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介護保険法
2023/03/15
介護保険法
生活機能向上連携加算
更新日:2022/02/28
生活機能向上連携加算とは、デイサービスの職員と外部のリハビリテーション専門職が連携してアセスメントを行い、計画書を作成することで算定できる新しい加算のことです。今回は、平成30年度の介護報酬改定後より通所介護や特養、グループホームなどで算定できるようになった生活機能向上連携加算の算定要件や計画書、厚生労働省のQ&Aについてまとめて分かりやすくご紹介します。
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この記事の目次
生活機能向上連携加算とは、デイサービスの職員と外部のリハビリテーション専門職が連携してアセスメントを行い、計画書を作成することで算定できる平成30年度介護報酬改定での新しい加算のことです。
生活機能向上連携加算は、デイサービスの機能訓練にリハビリ専門職が介入することにより、今まで以上に高齢者の自立支援を強化する目的があります。
また、これまでデイサービスで行っていた個別機能訓練加算において、「機能訓練指導員を配置することが難しい」という現場の意見が7割弱を占めていくことから、外部のリハビリ専門職が連携することで、採用できないデイサービスでも算定できるようになることを目指しています。
生活機能向上連携加算は、平成29年度時点では「訪問介護」のみが対象とされていた加算です。
自立支援型のサービス提供を促進し、利用者の在宅における生活機能向上を図る観点から、デイサービス(通所介護)やグループホーム、特養などでも含め平成30年度介護報酬改定より対象事業所の枠が広がることになりました。
■算定できる介護事業所の種類
参照:厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について」
平成30年1月26日に厚生労働省より、平成30年度の介護報酬改定における各サービス毎の改定事項についての発表がありました。その中で生活機能向上連携加算の対象事業所が増えることになりました。
例えば通所介護(デイサービス)の場合、デイサービスの職員と外部のリハビリ専門職が連携し、機能訓練のマネジメントを行うことを評価する生活機能向上連携加算が新設されました。
具体的には既存の個別機能訓練加算と同様であり「個別機能訓練計画書」を利用者ごとに目標設定し、実施時間や実施方法などを記載する必要があります。
目標については、これまでの個別機能訓練加算と同様に利用者やその家族の意向、ケアマネジャーの意見も踏まえて具体的に設定することが求められます。
実際の業務としては、地域の訪問リハビリや通所リハビリ、リハビリを実施している医療機関のPT、OT、ST、医師に来てもらい、事業所の職員が専門家と共同で利用者のアセスメントを行ったうえで、個別機能訓練計画書を作成することが求められます。
ここから、介護事業所ごとの生活機能向上連携加算の算定要件と単位数についてご紹介します。
■算定要件
訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所またはリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る)の理学療法士・作業療法士・言語聴 覚士、医師が、通所介護事業所を訪問し、通所介護事業所の職員と共同で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。
リハビリテーション専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3ヶ月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。
参照: 厚生労働省「資料1 通所介護の報酬・基準について」社保審-介護給付費分科会 第150回(H29.11.8)
■単位数
生活機能向上連携加算 200単位/月
※個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月
■算定要件
■単位数
生活機能向上連携加算(Ⅰ) 100単位/月(新設)
生活機能向上連携加算(Ⅱ)200単位/月
■算定要件
■単位数
1ヶ月につき「100単位/月」
訪問介護において、生活機能向上連携加算を算定する場合は、最初の訪問介護を行った月以降の3月の間で「100単位」を加算することができます。 なお、3月の間にご利用者様に対する訪問リハまたは通所リハの提供が終了した場合であっても、3月の間は生活機能向上連携加算を算定することが可能です。
■算定要件
訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所またはリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師が、認知症対応型共同生活介護事業所を訪問し、計画作成担当者と身体状況等の評価(生活機能アセ スメント)を共同して行うこと。
計画作成担当者は生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成すること。
■単位数
生活機能向上連携加算 200単位/月
生活機能向上連携加算を算定するためには、計画書を作成しなければなりません。
生活機能向上連携加算の計画書の書式様式は、基本的には個別機能訓練計画書と同様の書式となっているため、上記のような計画書を3ヶ月ごとに作成する必要があります。もちろん、個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画書の中に記載する場合は、その記載をもって計画の作成に代えることが可能です。
