高齢者でも立位で簡単に出来る介護体操【初級編】 イラスト•写真付きで紹介

機能訓練

上肢

更新日:2022/02/16

デイサービスでの高齢者のリハビリや介護体操を行う上で内容の立案や選択にお困りな方はいらっしゃいませんか?胸や肩甲骨のストレッチ、バランス能力を向上させるリハビリ体操など、介護施設での集団体操やご自宅での自主訓練などにおすすめなリハビリ体操として、立って立位で出来る簡単な介護体操を、イラスト・写真付きで解説しながらご紹介をします。

立って出来る簡単!介護体操を行おう

立位姿勢は座位姿勢に比べ動きやすく、より動的な活動を提供出来ます。

今回の記事では、体の部位と難易度別に介護体操を分けてご紹介します。
ご自宅での自主訓練やリハビリ体操として取り入れてみてはいかがでしょうか。

まずは、手指の運動から始めよう!

高齢者の立位での準備体操 手首・手指のストレッチ
高齢者の立位での準備体操 手首・手指のストレッチ

まずは手指でのエクササイズです。

比較的関節や運動の負荷量としては低いものをご用意しています。準備体操のような感覚で行って頂ければと思います。

【意識するポイント】
反対側の手で負荷量を調整しましょう。 

上腕部の運動にチャレンジ!

立位で体幹や胸郭の可動性を高める高齢者向けの体操
立位で腕の筋力と肩関節の可動性を高める高齢者向けの体操

続いては上腕部のトレーニング方法をご紹介します。

この運動では、腕の筋力と肩関節の可動性が求められますので、利用者の既往歴や肩関節の可動性を評価した上で行うようにします。

【意識するポイント】
反動を使うと効果が半減しますので、ゆっくりと行うようにします。
肩をすくめたり、背中を丸めないようにします。

肩甲骨の動きを意識してストレッチしよう!

立位で肩甲骨の動きを意識してストレッチ
立位で肩甲骨の動き・上肢の可動性ストレッチ

こちらの運動は、胸や肩甲骨のストレッチ方法の紹介です。

【意識するポイント】
肩甲骨の動きをしっかりと意識し、肩をすくめないように行うことがポイントとなります。  

頸部のリハビリは注意が必要です

頸部のストレッチを通してバランス能力や姿勢制御、胸腰椎の可動性
警部のストレッチでバランス能力や姿勢制御、視野を広げる体操

こちらでは頸部のトレーニングとストレッチ方法を紹介します。

皆さんもご存知の通り、頸部には神経の束である脊髄の神経繊維束がありますので、とても繊細な部位となります。

※頚椎症や後縦靭帯骨化症、頸椎症性脊髄症、頸椎ヘルニアなどの頸椎疾患がある場合は、専門家の指導の下、行うことをおすすめします

バランス能力を向上させるリハビリ体操に挑戦しよう!

バランス能力や姿勢制御、胸腰椎の可動性の立位体操
立位バランスの評価であるFRT(ファンクショナルリーチテスト)の動作でトレーニング

続いて、体幹のトレーニング方法をご紹介します。

こちらの運動では、体幹の側屈やファンクショナルリーチテスト(FRT;Functional reach test)と言われる前方へのリーチ動作の運動です。

【運動の目的】
バランス能力や姿勢制御、胸腰椎の可動性
転倒予防
体幹筋群(腹斜筋、腹直筋、腰方形筋、脊柱起立筋、多裂筋、半棘筋)の強化

【注意点】
脊椎疾患や整形疾患、腰痛症の既往歴の有無を確認し、導入の検討をしましょう。

いかがでしたか。今回は立って出来る簡単介護体操【初級編】をご紹介しました。
座位やベッド上での運動だけでなく、少し難易度と活動性をあげた運動方法の内容となりました。

普段のリハビリ体操に取り入れて頂くのも構いませんし、ご自宅での自主訓練として活用して頂いても幸いです。

デイサービス・機能訓練指導員が活用できる「リハビリ体操・運動」関連の記事を一挙にまとめました。状況に合わせてうまく活用していただけたら嬉しく思います。記事が増えていけば随時更新していきます。

→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新​

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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