生活機能向上連携加算とは?目的や算定要件、対象施設について
介護保険法
2023/03/24
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基本報酬
更新日:2022/02/24
通所介護(デイサービス)の実地指導では、必須法定研修の実施については、年間研修スケジュールの有無と研修状況の実施記録が重視されます。一般的には、4月に年間の研修計画を定めて、その研修計画に沿って研修を開催して、研修実施記録を残します。集団指導は毎年、全施設を対象に行われますが、5年に1回くらいの頻度で事業所に出向いての実地指導が行われ、随時監査も行われます。通所介護の実地指導で確認することがある法定研修項目と研修の記録についてまとめました。
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この記事の目次
通所介護などの介護保険サービスは、市町村など事業所を管轄する行政機関が定期的に事業所に赴いて実地指導を行なっており、その中に法定研修の年間計画と研修記録を課しています。運営の基準に研修という項目があるわけではなく、虐待防止や衛生管理などの項目について、研修を行うということが定められているという構造になっています。
この記事では、実地指導対策という観点から、デイサービスの運営基準になっている「研修」についてどのような項目について、どのような手続きで実施して記録しておくと良いかをまとめました。
実地指導とは、通所介護などの介護サービスの適正な事業所運営が図られるように、介護保険施設等の指導監督や、各都道府県などが定めている介護保険施設等実地指導要綱などに基づき、運営指導や報酬請求指導を実施することです。
介護保険の指導監査制度では、年に1回「集団指導」として、介護保険制度や基準、報酬の過誤請求や不正事例などの共有や、指定更新などに関する事務的連絡などが行われます。
集団指導は毎年、全施設を対象に行われますが、5年に1回くらいの頻度で事業所に出向いての実地指導が行われ、随時監査も行われます。
監査という形で事業所に立ち入り調査することもありますが、監査の場合には人員基準や設備・運営基準などに基準違反や不正の疑いがあった場合に行われるものです。特に身体拘束や虐待に関わる事案の場合には、予告なく立ち入りが行われることも可能となっており、事業所としてはより一層コンプライアンス遵守に注意して運営を行なっていきたいところですね。
介護保険施設の実地指導では、大きく分けると運営面と報酬請求面の調査・指導が行われます。
運営の内容や記録資料などについて、指定基準や運営基準をもとに作成されて指導要綱に沿って、実地指導前に作成された自主点検表の確認や調査・指導が行われます。
管理者や施設職員等からの聞き取りや関係書類の確認が行われます。介護保険施設では、デイサービス含め従業者に研修の機会を設けることが要件となっており、法定研修項目については運営基準項目として扱われています。
また、現在福祉分野で課題となっている虐待防止や身体的拘束の適正化などの項目については、研修の実施状況だけでなく、実際に行われていないかや、身体拘束等が行われている場合には適正な手続きを踏んでいるかなどを重視して指導が行われる傾向があります。
介護報酬の算定について、算定基準などを満たしているか、加算・減算に関して正しい理解をしているかなどの調査・指導が行われます。
通所介護では、以下で紹介するような研修項目が必須となっています。また、この他にも施設内、外部などを交えて研修の機会を設けて従業者や管理者の資質向上に務める必要があります。
厳密にいうと、年間に下記の内容を行うという根拠は、「年間通してこのテーマの研修をすること!」というものではなく、運営基準の各項目に「必要な研修をすること」というような表現で指定されているものです。高齢者虐待防止法で定められている「身体拘束・高齢者虐待」など、必ずしも介護保険法に由来する根拠での研修ではありませんので、若干違ったテーマやタイトルでも認められれると思います。(各自治体の条例や指導要綱にしたがって指導されます。)
実地指導では、必須法定研修の実施については、年間研修スケジュールの有無と研修の実施記録が重視されます。
一般的には、4月に年間の研修計画を定めて、その研修計画に沿って研修を開催して、研修実施記録を残します。
2019年5月に厚生労働省老健局総務課介護保保険導室から「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」が示され、訪問介護、デイサービス(通所介護)、介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、 認知症対応型共同生活介護、介護老人保健施設、訪問看護の実地指導時の標準確認項目・標準確認文書を定めました。2019年以降はこちらが中心となります。(各種加算等についての確認項目については今回の標準化で触れられていませんのでご注意ください)
以下は、運営基準をもとに従来行われていた実地指導で準備しておくことが推奨されていた文書や項目についてです。2019年6月以降の実地指導では、原則は標準項目以外は求めないということになりました。
実地指導では、事前に提出資料を指定されたり、当日までに準備しておく書類や、整備しておく情報などを告げられて当日に臨むということが多いです。
原則、都道府県及び市町村は、指導対象となるサービス事業者等を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書によりサービス事業者等に通知します。 ただし、指導対象となる事業所において高齢者虐待が疑われているなどの理由により、 あらかじめ通知したのでは当該事業所の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に次に掲げる事項を文書により通知する ものとする。
各都道府県等によって、提出する書類や事前の調べてまとめておく調書の様式などは異なりますが、実地指導で調査される対象の参考として、提出することが多い書類や情報を以下にまとめます。
自主点検表
運営規程
重要事項説明書、パンフレット、契約書等
事業所の平面図
従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表、出勤簿、タイムカード等の勤務の状況がわかる資料 (実地指導月の2ヶ月前分を基本とするところが多い)
従業者の資格証
苦情処理、事故発生時における対応状況のわかる資料
研修実施状況のわかる資料
サービスの提供に関する事前調書
介護給付費請求書、介護給付費明細書(国保連請求控え)(実地指導月の2ヶ月前分を基本とするところが多い)
請求書又は領収書の控え(実地指導月の2ヶ月前分を基本とするところが多い)
緊急時、事故発生時、苦情対応等のマニュアル
前年度各月の延べ利用人数のわかる資料
居宅(介護予防)サービス計画書、サービス提供票
サービス提供の記録
利用人数・利用者の情報がわかる資料
いかがでしたか?
介護保険サービスにおける実地指導は、事業者としては大変心配なことだと思いますが、行政側もよりよい運営のための指導を行うという要素が強いものです。
無理なく技術や知識を高めていける施設の雰囲気を作っていくために、その施設で継続できる研修計画、研修内容を定めて実施していけるといいですね。
2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。
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その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。
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