介護の接遇マナーの基礎知識|おもてなしの心を表現する4つのポイント

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2022/02/25

あなたの介護事業所の接遇・マナーは大丈夫ですか? デイサービスなどの介護現場では、高齢者の方と接する際に介護職員を含めたスタッフがどのような対応・接遇を行うべきか討論になります。そこで今回は、高齢者が介護サービスを快適に使っていただくために、介護現場のスタッフがどのようにおもてなしの心を表現すればよいか、ポイントをまとめてご紹介します。こちらは、基礎知識として覚えておきましょう。

介護の接遇マナーの心得

介護職員の接遇マナーの心得とは

そもそも接遇やマナーは、飲食やホテルなどのサービス業で知られている言葉でしたが、最近では病院や介護現場での研修としても取り組まれることが多くなりました。

この「接遇」という言葉には、「人と接する」+「もてなす」という意味が含まれています。また「マナー」とは、自分以外の誰かと共通の空間を過ごす際に必要になる「振る舞い」のことを意味します。つまり、お互いが心地よく過ごすための「想いやりの気持ち」と「行動」と言えます。自分がどのように行動すれば、相手が「心地よく感じられる」のか。それを考えることこそが、最も重要だと心得えておきましょう。

この接遇やマナーは、年配の方と接する機会が多い介護職員にとってより良いサービスを提供するために重要なスキルです。そのスキルを磨き、利用者様にとって「安心できるスタッフ」、ご家族から「選ばれる施設」を目指していきましょう!

介護の接遇マナーの4つのポイント

介護職員の接遇(マナー)の4つのポイント

それでは実際に、どのような点に気をつけて行けば良いのでしょうか?

  1. 表情・身だしなみ
  2. 立ち振る舞い
  3. 言葉遣い
  4. スタッフ教育

表情・身だしなみについて

介護職員の接遇で大切な表情・身だしなみ

介護職員が接遇やマナーを学ぶ際に、表情や身だしなみという言葉が頻繁に出できます。これらはなぜ大切なのでしょうか?

第一印象に大きく影響する表情や身だしなみは、接遇の観点からも重要です。第一印象には、メラビアンの法則というものがあります。メラビアンの法則は、初めて会った人の印象を決める要素として「視覚的な要素55%」「聴覚的な要素38%」「話の内容が7%」という割合が占められているという考え方です。実は話の内容よりも、身だしなみ、顔の表情、目線といった「視覚情報」と、声のトーンといった「聴覚情報」が大切なのです。

あなたの表情や身振り手振り、声のトーンは知らず知らずのうちに利用者様から評価され、信頼できるスタッフなのか判断されているということになります。第一印象はほんの一瞬です。日頃から清潔な感じを与える服装を気がけ、笑顔を大切にしていきましょう!

立ち振る舞いについて

介護職員の接遇で重要な立ち振る舞い

次に紹介するのはスタッフの「立ち振る舞い」です。

スタッフの態度は、利用者様が声をかけたくなる、話したくなるなどコミュニケーションをする上でとても重要です。特に、接遇マナーで意識したい3種類のお辞儀(目礼・会釈、普通礼、敬礼)の角度と使い分け、介護・医療施設でよく使う挨拶の言葉、気持ちの良い接遇のための「語先後礼」、接遇向上のための挨拶の指導方法などです。

  • 目を合わせる
    日頃から自分から目を合わせるようにしましょう。また目線の高さを合わせることも話しやすいポイントです。
  • 目が合えば笑顔をみせる
    目線があったときに前歯が見える程度に笑顔をみせることを気がけましょう。
  • 無意識なときに笑顔(口角をあげている)がある
    利用者様は、仕事中の無意識の表情ほどよく見ています。人と会話をしていない場合も口角を上げておく癖をつけましょう。
  • スタッフ間での会話が丁寧
    実はよく見られているのが、スタッフ間での会話や対応の仕方です。スタッフ同士にも良い対応ができる人はご利用者様も声をかけやすいです。
  • 何気ない会話ができる
    「桜が八分咲きですね」など、利用者さんと日常の何気ない事を楽しみましょう。日々忙しく過ごす貴重な時間ですが、一言でも言葉かけを行いましょう。
  • 自分の苦手な部分もさらりと話せる
    相手が苦手な部分を伝えてくれることは、心を開いてくれていると親近感を持ってもらえます。

