介護職員初任者研修とは?内容と資格について理解しよう

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2022/02/25

介護職員初任者研修は、訪問介護事業所に勤めている方や介護に関する最低限の知識・技術を身につけ、基本的な介護業務を実践できるようになるための基礎研修です。

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修は介護職員不足(2025年には介護職員は現在の 1.5 倍)の改善と介護福祉士になるためにキャリアアップを実現を目的に2013年度から始まりました。 老人ホームやデイサービスなどの施設、訪問ヘルパーとして働きたい人、家族に介護者がいるなど介護に初めて携わる方のための「介護入門」の研修です。

介護職員初任者研修の内容とは

介護職員初任者研修の内容は以下のカリキュラムとなっています

【介護職員初任者研修の科目】

  • 職務の理解|6時間
  • 介護における尊厳の保持・自立支援|9時間
  • 介護の基本|6時間
  • 介護・福祉サービスの理解と医療との連携|9時間
  • 介護におけるコミュニケーション技術|6時間
  • 老化の理解|6時間
  • 認知症の理解|6時間
  • 障害の理解|3時間
  • こころとからだのしくみと生活支援技術|75時間
  • 振り返り|4時間

合計 130時間

※介護職員初任者研修は、訪問介護員2級(ホームヘルパー2級)と比べると、施設実習がなくなった分演習の時間が増えています。また、新たに「医療との連携」と「認知症の理解」を新設し、今後の高齢社会を担う人材となるための入門と言えるでしょう。

介護職員初任者研修の研修費用とは

介護職員初任者研修の研修費用はおおよそ6万円前後が一般的となっています。
 

介護職員初任者研修を受けるメリットとは

(出典) 厚生労働省介護職員初任者研修 より

よりキャリアパスをわかりやすくし、介護人材の定着をはかるため、介護職員初任者研修として研修を一本化しました。
これにより介護職員初任者研修は介護士としての上級資格である「介護福祉士」としてのキャリアアップを目指すことができます。介護福祉士になるためには「実務者研修」の修了が必須条件ですが、すでに介護職員初任者研修を修了している場合は、実務者研修において免除される科目があり短時間の講習かつ受講料も安く抑えられることができるのです。
介護福祉士になることで、事業所の責任者や役職者になるなどの技術面のアップだけでなく、給与面のアップが期待できます。

参照:【介護福祉士についてもっと知りたい方はこちら】介護福祉士になるためには?仕事内容と役割を知っておこう!

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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