【高齢者向け】バランスボールの使い方|初心者でもできるトレーニング21選

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更新日:2024/03/14

バランスボールを購入したものの使い方がよく分からないという方はいませんか?バランスボールは、体幹やバランスを鍛えるために有効ですが、使い方はただ座るだけではありません。本稿では、7つの姿勢別にバランスボールの使い方を21種類ご紹介します。バランスボールを使って運動の幅を広げていきましょう。

バランスボールの効果とは

効果

元々バランスボールは、病院や施設でのリハビリ道具として作られたボールですが、その手軽さやダイエット効果として商品が紹介されるようになってからは一般の方にも体幹のトレーニング道具として親しまれるようになりました。

最近では、サッカーや野球などのスポーツ選手においても体幹の筋力アップやバランストレーニングの効果が高い道具として活用されています。病院の患者様や一般の方、スポーツ選手まで幅広く活用されるバランスボールの効果を簡単にご紹介します。

バランスボールの7つの効果

  1. 体のゆがみ(骨盤の傾き)を調整する効果
    バランスボールの上に座ることで骨盤の前後・左右の動きが出やすくなります。
  2. ウエストのシェイプアップ効果
    基礎代謝を上げるために必要なアウターマッスルを効果的に鍛えることができます。また腰の捻りの運動にも最適です。
  3. ヒップアップ効果
    バランス感覚を鍛えながらお尻の筋肉を鍛えることができます。
  4. 腰痛を軽減する効果
    腰痛の原因となる体のゆがみを調整するだけでなく、腰を守る体幹のインナーマッスルを鍛えることができるので腰回りをコルセットのように守ってくれる効果が期待できます。
  5. バランス感覚のアップの効果
    不安定な座面で姿勢を保ったり、動かしたりと様々な姿勢でのバランス感覚を鍛えることができます。
  6. 体幹の筋力アップの効果
    バランスボールを活用することで、体が姿勢を保とうとするため体幹筋が働きやすくなります。
  7. バランスよく体を鍛える効果
    バランスボールはバランス感覚を鍛えるだけではなく、筋力アップやストレッチ、体力など複合的にバランスよく体を鍛えることができます。

バランスボールの使い方の種類には

バランスボールの使い方の種類

バランスボールには目的別や姿勢別など様々な使い方があります。本稿では、運動初心者でも簡単に取り組める運動からアスリート向けの運動までを姿勢別のトレーニングとしてご紹介します。

バランスボールの姿勢別の使い方

  1. 座った姿勢
  2. 立った姿勢
  3. 仰向け姿勢
  4. うつ伏せ姿勢
  5. 四つ這い姿勢
  6. 横向き姿勢
  7. 上に乗る

バランスボールを初めて使う方は、まず「座る姿勢」から取り組んでいきましょう!

運動に慣れてきた方、もっと難易度を上げたい方は「立つ姿勢」→「仰向け姿勢」→「うつ伏せ姿勢」→「四つ這い姿勢」→「横向き姿勢」→「上に乗る」と段階的に取り組んでいくことをお勧めします。

バランスボールの正しい使い方と注意点

バランスボールの正しい使い方と注意点

バランスボールを使い方は姿勢によっても異なりますが、まず一般的な「座る姿勢」で活用する場合のポイントをご紹介します。

バランスボールの正しい使い方(座位)

  1. 両膝と股関節が約90度の大きさのバランスボールを選択する。
  2. ボールの中央に座る。
  3. 両足の裏を床に付ける。
  4. 両手はからだの横または、膝の上に置く。
  5. 顔は正面を向く。

バランスボールトレーニングを始める前に注意していただきたいことはこちらです。安全に運動ができるように環境も整えておきましょう。

バランスボールの活用の注意点

  1. バランスボールの空気が入りすぎていないか、または抜けていないか確認する。
  2. 転んでもぶつからないように広いスペースが確保できているか。
  3. 鋭利なもの、鈍器なものは周りにないか確認する。

バランスボールの正しい選び方とは

バランスボールの正しい選び方

これから購入を検討されている方、自分にあったサイズを探している方にバランスボールの正しい選び方をご紹介します。一般的に販売されている市販のバランスボールは、身長によってボールの大きさが推奨されています。


