地域包括支援センターとは 役割や業務について詳しく紹介

地域包括支援センターの役割や業務について紹介します。法律上介護保険法で「地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行い、保険医療の向上・福祉の増進を包括的に支援する施設」と定義され、3職種の保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員が役割分担し介護予防支援、包括的支援事業などの業務、制度横断的な連携ネットワークを構築をしています。

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この記事の目次
 

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは、「地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設」(介護保険法 第115条の45)です。高齢者が住み慣れた地域で安心して過ごすことができるように、包括的および継続的な支援を行う地域包括ケアを実現するための中心的役割を果たすことが 地域包括支援センターに求められています。

地域包括支援センターの役割や業務を簡単に説明すると・・・

地域包括支援センターは「包括」という言葉が入っているように、ひとまとめにいろいろやっている組織になっています。簡単に説明するのは難しいのですが、デイサービスなど実際に業務上関わる人で最低限知っておきたいこととしては、

地域包括支援センターは市町村が設置している施設で、要支援・事業対象者などの介護予防ケアマネジメントを行うこと、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などが地域で暮らす高齢者の生活や権利をサポートするネットワークを回す役割や、ケアマネージャーの相談役として難しいケースなどについて一緒に考えることなどを行っている施設

ということです。この記事では細かく紹介していきます。

 

地域包括支援センターの設置の根拠法律と定義

地域包括支援センターの設置の根拠法律

地域包括支援センターを設置する根拠となっている法律・法令には、以下のような条項が当てはまります。またその中で地域包括支援センターについての定義が示されています。

介護保険法 第115条の45 地域支援事業の実施

介護保険法の地域支援事業の実施の条項で「市町村は、住民が要介護状態となることを予防し、要介護状態となった場合でも可能な限り地域で自立した生活ができるように支援する」とされています。

介護保険法 第115条の46 地域包括支援センターの設置

介護保険法の地域包括支援センターの設置の条項で、地域包括支援センターは「地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行い、保険医療の向上・福祉の増進を包括的に支援する施設」と定義されています。

 

地域包括支援センターの役割と機能

地域包括支援センターの役割の図

地域包括支援センターの役割と機能について紹介します。

まずは、地域包括支援センターの事業内容についてまずは簡単にわかりやすい部分をみてみましょう。

地域包括支援センターの主な業務は ①介護予防支援 ②地域支援事業 ③任意事業に分かれます。

 

介護予防支援事業とは 地域包括支援センターの役割・業務

地域包括支援センターの役割・業務である「介護予防支援事業」とは、総合事業対象者、要支援1、要支援2の軽度者に対して、自宅で介護予防のためのサービスを適切に利用できるよう、ケアプラン(介護予防サービス計画)の作成や、サービス事業所との連絡・調整などを行うことです。

 

地域支援事業とは 地域包括支援センターの役割・業務

地域包括支援センターの役割・業務である「地域支援事業」とは被保険者が要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合においても、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援する」 ためのものと定義されています。

地域支援事業には、包括的支援事業として ①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、 ④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務 の4つの業務があります。

一次予防事業 介護や支援を必要としていない人も含めて、すべての人を対象に生活機能の維持や向上を図る

二次予防事業 要支援や要介護状態になる可能性が高い特定高齢者の対応要支援や要介護状態である高齢者には改善や重度化することを防ぐ(介護予防・日常生活支援総合事業を含む)

具体的には、要介護認定や要支援認定を受けているかいないかに関わらず、地域の住民に対して行われる介護予防に関するパンフレットなど、情報の提供 、ボランティア活動などを活用した介護予防活動の支援、通所型介護予防事業 、訪問型介護予防事業などがあります。

日常生活総合事業の通所型サービスについては、「介護予防通所介護の運営基準(総合事業における通所介護相当サービス)まとめ」で紹介しています。

 

任意事業とは 地域包括支援センターの役割・業務

地域包括支援センターの役割・業務である「任意事業」とは、介護給付等適正化事業 ・家族介護支援事業 ・その他の事業などです。

 

多面的支援の展開と地域包括支援ネットワークの構築

地域包括支援センターは、いろいろな相談を受け、制度横断的に支援を展開していきます。そのために、行政機関、保健所、医療機関、児童相談所などの期間のほか、地域の介護サービス事業者や家族、成年後見関係者、地域権利擁護、医療サービス、生活支援サービス、ヘルスサービス、法律家、ボランティア、民生委員、介護相談員、自治会、一般住民など幅広い人的資源の支援のネットワークをつくり、専門的な支援や相談が必要な人に円滑につなぎます。

インフォーマルサービスについては「介護保険外サービスの種類と地域包括ケアでの重要性」で。

 

地域包括支援センターの職種の配置

地域包括支援センターの職種の配置 人員要件

地域包括支援センターには、包括的支援事業に係る人員基準、介護予防支援の人員基準があります。

第1号被保険者(65歳以上の高齢者) 3000人~6000人ごとに、保健師、 社会福祉士及び主任介護支援専門員 (準ずる者を含む)を最低限それぞれ 各1人以上とされています。しかし、三職種の確保が困難である等の場合、この人員が準ずる者として、以下を配置することもできることとされています。

保健師の人員要件

地域包括支援センターには人員要件で保健師の配置が必要となっています。

保健師に準ずる者として、地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師でも可能とされています。なお、この経験のある看護師には准看護師は含まないものとされています。

社会福祉士の人員要件

地域包括支援センターには人員要件で社会福祉士の配置が必要になっています。

社会福祉士に準ずる者として、福祉事務所の現業員等の業務経験が5年以上または介護支援専門員の業務経験が3年以上あり、かつ、高齢者の保健福祉に関する相談援助業務に3年以上従事した経験を有する者も可能とされています。

