯科医師に対して情報提供していますか。
⑨ ⑦の評価の結果、次のア又はイのいずれかに該当する者であって、継続的に言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員等がサービス提供を行うことにより、口腔機能の向上又は維持の効果が期待できると認められるものについては、継続的に口腔機能向上サービスを提供していますか。

 ア 口腔清掃・唾液分泌・咀嚼・嚥下・食事摂取等の口腔機能の低下が認められる状態の者
 イ 口腔機能向上サービスを継続しないことにより、口腔機能が著しく低下するおそれのある者

引用元:埼玉県 自主点検表


こちらを見て、皆さんの事業所ではいかがでしょうか?該当していますでしょうか?

あくまでも埼玉県の内容をご紹介していますが、何県か確認をした上で概ね他の自治体でも変わりはありません。もし、こちらの内容に該当していない箇所があるようであれば、事業所を運営している自治体の自主点検表を確認してみてください。

各自治体の自主点検表を活用して実地対策対策をしよう

各都道府県で介護サービスごとの自主点検表を確認することができます。この記事では、埼玉県と東京都のものをベースにお伝えさせていただきました。

自主点検表は定期的に更新されていますので、定期的に見直す必要があるでしょう。自主点検表を活用してコンプライアンスを遵守するようにしてください。

まとめ

通所介護事業における「口腔機能向上加算」のサービス手順について、自主点検表を用いてご紹介させていただきました。少しはご理解いただけましたでしょうか。

自主点検表は実地指導や監査対策として、非常に有用なものです。定期的にブラッシュアップされていたりするので、定期的にチェックをしておくことをおすすめします。

それでは、少しでも参考になれば幸いです。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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