バランスボールを選ぶときの目安はこちら。


ボールの直径     身長

  • 45cm   →  150cm以下
  • 55cm   →  150~170cm
  • 65cm   →  165~185cm
  • 75cm   →  185cm以上

バランスボールの使い方(1) 座る×骨盤運動

バランスボールの上に座るトレーニング1

バランスボールの上に座るトレーニング2

まずこちらの運動は、バランスボールの上に座るトレーニングです。バランスボールを初めて活用する方はこちらの運動から取り組みましょう。骨盤の前後・左右の運動を促します。

期待する効果

バランスボール上に座ることで骨盤の前後・左右方向の動きを促し、骨盤傾きを調整する効果が期待できます。また、姿勢を保持しようとすることで体幹筋やバランスを鍛える効果も期待できます。

使い方のポイント

  1. 両足を床につけて安定した姿勢で行いましょう。
  2. 床面にマットを敷いたり、壁寄りで行うなど周囲の環境設定を行うと転倒時も安心して取り組めます。
  3. 初心者の方は、転倒・転落には十分注意しましょう。

バランスボールの使い方(2) 座る×バランス

バランスボールに座りながら前後・左右のバランス能力を鍛えるトレーニング1

バランスボールに座りながら前後・左右のバランス能力を鍛えるトレーニング2

こちらの運動は、バランスボールに座りながら前後・左右のバランス能力を鍛えるトレーニングです。手を床と水平に保つように意識して、できる限り手を伸ばしていきましょう。

期待する効果

バランスボール上で座った姿勢を保つことでバランス能力に効果が期待できます。また、姿勢を中心に保とうとすることで体幹筋の筋力アップにも効果が期待できます

使い方のポイント

  1. 手は床と水平を保つように意識しましょう。
  2. できる限り遠くまで手を伸ばしましょう。

バランスボールの使い方(3) 立つ×スクワット

バランスボールで太ももやお尻、背中を鍛えるスクワットのトレーニング1

バランスボールで太ももやお尻、背中を鍛えるスクワットのトレーニング2

次にここからは立って行うバランボールトレーニングです。こちらの運動は、太ももやお尻、背中を鍛えるスクワットのトレーニングです。初心者の方がスクワットをする場合、上半身が前方に倒れてしまうなど姿勢を崩してしまうことがあります。背中と壁の間にバランスボールを挟むことで正しい姿勢を意識したスクワットを実施することができます。



期待する効果

太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)お尻、背中の筋力を効果的に鍛えることができます。

使い方のポイント

  1. バランスボールが落ちないように上半身を起こして運動を行いましょう。
  2. 後方への転倒には十分に注意して実施してください。

運動初心者からスポーツをされている方まで取り組める姿勢別のハムストリングスのストレッチについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎姿勢別のハムストリングスストレッチ 全18種について

バランスボールの使い方(4) 立つ×持ち上げる

バランスボールを持った肩の筋力トレーニング

バランスボールを持った肩の筋力トレーニングです。主に肩に付着する三角筋が鍛えることができ、肩関節の動きと背中の筋力に効果が期待できます。肩と背中のエクササイズとしてオススメな運動方法です。

期待する効果

肩と背中の筋力アップに効果が期待できます。

使い方のポイント

  1. 背筋を伸ばし、息を吐きながらバランスボールを持ち上げます。
  2. 肩をすくめないように意識しましょう。
  3. バラスボールを下ろす時もゆっくり行いましょう。

バランスボールの使い方(5) 仰向け×腹筋

バランスボールでクランチと呼ばれる腹筋のトレーニング1
バランスボールでクランチと呼ばれる腹筋のトレーニング2

こちらのバランスボールのトレーニングは、一般的にはクランチと呼ばれる腹筋のトレーニングです。仰向けになりバランスボールを転がすように上半身を持ち上げることで、腹筋の上部を鍛えることができます。膝を伸ばすことで難易度を高めることができます。腹筋を鍛えたい方にオススメです。



