個別機能訓練加算に関する厚生労働省Q&A大全集|平成24年度版

介護保険法

個別機能訓練加算

更新日:2022/02/25

個別機能訓練加算は通所介護(デイサービス)や特養などで算定することができますが、具体的な訓練内容や時間、他の加算と併用できるのかなど様々な疑問があるのではないでしょうか?そこで本稿では、厚生労働省より提示された平成24年度版の個別機能訓練加算の『Q&A』を抜粋してご紹介していきます。

この記事の目次

問)個別機能訓練加算Ⅱの訓練時間について「訓練を行うための標準的な時間」とされているが、訓練時間の目安はあるのか。

個別機能訓練加算 Q&A 厚生労働省

答)
1 回あたりの訓練時間は、利用者の心身の状況や残存する生活機能を踏まえて設定された個別機能訓練計画の目標等を勘案し、必要な時間数を確保するものである。

例えば「自宅でご飯を食べたい」という目標を設定した場合の訓練内容は、配膳等の準備、箸(スプーン、フォーク)使い、下膳等の後始末等の食事に関する一連の行為の全部又は一部を実践的かつ反復的に行う訓練が想定される。

これらの訓練内容を踏まえて利用日当日の訓練時間を適正に設定するものであり、訓練の目的・趣旨を損なうような著しく短時間の訓練は好ましくない。なお、訓練時間については、利用者の状態の変化や目標の達成度等を踏まえ、必要に応じて適宜見直し・変更されるべきものである。

引用元:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問66(平成24 年3 月16 日)

何分という括りはなく、どういった目的や目標があるのか。そこに付随する適切な訓練時間を考慮して実施する必要があります。また、必要に応じて訓練内容や訓練時間を見直しすることが求められています。

問)個別機能訓練加算Ⅱに係る機能訓練指導員は「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置すること」とされているが、具体的な配置時間の定めはあるのか。

答)
個別機能訓練加算Ⅱに係る機能訓練指導員は、個別機能訓練計画の策定に主体的に関与するとともに、訓練実施を直接行う必要があることから、計画策定に要する時間や実際の訓練時間を踏まえて配置すること。なお、専従配置が必要であるが常勤・非常勤の別は問わない。

引用元:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問67(平成24 年3 月16 日)

「専従配置が必要であるが常勤・非常勤の別は問わない」というところがポイントとなります。つまり、機能訓練を行う時間帯に専従の機能訓練指導員が配置されていれば問題ないということになります。
 

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問)個別機能訓練加算Ⅰの選択的訓練内容の一部と、個別機能訓練加算(Ⅱ)の訓練内容がほぼ同一の内容である場合、1 回の訓練で同一の利用者が両方の加算を算定することができるのか。

答)
それぞれの計画に基づき、それぞれの訓練を実施する必要があるものであり、1 回の訓練で両加算を算定することはできない。

引用元:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問68(平成24 年3 月16 日)

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問)介護予防通所介護と一体的に運営される通所介護において、個別機能訓練加算Ⅰを算定するために配置された機能訓練指導員が、介護予防通所介護の運動器機能向上加算を算定するために配置された機能訓練指導員を兼務できるのか。

答)
通所介護の個別機能訓練の提供及び介護予防通所介護の運動器機能向上サービスの提供、それぞれに支障のない範囲で可能である。

引用元:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問69(平成24 年3 月16 日)

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問)個別機能訓練加算Ⅰの要件である複数の種類の機能訓練の項目はどのくらい必要なのか。

答)
複数の種類の機能訓練項目を設けることの目的は、機能訓練指導員その他の職員から助言等を受けながら、利用者が主体的に機能訓練の項目を選択することによって、生活意欲が増進され、機能訓練の効果が増大されることである。よって、仮に、項目の種類が少なくても、目的に沿った効果が期待できるときは、加算の要件を満たすものである。

引用元:「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問70(平成24 年3 月16 日)

目的や目標という部分にフォーカスされるものであり、運動の種類や数が問題になることはありません。

例えば、トイレ動作に問題点がある場合、トイレ動作を自立に向けて訓練する内容は立ち上がる訓練をすることや、着衣の上げ下ろしということかもしれません。ここについてなぜこのような訓練をしているのか、という説明ができれば問題ないということになります。

加算をとるための方法ではなく、利用者さんの目的に準じた訓練を行うようにしましょう。当メディア「リハプラン 」では、個別機能訓練加算Ⅰを算定している事例についていくつかご紹介しています。以下の関連記事を合わせてお読みいただき、参考にしていただければと思います。
 