各月の評価内容や目標の達成度合いを、機能訓練指導員などが利用者・家族、リハ職らに報告・相談し、利用者・家族の意向を確認し、リハ職などから助言を得つつ適切な対応をとっていかなければなりません。
機能訓練に関する記録は利用者ごとに保管し、機能訓練指導員などが常に閲覧できるようにしておく必要があります。
3ヶ月に1回とはいえ、 個別機能訓練計画書の作成ってものすごく時間がかかる…。 上長からはもっと効率化しろと言われてるし…。そんな悩みには「リハプラン」がおすすめです! |
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Q.生活機能向上連携加算(II)について、告示上、「訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション等の一環として当該利用者の居宅を訪問する際にサービス提 供責任者が同行する等により」とされているが、「一環」とは具体的にはどのようなものか。 |
A.具体的には、訪問リハビリテーションであれば、訪問リハビリテーションで訪問する際に訪問介護事業所のサービス提供責任者が同行することであるが、リハビリテー ションを実施している医療提供施設の医師については、訪問診療を行う際等に訪問介 護事業所のサービス提供責任者が同行することが考えられる。 |
Q.指定通所介護事業所は、生活機能向上連携加算に係る業務について指定訪問リ ハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又は医療提供施設と委 託契約を締結し、業務に必要な費用を指定訪問リハビリテーション事業所等に支払うことになると考えてよいか。 |
A.貴見のとおりである。なお、委託料についてはそれぞれの合議により適切に設定する必要がある。 |
Q.生活機能向上連携加算は、同一法人の指定訪問リハビリテーション事業所若しくは指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)と連携する場合も算 定できるものと考えてよいか。 |
A. ・貴見のとおりである。 ・なお、連携先について、地域包括ケアシステムの推進に向けた在宅医療の主たる担い手として想定されている 200 床未満の医療提供施設に原則として限っている趣旨や、リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の有効活用、地域との連携の促進の観点から、別法人からの連携の求めがあった場合には、積極的に応じるべきである。 |
参照:平成 30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) (平成 30 年3月 23 日)
生活機能向上連携加算を算定する際に、同時に議論されるのがビデオ通話などのICTを活用した場合についてです。
ここでは、訪問介護の場合などICTを活用して、ADLやIADLを支援する場合に注意しなければならないことを具体的にまとめます。
ビデオ通話 | 通信時間等の調整 を行い、当該利用者の自宅(生活の場・介護現場)にて行います。具体的には、訪問介護事業所のサービス提供責任者と外部の理学療法士等が、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いて、外部の理学療法士等が利用者のADL及びIADLの状況を把握すること |
動画の共有 | 訪問介護事業所のサービス提供責任者が利用者宅で自宅(生活の場・介護現場)の環境状況、動作の一連の動き等がわかるように撮影し、あらかじめ、理学療法士と共有しておく必要があります。 |
セキュリティ | 一般社団法人保健 医療福祉情報安全管理適合性評価協会(HISPRO)が公表している「医療情報連携において、SNS を利用する際に気を付けるべき事項」を参考に、適切な対策を講じることが適当とされています。電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末を利用して行う場合には、厚生労働省 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」(平成 29 年5月)に 対応していることが必要となっています。 |
参照:厚生労働省「資料1 訪問介護の報酬・基準について」社保審-介護給付費分科会 第149回(H29.11.1)
今回は、平成30年度の介護報酬改定で新設された生活機能向上連携加算についてご紹介しました。
通所介護(デイサービス)における他事業所等のリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚 士)との連携状況は、「連携している」が27.6%で、連携の効果も一定程度認められています。
生活機能向上連携加算は、より良い機能訓練を行うためにご利用者様においても、事業所様においても大切になる加算です。
生活機能向上連携加算が算定できる介護サービスは拡大したものの、地域の「訪問リハビリ」「通所リハビリ」「医療機関」のリハビリ専門職または医師が引き受けてくれるかのかといった点が今後の課題となるのではないでしょうか。
参照:厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について」第158回(H30.1.26)
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?
その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?