言葉遣いについて

介護職員の接遇|言葉遣い

3つ目にご紹介するのは「言葉遣い」です。

通所介護などでは、介護職員が電話対応やご利用者のご家族とのコミュニケーションなどを行う場面もあるため、言葉遣いなどの接遇面のレベルを見られる機会が多いですので気をつけましょう。

特に年配の方とお話する場合、馴れ馴れしい言葉や流行り言葉、専門用語はなるべく使わないよう心がけましょう。また、高齢者の方は、高い声が聞き取りにくくなるのため、できるだけ低い声でお話しすると良いでしょう。さらに、接遇のスペシャリストを目指すには「クッション言葉」を使用していきましょう。クッション言葉は、何かをお願いしたり、お断りするときに本題の前に添えて、印象を和らげる働きがあります。

〜質問〜

  • 失礼ですが
    「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
  • よろしければ
    「よろしければ、調子を教えていただけますか?」

〜依頼〜

  • 恐れ入りますが
    「恐れ入りますが、お薬はお済みですか?」
  • お手数ですが
    「お手数ですが、服をご準備いただけますか?」

〜断り〜

  • 誠に申し訳ございませんが
    「誠に申し訳ございませんが、明日はお休みをいただいております」

〜肯定言葉〜

  • 「恐れ入りますが、ここでのタバコはご遠慮いただけますか」
    「恐れ入りますが、タバコはあちらのスペースでお願いできますか」

ひと言添えるだけで、言葉がこんなにも丁寧に聞こえるわけです。利用者様に嫌な印象を与えず、親しみやすさも感じていただけるような言葉使いのスペシャリストを目指していきましょう!

スタッフの教育・研修について

介護職員の接遇研修・スタッフ教育

4つ目に紹介するのは「スタッフ教育」です。実際に介護現場で接遇やマナーの研修は受けたことがありますか?

マナー講師をお呼びしたり、研修会に参加したりした方もいるかもしれません。また、介護事業所で業務マニュアルとして作成している事業所もあるかもしれません。業務マニュアルや講義で学ぶことも重要なことですが、数日経ってみるといつもと変わらない現場に…。そんなこともよくあるのではないでしょうか?

現場職員の接遇やマナーにおいて一番影響を受けるのは「上司の振る舞い」です。新入職員や後輩は、無意識的に上司の言葉遣いや態度、表情を見ています。利用者様に丁寧に接していても、職場のスタッフに対して態度を変える、こんなことがあってはなりません。

利用者様一人ひとりを大切にするように、共に働くスタッフへの接遇が大切になります。介護現場で、最も手本になるのは「上司の接遇」です。

接遇やマナーのスタッフ教育として、利用者様と接するときもスタッフに接するときも、礼儀正しく丁寧に敬意を持って接するよう心がけましょう。

以上のポイントに加えて「リハプラン」を活用もご検討ください!サービス品質の向上を図り、事業所の満足度を高めていきましょう!

介護職員の接遇のチェックリスト

介護職員の接遇・マナーのチェックリスト

最後に、介護職員の接遇をチェックする簡易なチェックリストをご紹介します。

1つでもチェックが付いた方は、おもてなしの心が利用者様に届いていない可能性があります。日頃の姿勢を振り返ってチェックしてみましょう。

  • 人には無関心だ
  • 人と目を合わせるのが苦手だ
  • 忙しさが顔に出る方だ
  • 忙しいと走ってしまう方だ
  • いつも時間に追われている
  • 仲の良いスタッフとはアダ名で呼んでいる
  • 後輩に話しかける時はため口

まとめ

おもてなしの心を表現する介護現場の接遇・マナーのポイント

今回は、おもてなしの心を表現する介護現場の接遇・マナーのポイントをご紹介しました。介護職員の基礎知識として、接遇・マナーのほかにも医療現場からの派生でホスピタリティーという言葉もあるので、そちらも覚えておくことをおすすめします。

新入職員だけでなく、介護現場で働く私たちスタッグが、「接遇・マナー」に必要な心得を理解して、介護施設のご利用者様が落ち着く空間を提供できるように、日頃から心がけていきましょう。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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