足首・ふくらはぎのストレッチに効果的な体操方法 デイサービスで座位でできる運動

機能訓練

下肢

更新日:2022/02/16

デイサービスなどの介護施設では、個別リハビリ以外にも高齢者向けに集団体操などに取り組まれています。ふくらはぎは筋ポンプの役割、歩く・走る役割があります。足・足首は立位バランスを保つ、衝撃吸収、つま先のつまづきによる転倒予防などの問題となり、ストレッチを行い効果的に柔軟性を向上させるために、椅子に座ってできる体操をリハビリの専門家の視点からご紹介していきたいと思います。  

ふくらはぎの役割とは

ふくらはぎのストレッチを行い柔軟性を高めることで、この2つの機能が働きやすくなる効果が期待できます。

  1. 筋ポンプの役割:下半身の血液を重力に逆らって心臓へ戻す働きをします
  2. 歩く・走る役割:下腿三頭筋が収縮して下肢(膝下〜足先まで)全体を前方に移動させる働きをします

足・足首の機能と役割とは

足関節・足首は、主に3つの役割・機能があるとされています。

  1. バランスを保つ役割:姿勢が崩れる際に保持する働きをします
  2. 歩く・走る役割:上半身を前方に運ぶ働き、蹴りだし時にテコの働きをします
  3. 衝撃吸収の役割:着地時の衝撃を吸収する働きをします

足・足首のストレッチを行い、柔軟性をアップことで、この3つの機能が働きやすくなる効果が期待できます。

参照:Finsole Care system「足の基礎知識」(平成28年7月19日アクセス)

デイサービスで座位でできる体操|スネ(前脛骨筋)のストレッ

座位でできる「前脛骨筋」といわれるスネに付着する筋肉をストレッチ

ではまず、デイサービス体操の「ふくらはぎ」のストレッチをご紹介していきます。

こちらの運動は「前脛骨筋」といわれるスネに付着する筋肉をストレッチしていくことが出来ます。

※前方へ転倒の危険性のある方は足をエクササイズをすることをお勧めします。

デイサービスで座位での体操|ふくらはぎ(下腿三頭筋)の柔軟性アップ

こちらの運動は「下腿三頭筋」といわれるふくらはぎの筋肉の柔軟性をアップする効果が期待できます。

効果を高めるポイントとして膝を伸ばして足首を返すようにすると良いでしょう。

※立位で行う体操の場合は、転倒に十分に注意しながら運動を行ってください。

デイサービスで座位でできる体操|足首のストレッチ

デイサービスで座位でできる体操|足首のストレッチ
デイサービスで座位でできる体操|足首のストレッチ
デイサービスで座位でできる体操|足首のストレッチ

次に、デイサービス体操の「足首」のストレッチをご紹介します。

足首には①挙げる(屈曲)、②下げる(伸展)、③外に広げる(外転)、④内に閉じる(内転)、⑤内にひねる(内反し)、⑥外にひねる(外返し)の6方向の運動があります。

こちらの運動は、足首の6方向の柔軟性を高めてくれる効果が期待できます。

デイサービスでの座位でできる体操|足の指運動パート1

こちらの運動は、足の指の機能性と柔軟性を高めてくれる運動方法になります。

細かな運動になりますので、指先以外の力を使わず、ゆっくりと大きく行いましょう。

デイサービスで座位でできる体操|足の裏・足の指運動

デイサービスで座位でできる体操|足の裏・足の指体操
デイサービスで座位でできる体操|足の裏・足の指体操

最後に足裏のストレッチになります。この運動に関してはボールを使用します。

ボールがない場合は、ペットボトルや棒を使用しても構いません。

いかがでしたか。今回は、リハビリの視点からデイサービスでの体操方法「ふくらはぎ・足首編」をご紹介させて頂きました。

そのほかにもデイサービスなどの介護施設で行える高齢者向けのリハビリ・体操・運動を色々紹介していますので、ご参考になれば幸いです。

デイサービス・機能訓練指導員が活用できる「リハビリ体操・運動」関連の記事を一挙にまとめました。状況に合わせてうまく活用していただけたら嬉しく思います。記事が増えていけば随時更新していきます。

→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新​

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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