福祉用具の選び方について【歩行器編】

運営ノウハウ

介護用品・福祉用具

更新日:2022/02/16

福祉用具の中でも歩行器にはどんな種類があるか知っていますか?歩行器は、歩行補助具とも呼ばれ、足腰が弱い高齢者や骨折・片麻痺など歩行障害のある方が使う道具の一つです。最近では色や形、種類も多種多様となりました。今回は、ご利用者様にとってどの歩行器が良いのか?なぜこの歩行器を使っているのか?など介護スタッフの基礎知識としてご紹介します。

歩行器の目的・種類にはどんなものがあるのか?

介護現場でよく目にする「歩行器の目的」は、疾患や疾病によるバランスの不安定さをで軽減し「転倒リスクを減らす」ことです。

人は身体を支える面積(支持基底面)が広いほど身体動作は安定します。
そのため歩行器を使用し、移動時の基底面を広くすることでバランスを保ちます。

歩行器の種類は以下のものがあります。

  1. 固定型歩行器
  2. 交互型歩行器
  3. 前輪型または四輪型歩行器
  4. シルバーカー(椅子型)

固定型歩行器のポイントを理解しよう!

固定型歩行器は、3つのポイントがあります。
移動スピードが極めて遅くなるため、屋外など移動範囲が広い場所での使用は不向きと言えます。

  1. 両手で歩行器を持ち上げて移動する
  2. 前方・側方にバランスを崩しにくい
  3. 3動作歩行(歩行器→右足→左足)で移動する

利用対象者としては、以下の2つを押さえておきましょう。

  1. 両手で歩行器を持ち上げる力がある
  2. 後方に倒れるリスクが少ない

交互型歩行器のポイントを理解しよう!

交互型歩行器は、左右のフレームが個々に動かせるものを言います。交互型歩行器の4つポイントをご説明します。

  1. フレームを左右交互に動かして移動
  2. 前方・側方にバランスを崩しにくい
  3. 2動作歩行(右フレーム+左足→左フレーム+右足)または4動作歩行(右フレーム→左足→左フレーム→右足)で移動する
  4. 常に足や歩行器が床に接地している為、安定しやすい

固定型歩行器に形状が似ていますが、歩行器を持ち上げることが無いので安定しやすくなります。しかし4動作歩行となるので、動作手順の理解が難しいことがあります。

前輪型または四輪型歩行器のポイントを理解しよう!

前輪型歩行器は前輪にキャスターが付いたもの、四輪型は四脚にキャスターが付いたものを指します。

前輪型歩行器の3つポイント

  1. 後脚を軽く挙げ、前輪を転がして移動 
  2. 四輪型に比べて操作性が高い
  3. 歩行器をコントロールする能力が必要

四輪型歩行器の4つポイント

  1. 後脚を軽く挙げ、四輪を転がして移動 
  2. 後脚に体重をかけることでストッパーが効く
  3. 操作性が高い
  4. 前輪型歩行器よりコントロールが必要

シルバーカー(椅子型)のポイントを理解しよう!

シルバーカーには椅子型やカゴ型、お盆・テーブル型などがあります。用途によって形状が様々ありますが、一般的なシルバーカーについてポイントをご説明します。

  1. 主に屋外の移動に利用する
  2. 車輪が大きく、低重心なため安定性が高い
  3. 多くの荷重が運べる
  4. 歩行器を操作する能力が必要


シルバーカーは低重量のため、段差や階段などで持ち上げることが難しくなります。用途や行き先によっては困難な場合がありますので、患者様の生活習慣や生活環境を確認し、適切なものをご提案しましょう。

歩行器を選ぶ際の評価ポイントとは

ご紹介した歩行器を選ぶ際は、ご利用者様がどのような身体機能、環境にあるかを評価・質問して選定していきましょう。

  1. 歩行器を握る指先に痛みや変形、疾患はないか
  2. 歩行器を持つ腕の力があるか
  3. 立ったときに体幹が不安定ではないか
  4. 両手を支えた状態で片脚立位はできるか
  5. 屋外移動の距離はどのくらいか
  6. 屋外移動の道路はなめらかか

まとめ

いかがでしたか。今回は、福祉用具の選び方「歩行器編」についてご紹介しました。
それぞれの歩行器のポイントを理解することで、介護現場でもご利用者様の転倒リスクの可能性や身体の状態をより把握することができます。

今回の記事を参考に、ご利用者様の目標や目的にあった「歩行器」を選定して頂ければ幸いです。

可能であれば、自分1人で考えず、専門家でもある理学療法士や作業療法士などに相談して、ご利用者様の状態に合った歩行器や運動を選定してください。

「リハプラン」では、今回紹介した運動以外にも様々の道具を使用した運動を多数ご紹介しております。皆様の毎日が充実した、輝かしい日々につながるよう、ご協力が出来ればと思っています。何かご相談などがありましたら、連絡お待ちしています。

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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