【2021年介護報酬改定】通所介護の口腔機能向上加算の見直しと口腔・栄養スクリーニング加算の創設

介護保険法

口腔機能向上加算

更新日:2022/08/03

口腔機能向上加算とは、通所介護(デイサービス)にて咀嚼や嚥下、食事摂取などの口腔機能の低下または低下する恐れがある方を対象に算定することができる加算です。2021年1月時点の社会保障審議会介護給付費分科会の議論内容を元に、この口腔機能向上加算の見直しと新たに口腔・栄養スクリーニング加算の創設についてご紹介します。  

口腔機能向上加算の算定要件と始め方」のお役立ち資料(PDF)を無料プレゼント中!

2021年の介護報酬改定に向けた議論においては、重度化防止に向けた機能訓練などの自立支援の取り組み、科学的介護の推進などを中心に検討されており、現行の「口腔機能向上加算」の見直しや新たに「口腔・栄養スクリーニング加算」を創設することが論点となっています。

口腔機能向上加算の見直しについて

■2021年介護報酬改定における口腔機能向上加算の見直し検討

口腔機能向上加算については、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用による更なるPDCAサイクルの推進・ ケアの向上を図ることを評価する口腔機能向上加算(Ⅱ)という新設加算が設けられました。

■口腔機能向上加算の単位数
・口腔機能向上加算(Ⅰ):150単位/回(現行の口腔機能向上加算と同様)
・口腔機能向上加算(Ⅱ):160単位/回(新設)(※原則3月以内、月2回を限度)
※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可

■口腔機能向上加算(Ⅱ)の算定要件
口腔機能向上加算(Ⅱ)は、口腔機能向上加算(Ⅰ)の取り組みに加え、口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの実施にあたって当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第199回(R3.1.18) 参考資料1

■現行の口腔機能向上加算について

口腔機能向上加算は、口腔清潔・唾液分泌・咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)・食事摂取などの口腔機能の低下が認められる状態、または口腔機能が低下する恐れがあるご利用者に対し、口腔機能改善管理指導計画を作成、個別での口腔体操・口腔ケアなどの指導を行った場合に取得できる加算です。

通所介護(デイサービス)を始めとする介護予防通所介護(総合事業)・通所リハビリテーション(デイケア)などで算定できます。

■口腔機能向上加算の単位数
要介護者の場合:150単位/月(月2回)
要支援者の場合:150単位/月(月1回) 

■口腔機能向上加算の算定要件
イ)利用者ごとの口腔機能を、利用開始時に把握すること。
ロ)利用開始時に、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が中心となって、利用者ごとの口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題の把握を行い、言語聴覚士、歯科衛生士、 看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して取り組むべき事項等を記載した口腔機能改善管理指導計画 を作成すること。作成した口腔機能改善管理指導計画については、口腔機能向上サービスの対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、通所介護においては、口腔機能改善管理指導計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって口腔機能改善管理指導計画の作成に代えることができるものとすること。
ハ)口腔機能改善管理指導計画に基づき、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員等が利用者ごとに口腔機能向上サービスを提供すること。その際、口腔機能改善管理指導計画に実施上の問題点があれば直ちに当該計画を修正すること。
ニ)利用者の口腔機能の状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、概ね三月ごとに口腔機能の状態の評価を行い、その結果について、当該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師、主治の歯科医師に対して情報提供すること。
ホ)指定居宅サービス基準第百五条において準用する第十九条に規定するサービスの提供の記録において利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が利用者の口腔機能を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に口腔機能向上加算の算定のために利用者の口腔機能を定期的に記録する必要はないものとすること。

参照:厚生労働省「介護報酬改定に関する通知の改正案(原案)」

口腔・栄養スクリーニング加算という新設加算の検討

具体的には、現行の口腔機能向上加算に加えて、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を新設する予定です。