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問)個別機能訓練加算Ⅰの要件である複数の種類の機能訓練の項目について、準備された項目が類似している場合、複数の種類の項目と認められるのか。

答)
類似の機能訓練項目であっても、利用者によって、当該項目を実施することで達成すべき目的や位置付けが異なる場合もあり、また、当該事業所における利用者の状態により準備できる項目が一定程度制限されることもあり得る。よって、利用者の主体的選択によって利用者の意欲が増進され、機能訓練の効果を増大させることが見込まれる限り、準備されている機能訓練の項目が類似していることをもって要件を満たさないものとはならない。

こうした場合、当該通所介護事業所の機能訓練に対する取組み及びサービス提供の実態等を総合的に勘案して判断されるものである。

※ 平成21 年Q&A(vol.1)(平成21 年3 月23 日)問49 は削除する。

引用元:平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問71(平成24 年3 月16 日)


問)通所介護の看護職員が機能訓練指導員を兼務した場合であっても個別の機能訓練実施計画を策定すれば個別機能訓練加算は算定可能か。また、当該職員が、介護予防通所介護の選択的サービスに必要な機能訓練指導員を兼務できるか。

答)
個別機能訓練加算Ⅱを算定するには、専従で1名以上の機能訓練指導員の配置が必要となる。通所介護事業所の看護職員については、サービス提供時間帯を通じて専従することまでは求めていないことから、当該看護師が本来業務に支障のない範囲で、看護業務とは別の時間帯に機能訓練指導員に専従し、要件を満たせば、個別機能訓練加算Ⅱを算定することは可能であり、また、当該看護職員が併せて介護予防通所介護の選択的サービスの算定に必要となる機能訓練指導員を兼務することも可能である。

ただし、都道府県においては、看護職員を1名で、本来の業務である健康管理や必要に応じて行う利用者の観察、静養といったサービス提供を行いつつ、それぞれの加算の要件を満たすような業務をなし得るのかについて、業務の実態を十分に確認することが必要である。

なお、個別機能訓練加算Ⅰの算定においては、常勤の機能訓練指導員がサービス提供時間帯を通じて専従することが要件であるので、常勤専従の機能訓練指導員である看護職員が看護職員としての業務を行っても、通所介護事業所の看護職員としての人員基準の算定に含めない扱いとなっている。

しかし、介護予防通所介護の選択的サービスの算定に必要となる機能訓練指導員を兼務することは、双方のサービス提供に支障のない範囲で可能である。

引用元:「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問72(平成24 年3 月16 日)

機能訓練指導員が配置されていても、個別機能訓練加算Ⅰの算定なのかⅡの算定なのかで変わってきます。この辺りの違いについては以下の関連記事で詳細に説明していますので、合わせてお読みください。

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問)平成24 年報酬改定において、個別機能訓練加算Ⅰが基本報酬へ包括化されたが、当該加算の要件である個別機能訓練計画の策定や、機能訓練指導員の120 分配置の要件を満たすなど、同等程度のサービスを行わなければ基本報酬を算定できないのか。

答)
平成24 年報酬改定前の個別機能訓練加算Ⅰの各算定要件を満たしていなくても、基本報酬は請求可能である。

(削除)
次のQ&Aを削除する。
1 平成18 年Q&A(vol.1)(平成18 年3 月22 日)問17、問43
2 平成18 年Q&A(vol.5)(平成18 年6 月30 日)問1
3 平成21 年Q&A(vol.1)(平成21 年3 月23 日)問46

引用元:「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問73(平成24 年3 月16 日)

問)通所介護における個別機能訓練加算Ⅰ又はⅡと生活機能向上グループ活動加算のそれぞれの算定要件を満たし、同じ内容の活動項目を実施する場合は、要支援者と要介護者に対し一体的に当該サービスを提供し、加算を算定できるのか。

答)
算定できない。

生活機能向上グループ活動サービスは、自立した日常生活を営むための共通の課題を有する利用者によるグループを構成した上で、生活機能の向上を目的とした活動を行うものであり、介護職員等は、利用者が主体的に参加できるよう働きかけ、同じグループに属する利用者が相互に協力しながら、それぞれが有する能力を発揮できるよう適切に支援する必要がある。

要支援者と要介護者では、状態像も課題も異なることから、共通の課題に即したグループの構成が困難なこと、介護職員等が要介護者に対応しながら要支援者にも適切に対応することが困難なことから、当該加算を算定するには、従業者及び利用者を区分する必要がある。

引用元:「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A問127(平成24 年3 月16 日)

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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