実務者研修とは?内容と資格について理解しよう

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2022/02/18

実務者研修とは、より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得を獲得する研修です。 サービス提供責任者になることができ、介護福祉士などのキャリアアップをしていくための研修として受講していきます。

実務者研修とは

画像出典|厚生労働省(平成23年)実務者研修より

実務者研修とは質の高い介護サービスを安定的に提供していくため、「社会福祉士及び介護福祉士法」(平成23年6月公布)により、一定の内容・質、時間数が担保されているものを修了した場合には、実務者研修の実施者の判断により科目単位での修了認定を受けることができます。

介護福祉士の受験資格

介護福祉士の国家試験を受けるためには、実務経験3年に加えて、実務者研修の修了が必要です。介護福祉士になると各事業所等での管理者になる可能性も高くなり、キャリアアップが期待できます。

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介護福祉士は、介護における専門的な知識と技能を身につけているので、現場のリーダーとして活躍することが期待されています。通所介護事業所であれば、サービス提供体制強化加算が事業所に加算されるなどのメリットがあります。詳細について見ていきましょう。

サービス提供責任者とは

訪問介護事業所では「サービス提供責任者」の設置が必要です。初任者研修の有資格者でもサービス提供責任者になることはできますが、事業所の介護報酬が30%減算となります。そのため実務者研修を受講して「実務者研修を持つ」ことで減算されることがなくなります。

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サービス提供責任は、現場の長であると同時にヘルパーやケアマネジャーと連絡を取り合いながら、要介護者に最適な介護サービスが提供されるように調整するコーディネーターでもあります。

介護技術のブラッシュアップ

医師や看護師以外には認められていなかったたん吸引や経管栄養の技術、認知症の方への関わり方など介護について専門的に学ぶことができます。
※「医療的ケア」は講義50時間とは別に演習を修了する必要があります。
※実際に行う場合は「認定特定行為業務従事者認定証」の交付を受け、実地研修を修了した行為のみ、実施が可能とされています。
 

実務者研修の期間について

実務者研修の期間は、すでに持っている資格によって研修期間が異なります。資格の有無や実務経験に関わらず誰でも受講すること可能なためこのようになっております。

実務者研修の期間
なし|450時間
ホームヘルパー3級|420時間
ホームヘルパー2級|320時間
介護職員初任者研修|320時間
ホームヘルパー1級|95時間
介護職員基礎研修|50時間

2013年度からホームヘルパー2級は「介護職員初任者研修」へ移行し、介護職員基礎研修・ホームヘルパー1級は「実務者研修」に改編されました。

参照:実務者研修について厚生労働省(平成23年)実務者研修より

実務者研修の費用とは

実務者研修の費用にはお持ちになっている資格によって、受講料が大きく違います。また、開講教室の立地状況やカリキュラムの日程、キャンペーン期間などでも異なることがありますので、実務者研修を受講されたい方は事前に確認が必要です。

また、実務者研修は通信などを利用することにより、働きながらでも受講することが可能ですので、介護でご飯を食べていきたいと思われる方は、今後のキャリアアップのためにも是非取り組んでみてください。

参照:厚生労働省(平成26年)実務者養成施設指定一覧

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

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