期待する効果

主に腹直筋などの腹筋群を鍛えることができます。

使い方のポイント

  1. 息を大きく吐くことを意識しましょう。
  2. バランスボールを太ももに沿って上半身を持ち上げていきます。 

バランスボールの使い方(6) 仰向け×レッグレイズ

バランスボールでレッグレイズと呼ばれる腹筋の下部の筋力トレーニング1

レッグレイズと呼ばれる腹筋の下部の筋力トレーニング2

こちらのバランスボールのトレーニングは、レッグレイズと呼ばれる腹筋の下部の筋力トレーニングです。仰向けになりバランスボールを両足で引き寄せたり、持ち上げ運動を行います。膝を伸ばすことで難易度を高めることができます。膝の角度で難易度を調整していきましょう。

期待する効果

バランスボールを両足に挟んで負荷を与えることによって股関節の付け根から下部腹筋(腸腰筋、腹直筋)を効果的に鍛えることができます。

使い方のポイント

  1. 腰に負担がかかる運動のため、両手を腰の下に置きましょう。
  2. 足を持ち上げる時に、息を吐くように意識しましょう。

バランスボールの使い方(7) 仰向け×ヒップアップ

ップアップ

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こちらのバランスボールのトレーニングは、ヒップアップと呼ばれるお尻の筋力トレーニングです。バランスボールに両足を乗せた状態で、お尻を上げる運動を行います。さらに、両膝の間にボールを挟むと内ももに力を意識しやすくなり安定して運動を行うことができます。

期待する効果

お尻上げをすることでお尻(大臀筋、ハムストリングス)を鍛えることができます。また、バランスを保持するため下半身と体幹の働きも鍛えることができます

使い方のポイント

  1. 足と体幹が一直線上になるようにお尻を持ち上げましょう。
  2. 膝の間にボールまたはタオルを挟むと安定した運動ができます。

バランスボールの使い方(8) 仰向け×プルオーバー

バランスボール上で行うプルオーバーというトレーニング

バランスボール上で行うプルオーバーというトレーニングです。この運動では、バランスボール上に仰向けになるための胸を大きく広げることができます。胸や体幹の筋力アップだけでなく、猫背などの姿勢改善をしたい方にもオススメです。

期待する効果

  1. 小胸筋(大胸筋の深層に位置する筋)の筋力アップに効果が期待できます。
  2. 体幹の安定性を高め、バランス能力アップの効果があります。
  3. 猫背などの姿勢改善の効果が期待できます。

使い方のポイント

  1. 両足を床に設置して安定した姿勢で取り組みましょう。
  2. バランスボールの中心に体を乗せるようにしましょう。 

バランスボールの使い方(9) うつ伏せ×ダイアゴナル

バランスボールのトレーニング ダイアゴナルと呼ばれる背中の筋力トレーニング


こちらのバランスボールのトレーニングは、ダイアゴナルと呼ばれる背中の筋力トレーニングです。バランスボールの上でうつ伏せになり、体側の手足を挙げる運動です。運動が難しい方は、膝を床をつけて行うことで安定してトレーニングすることができます。

期待する効果

四つ這い姿勢で手または足を挙げることで脊柱起立筋や多裂筋などの背面筋を効果的に鍛えることができます。また、四つ這い姿勢は腹直筋や腹斜筋などの腹筋群にも効果が期待できます。

使い方のポイント

  1. 手足を上げる際に、背中が反らないように意識しましょう。
  2. 手足を上げる際に、息を吐くようにしましょう。

多裂筋の姿勢別のトレーニングとストレッチについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎多裂筋とは|腰痛に効果的なトレーニングとストレッチ【全12種】

バランスボールの使い方(10) うつ伏せ×捻る運動

バランスボールの上でうつ伏せになり上半身を捻る運動



こちらのバランスボールのトレーニングは、ボールの上でうつ伏せになり上半身を捻る運動です。運動が難しい方は、両膝を床につけて行いましょう。



期待する効果

両手を広げて上半身を捻ることで脊柱起立筋や回旋筋と呼ばれる背中のアウターマッスルを効果的に鍛えることができます。

使い方のポイント

  1. 上半身を捻る際に、背中が反らないように意識しましょう。
  2. 腰への負担が強くなるため腰痛をお持ちの方は運動を控えるようにしましょう。

立位バランス評価の種類と測定方法の基礎知識」など参考にバランス機能を評価しながら効果的なバランストレーニングにしましょう!

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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