社会福祉士について詳しくは「社会福祉士とは?仕事内容と役割について知っておこう」の記事で紹介しています。

 

主任介護支援専門員の人員要件

地域包括支援センターには人員要件で主任介護支援専門員の配置が必要になっています。

主任介護支援専門員に準ずる者として、「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」(平成14年4月24日付け 老発第 0424003 号厚生労働省老健局長通知)に基づくケアマネジメントリーダー研修を修了し、介護支援専門員としての実務経験を有し、かつ、介護支援専門員の相談対応や地域の介護支援専門員への支援等に関する知識及び能力を有している者も可能とされています。

介護支援専門員の資格については、「ケアマネージャーになるには?受験資格から試験内容をご紹介」で詳しく紹介しています。


地域包括支援センターの業務

地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチー ムアプローチにより、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉 の増進を包括的に支援することを目的とする施設です

地域包括支援センターの主な業務は介護予防支援地域支援事業任意事業に分かれます。

 

地域包括支援センターの介護予防支援の具体的業務

介護予防支援事業とは、総合事業対象者、要支援1、要支援2の軽度者に対して、自宅で介護予防のためのサービスを適切に利用できるよう、ケアプラン(介護予防サービス計画)の作成や、サービス事業所との連絡・調整などを行います。

介護予防ケアプラン(介護予防サービス計画)の作成

地域包括支援センターはケアプラン(介護予防サービス計画)の作成

地域包括支援センター(介護予防支援事業所)のケアマネジャーが、心身の状況や生活環境、本人や家族の希望等に沿って、介護予防ケアプラン(介護予防サービス計画)を作成する役割を担います。

介護予防サービス事業所の連絡・調整

地域包括支援センター(介護予防支援事業所)のケアマネジャーは、介護予防ケアプラン(介護予防サービス計画)に位置づけたサービス事業所や、施設などとの連絡・調整を行う役割を担います。

 

地域包括支援センターの包括的支援事業の4つの業務

地域包括支援センターが行う地域支援事業には、包括的支援事業として ①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、 ④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務 があり、制度横断的な連携ネットワークを構築して実施しています。

介護予防ケアマネジメント業務

介護予防ケアマネジメント事業は、二次予防事業の対象者(主として要介護状態等となるリスクの高い状態にあると認められる65歳以上の者)が要介護状態になることを予防するため、その心身の状況等に応じて、対象者自らの選択に基づき、介護予防事業その他の適切な事業が包括的かつ効率的に実施されるよう必要な援助を行うものです。 高齢者のできる力とその限界を見極めて、できる力を引き出し、活動や参加をしやすい好循環を作ることを目指します。

総合相談支援業務

総合相談・支援事業は、地域に住む高齢者に関するいろいろな相談を全て受け止め、適切なサービス、機関、制度などの情報を提供し、必要に応じて紹介などを行って継続的にフォローします。業務内容としては、 総合相談、地域包括支援ネットワーク構築、実態把握などがあります。

緊急レベル別の相談内容と対応

地域包括支援センターでは、高齢者などに関わる色々な相談を受ける中で緊急の対応が必要な内容もあります。例えば専門的・継続的な関与が必要だと判断される相談や緊急対応が必要だと判断される相談などがあります。緊急度の高い内容に対する対応としては、関係機関に繋ぐことや、家族などが対処できない問題に直面している状況に対して危機介入、事例ごとに対応できるチーム編成などの対応を行います。

権利擁護業務

権利擁護事業は、住み慣れた地域で尊厳ある生活と人生を維持することができるように支えていくことです。高齢者に本人の持っている権利を理解してもらうこと、権利侵害の予防・発見、権利保障に向けた対応を行います。

高齢者虐待への対応

高齢者虐待防止法では、以下の5つが虐待として明示されています。

① 身体的虐待
② 介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)
③ 心理的虐待
④ 性的虐待
⑤ 経済的虐待

成年後見制度の対応

成年後見制度とは、判断の能力が不十分な高齢者など(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など)を保護する制度です。契約締結などの法律行為で意思決定が困難な高齢者について、不十分な判断能力を補って、本人が損害を受けないようにし、本人の権利が守られるようにします。

 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

包括的・継続的ケアマネジメント業務とは、多様な生活課題を抱えている高齢者が地域で安心してその人らしい生活を継続するために、高齢者や家族が課題に応じたあらゆる社会資源を適切に活用できるように包括的・継続的に支援することです。そのために、地域包括支援センターでは、居宅介護支援事業所の介護支援専門員がケアマネジメントを継続的に実践していけるよう自立支援的なケアマネジメントの支援や、困難事例等への指導・助言、地域ケア会議の開催などを行います。

関連記事; 自立支援介護とは

 

まとめ

地域包括支援センターは、市町村の介護福祉行政を担う公益的な機関であり、公正で中立な事業運営を行っています。地域のサービス提供体制を支える中核的な存在であり、地域が抱える課題の解決に積極的に取り組んでくれる施設です。

デイサービスなどでは、要支援の方のケアプランを作ってくれるところというイメージはあると思いますが、そのほかにもいろいろな相談に乗ってくれ、自分たちで対応しきれない時には地域のネットワークを活かして適切な助言をもらえるかもしれません。

 

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著者プロフィール

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作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事。現在は、通所介護事業所(デイサービス)を中心に介護の経営および現場指導に取り組んでいる。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの専門的な資格を生かし、高い技術を介護現場に普及している。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせた実績の持ち主。

〜筆者の想い〜
平成27年度の介護報酬マイナス改定から介護保険制度は大きく変化しようとしています。特に、平成30年度の介護報酬改定後は、行政の実地指導・監査が厳しくなることが予想されます。そこで、介護経営の基本となる「介護保険法」と「介護サービスの種類」「介護報酬改定の動向」について解説します。

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