高齢者の表皮剥離や皮下・内出血などの病気トラブルの原因と対処法について解説

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更新日:2024/04/10

介護の現場では、アザや内出血、乾燥、痒み、発赤などのご高齢者の皮膚トラブルをよく目にします。このようなご高齢者の皮膚の問題に対して、私たちスタッフはどのような対応を行えばよいのでしょうか?そこで今回は、現場で目にする皮膚トラブルのチェック方法から原因・対策方法までまとめてご紹介します。介護スタッフの基礎知識として把握しておきましょう。

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高齢者の皮膚のトラブルをチェックしよう!

日頃から私たち介護スタッフが対応しているご高齢者の皮膚は、アザがあったり、乾燥していたりとさまざな症状があります。

まず、私たち介護スタッフが行うことは、高齢者の起こりすい皮膚トラブルをチェックすることです!

  • 手や顔、足がカサカサしている
  • 手の甲や、腕、足に内出血(あざ)がある。
  • 皮膚が剥がれている⬜︎.皮膚にかゆみがある⬜︎.皮膚に痛みや赤みがある

ご高齢者の皮膚トラブルをチェックする場合は、肌の露出が多い入浴中やトイレの時にすると利用者様に精神的な負担もなく自然でよいでしょう。

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高齢者の皮膚トラブル(乾燥・表皮剥離・皮下出血など)の原因と対策方法について

ここからは、ご高齢者の皮膚トラブルについて、その原因と対策方法を考えていきましょう。 

「肌の乾燥」の原因と対策方法

ご高齢者の肌のカサカサ(乾燥)の原因は、皮脂の分泌量の低下にあります。女性では40代、男性では50代以降に著名に低下してきます。

皮脂の分泌量が減ると、刺激に弱くなり保水力が低下するため、弾力を保つコラーゲンの生成も不活発になります。そのため、皮膚の弾力が失われ、シワができたり、肌がカサカサしてしまうのです。

  • 加湿する
  • 保湿クリームを使用する
  • 入浴温度をぬるま湯にする
  • 石鹸を泡立てて、やさしく肌を洗う

「内出血」「皮膚剥離」の原因と対策方法

ご高齢者の肌のトラブルとして皮下出血や皮膚剥離(はくり)の原因は、加齢に伴い、皮の細胞が減少して代謝機能・免疫細胞が衰えるため真皮・表皮の厚みが薄くなることにあります。さらに、毛細血管も破れやすくなります。そのため、軽く掴んだりした刺激が薄くなった皮膚を通じて奥まで達しやすく、毛細血管が破れて内出血(あざ)を起こしやすくなるのです。また、抗凝固剤やステロイド剤を服用されている場合は、内出血を起こしやすくなるため注意が必要です。

そのほかにも、糖尿病や肝機能障害などの疾患が潜んでいる場合もあります。その際は、医師や看護師に確認するようにしましょう。

  • 栄養の確保(総エネルギー量、蛋白質、アミノ酸、脂質、鉄分、亜鉛、銅、ビタミン)
  • 手袋やハイソックスで外傷を予防する
  • 椅子の脚や肘掛け部分にクッションや弾性包帯を巻く
  • 保湿クリームやボディークリームを使用する
  • 洗体はやさしいタオル生地のものを使用する

「皮膚のかゆみ」の原因と対策方法

一般的に痒みがある場合、乾燥やアトピー性皮膚炎などを連想します。しかしながら、ご高齢者の皮膚トラブルとして痒みがある場合の原因は、「疥癬(かいせん)」が考えられます。

疥癬は、免疫機能が低下している場合に感染しやすくなります。そのなかでも「角化型疥癬」は、極めて小さなダニ(ヒゼンダニ)が皮膚の角質に寄生することで、人から人へと感染する病気です。

  • 飲み薬、塗り薬または、かゆみ止めを処方する
  • 角化型疥癬は、入浴では一般的に消滅しないとされています。医師に相談の上、お薬を処方していただきましょう。

参照:公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「疥癬(かいせん)」(2016年11月26日アクセス)

「皮膚の痛み」「赤み」の原因と対策方法

ご高齢者の皮膚の痛みや赤みの原因として、「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と「丹毒(たんどく)」があります。

蜂窩織炎は、皮膚の深層から皮下脂肪組織にかけて起こる化膿性感染症です。始めは、広範囲に赤く硬くなって腫れ、熱感と痛みをもちます。その後は、発熱や関節痛を伴うこともあります。

丹毒は、皮膚の浅い層の化膿連鎖球菌の感染によって起こる皮膚細菌感染症です。特に、高齢者や免疫力の低下した方に多く発症します。

  • 蜂窩織炎の治療は、抗生物質の投与で通常は2週間前後で軽快します。
  • 丹毒の治療は、ペニシリン系抗菌薬の内服または注射で軽快します。

高齢者の皮膚トラブルを早期発見しよう!

ご高齢者の皮膚の状態は、利用者様から報告されない限り日常生活の中ではなかなか目が行き届きません。そのためご高齢者の皮膚トラブルは、服を脱ぐ場合の脱衣所やトイレの場面で発見することがほどんどです。つまり、利用者様と一番身近に接している「ケアスタッフの目」が大切になるのです!

みなさんが、皮膚トラブルを早期に発見し、医師や看護師に報告することで早期に対応でき完治もしやすくなります。そんなサービスができる事業所は、家族も安心して利用者様を送り出すことができます。

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まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。ご高齢者の皮膚トラブルの原因対策方法は理解していただけましたか?

私たちスタッフが常日頃からご高齢者の皮膚状態に「気配り」「目配り」をするだけでなく、皮膚状態の変化をメモやカルテに記載し、変化を早期に発見することが重要になります。

これからもご利用者様が安心して生活できるように支援していきましょう!

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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