通所サービス、地域密着型サービスの利用者の口腔機能低下を早期に確認し、適切な管理等を行うことによって、口腔機能低下の重症化等の予防・維持・回復等につなげる観点から、介護職員も実施可能な口腔機能のスクリーニングの取り組みを進めることとし、栄養スクリーニング加算の取組と併せて提供する方針です。

■口腔・栄養スクリーニング加算の単位数
・口腔・栄養スクリーニング加算
(Ⅰ):20単位/回・口腔・栄養スクリーニング加算
(Ⅱ):5単位/回 ■口腔・栄養スクリーニング加算の算定要件・加算
(Ⅰ)は、①及び②に、加算(Ⅱ)は①又は②に適合すること。
・加算(Ⅱ)は、併算定の関係で加算(Ⅰ)が取得できない場合に限り取得可能。
①当該事業所の従業者が利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態について確認を行い、当該利用者の口腔の健康状態に関する情報を当該利用者を担当するケアマネジャーに提供していること。
②当該事業所の従業者が利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の栄養状態について確認を行い、当該利用者の栄養状態に関する情報(当該利用者が低栄養状態の場合にあっては、低栄養状態の改善に必要な情報も含む)を当該利用者を担当するケアマネジャーに提供していること。

口腔・栄養スクリーニング加算の新設が検討されている理由について

2021年(令和3年度)の介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会では、これまでの通所介護(デイサービス)の口腔機能向上加算について現状調査を行っており口腔機能向上の対応が必要な利用者がわからない等の理由で算定率が低い状況であり、口腔機能低下の重度化等の防止・維持・回復等につなげる観点から、介護職員も可能な口腔機能のスクリーニングの取り組みを進めてはどうかという議論をおこなっています。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3

口腔機能向上加算を算定しない理由は、利用者の把握/同意を得ることが難しい

通所介護において口腔機能向上加算を算定している通所サービス事業所は12.2%と低い状況です。

その理由は、「口腔機能向上加算は必要な利用者の把握が難しい」、「口腔 機能向上加算の必要性について利用者(家族)の同意を得ることが難しい(歯科専門職がいないので必要性をうまく 説明できない)」、「算定を支援してくれる歯科医療機関がない」となっています。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第197回(R2.12.18) 参考資料3

口腔機能が低下している利用者を誰でも簡単に把握でき、これから初めて算定していくなら「リハプラン口腔機能」がおすすめです!未経験の算定事業所でも口腔ケアが算定できるようになり、デイサービスの収益アップを実現します。

一方、口腔機能低下症の利用者は59%もいる

歯科医師による口腔内評価において、通所サービス利用者のうち、歯科受診の必要性がありと診断された割合は59.1%であったと報告されています。

具体的に口腔機能低下症の基準に基づいた検査結果、現在残っている歯数に加えて、発音による口唇・ 舌運動、摂食時に関与する舌圧、嚥下等の項目で基準値以下と判定された者が半数以上であり、多くの通所サービス利用者の口腔機能の低下が示唆されています。

これらの調査からデイサービスで新たに口腔サービスを提供しようとすると、約50〜60%の利用者が対象としてサービス提供をしていく必要性が出てくることが予想されます。

参照:厚生労働省,社保審-介護給付費分科会 第188回(R2.10.15) 資料1

まとめ

今回は、2021年の介護報酬改定に向けた通所介護の「口腔機能向上加算の見直し」と「口腔・栄養スクリーニング加算」の新設の議論ポイントについてまとめてご紹介しました。

現在、「科学的介護の実現を目指し、アウトカム評価による質の高い介護に対するインセンティブを拡充する」ことが議論されており、これからさらに「アウトカム評価を用いた介護サービスの質の向上」の波が急激に押し寄せています。

皆さんのデイサービスでも科学的介護の実現に向けて、効果的な機能訓練に取り組んで行きませんか?

効果的なリハビリを実現する仕組みを構築し、効果を出せるデイサービスとして実績をリハプランと一緒に作っていきましょう!

確かなリハビリで地域で選ばれるデイサービスに。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

関連記事