個別機能訓練計画書の長期目標・短期目標・達成度の記入例

介護保険法

個別機能訓練加算

更新日:2023/01/19

【令和3年報酬改定対応】個別機能訓練計画書の長期目標・短期目標設定の際の情報収集の方法、具体的な記入例を紹介します。利用者や家族の希望に沿い、「利用者の意欲を引き出す具体的な目標」を設定することで、利用者の機能向上や継続した機能維持訓練につなげましょう。  

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個別機能訓練計画書とは

個別機能訓練計画書とは、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロと個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定するために必要な書類です。

個別機能訓練計画書を作成する場合は、本人の身体状況や希望、自宅環境などを考慮して「目標設定」と「プログラムの立案」を行い、本人やその家族への説明、同意を得たうえでサービスを提供します。

計画は、3ヵ月ごとに1回以上評価を行い、個別に作成していきます。作成にあたっては、機能訓練指導員などが多職種協働で個別機能訓練計画を作成することとされています。

この記事では、個別機能訓練計画書の中でも最もつまづきやすい「目標の立て方・書き方」について、詳しく解説していきます。

目標設定に重要な情報収集と評価

まず、目標設定に欠かせない「情報収集」について抑えておきましょう。

個別機能訓練計画書の目標を設定する際には、ケアマネジャーからいただく「ケアプラン」が必要です。また、厚生労働省が居宅訪問の際に活用を提示している「生活機能チェックシート(旧:居宅訪問チェックシート)」も必要になります。

利用者の日常生活や社会生活などについて、現在行っていることや今後行いたいこと(ニーズ・日常生活や社会生活などにおける役割)を把握するために、興味関心チェックシートを活用することも示されています。

それぞれのシートから利用者一人ひとりの状況、自宅環境などの情報を収集し、利用者とご家族の希望に合わない目標設定にならないよう、十分考慮したうえで計画を立てるのが大切です。

  • ケアプランからの情報収集
    ケアマネから頂くケアプランには、本人や家族から情報収集した援助の方針やニーズなどが記載されています。その方針に沿った目標を立案します。
  • 本人からの情報収集
    本人が興味あること、してみたいこと、していることを「興味関心チェックシート」を活用して情報収集します。この希望に沿って目標を立案していきます。利用者のヒアリングとニーズ把握に非常に便利で、厚生労働省も作成が推奨されているシートです。
  • 居宅訪問での情報収集
    利用者の居宅の環境(居宅での生活において使用している福祉用具・補助具などを含む)、ADL、IADL項目、居宅の環境下での自立レベル や実施するにあたっての課題について「生活機能チェックシート」を活用して情報収集します。ここの情報収集に沿って課題となる生活動作を目標として立案します。

個別機能訓練計画書の目標の立て方

個別機能訓練計画書における目標は、「長期目標」と「短期目標」の2つがあり、どちらも「参加」「活動」「機能」の3項目に分かれています。

目標は、本人やその家族の希望に沿ったものでありつつ、利用者の意欲の向上に繋がるよう、具体的な目標にすることが大切です。

長期目標の立て方と記入例

長期目標の作成ポイントは、単に「座る・立つ・歩く」といった身体機能の向上を目指す目標を記載するのではなく、「居宅状況における生活レベルの目標」「地域における社会的関係の維持に関する目標」など、具体的な生活上の行為の達成を含めた目標とすることです。

内容としては、2018年報酬改定時の個別機能訓練加算(Ⅱ)に近い内容と考えるとわかりやすいでしょう。

具体的な長期目標の例文は以下の通りです。

a 体の働きや精神の働きである「心身機能」
⇒全身の筋力の向上を図る

b ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」
⇒屋外歩行を見守りで1時間程度実施できる

c 家庭や社会で役割を果たすことである「参加」
⇒スーパーで買い物が出来る。自分で買った食材を使って料理が出来る。

長期目標が設定できたら、それをもとに短期目標を設定していきます。

短期目標の立て方と記入例

長期目標を設定できたら、長期目標を達成するために必要な行為ごとに細分化し、整理していきます。

ここでは、長期目標が「スーパーマーケットに食材を買いに行く」の場合を例に挙げて説明しています。

短期目標は、より具体的にイメージできるものにするのがポイントです。具体的な長期目標の細分化と、短期目標の例文は以下の通りです。    

<長期目標が「スーパーマーケットに食材を買いに行く」の場合>

長期目標を達成するために細分化した必要な行為
  • 買いたい物を書き記したリストを作る
  • 買い物量を想定し、マイバッグを用意する
  • スーパーマーケットまでの道順を確認する
  • スーパーマーケットまで歩いて行く
  • スーパーマーケットの入り口で買い物かごを持つ
  • スーパーマーケットの中でリストにある食材を見つける
  • 食材を買い物かごに入れる
  • レジで支払いをする
  • 買った品物を袋に入れる
  • 買った品物を入れた袋を持って、自宅まで歩いて帰る
短期目標の記載例
(機能)下肢筋力・耐久性の向上
(活動)スーパーマーケットまで歩いていける
(参加)家族と家の周りの散歩を楽しめる

機能訓練指導員が作成する個別機能訓練計画書は、概ね3月ごとに1回以上、個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果などについて利用者や家族、ケアマネジャーに説明・相談を行うことも必要であるため、意向などを確認して目標を見直ししていけると良いでしょう。

個別機能訓練計画書の目標達成度の書き方

個別機能訓練計画書の目標達成度を記載する場合は、個別機能訓練加算(Ⅰ)で立案した長期目標・短期目標について、その達成度を「達成」「一部達成」「未達成」のどれかをチェックします。

目標を達成した場合には、他にニーズが高い課題がないか、残された課題は何かなどを整理して、必要に応じて目標の見直しを行いましょう。

具体的で意欲を引き出す目標を

個別機能訓練計画書の目標設定では、「参加」「活動」「機能」の3項目に分けて目標設定するのが最も重要なポイントであり、つまづきやすい部分でもあります。

スムーズに目標設定するポイントは、情報収集をしっかり行うことです。

そのうえで、利用者やその家族の希望に沿い、「利用者の意欲を引き出す具体的な目標」を設定することが、利用者の機能向上や継続した機能維持訓練につながっていきます。

上記に挙げた「ケアプランからの情報収集」「本人からの情報収集」「居宅訪問での情報収集」は、目標設定のキモといってよい部分です。居宅訪問では利用者の希望や家族の意向をしっかりうかがっておきましょう。

ICTの利活用でサービスの質と業務効率を同時に高める

2024年の医療介護同時改定では、団塊世代の高齢化を見据え、自立支援を中心とした科学的介護の実現、そしてアウトカムベースの報酬改定に向けて変化しようとしています。

このような時流だからこそ、より一層利用者さまの自立支援に向けた取り組みが重要になります。しかし、個別機能訓練加算をはじめとした自立支援系の加算やLIFE関連加算の算定は、売上アップも見込めるとはいえ、リハビリ専門職の不在や現場負担の問題で取り組みが難しいと考える事業所も多いのではないでしょうか?

その解決策の1つが「介護現場におけるICTの利用」です。業務効率化の意味合いが強い昨今ですが、厚生労働省の定義では「業務効率化」「サービスの質向上」「利用者の満足度向上」の達成が目的であるとされています。

業務効率化だけでなく、利用者一人ひとりの生活機能の課題を解決する『デイサービス向け「介護リハビリ支援ソフト」』を検討してみませんか?

この記事の著者

リハプラン編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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