デイサービススタッフ・機能訓練指導員が理解しておくべき「変形性膝関節症」の概要とリハビリの基本

デイサービスに通われるご利用者の方々に多い「変形性膝関節症」。変形性膝関節症はOAと略されてよく呼ばれるのですが、状態が酷くなり歩くことも困難となれば、人工関節手術が適応となる場合もあります。変形した骨を戻すことは難しいですが、リハビリ・補助具・環境調整などで対応することが可能となります。今回この記事では、変形性膝関節症の概要と基本的なリハビリの方法について解説をしていきます。

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人の体は当たり前ですが経年劣化していきます。当然といえば当然なのですが、その中でも膝の痛みを感じる方は男女ともに非常に多いです。

例えば、半月板損傷や靭帯損傷、単純に筋肉系が原因となる膝の痛み。等々、膝に痛みを起こす怪我や病気は多いのですが、ご高齢の方に特に多いのが「変形性膝関節症(OA)」です。

膝のOAはデイサービスに通われる利用者さんの中にも非常に多い疾患の1つであり、デイサービススタッフ及び機能訓練指導員は基本的な部分を理解しておくと、適切なケアをできるのではないでしょうか。

この記事では、変形性膝関節症の概要と基本的に行われるリハビリの方法についてお伝えして参ります。

 

変形性膝関節症(膝OA)とは?

変形性膝関節症(以下、膝OA)を簡単に説明しますが、変形してしまう原因は「クッション作用になっている軟骨が損なわれる」ということになります。

場合によっては軟骨はほとんどなくなってしまい、その軟骨は再生することがなくなるため、膝のクッション性がないまま生活することを余儀なくされます。その状態が長い時間続くと「骨膜(こつまく)」という場所が傷ついてしまい、それが原因で強い痛みを感じるということになります。

よく「軟骨がなくなるから痛い」と言われたりしますが、根本的には骨膜が傷つくから痛い。と理解していただければと思います。

 

変形性膝関節症の原因と症状

変形性膝関節症は、デイサービススタッフ・機能訓練指導員が理解しておくべき「脊椎圧迫骨折」の概要とリハビリの基本という記事でも書いたのですが、圧迫骨折と同様に骨粗鬆症が原因となることが多いので、男性よりも女性の方に多いという特徴をもちます。

また、日本人に非常に多いと言われており、その背景は昔ながらの農作業などの職業と関連しているとも言われています。例えば畑仕事であれば、足腰の曲げ伸ばしを1日に何度も行いますが、この繰り返しは膝関節への機械的なストレスが大きいので膝への影響が大きくなります。腰も同様です。

膝OAの特徴的な症状は、"膝の内側が痛い"ということです。また、立ち上がり時に痛く、歩き始めが痛いというのも特徴的です。

見た目としても非常に特徴的で、いわゆるO脚になります。O脚になってしまい、膝が伸び切らなくなって拘縮がすすんでしまうというのもOAの特徴です。

基本的には体重が膝にかかった時が一番痛いので、安静時に痛みを訴えることはあまりありません。もし安静時に痛みが消えない、もしくはズキズキ痛みが増強するようなことがあれば他の影響も考える必要があります。

ですが、安静時は自律神経の副交感神経が働いてリラックス状態になることから、日中には感じない痛みを夜寝るときに感じるケースというのもあります。

この辺はだいぶ専門的になってきますので、詳細は割愛させていただきます。

 

変形性膝関節症の基本的なリハビリ方法

膝OAの場合、膝そのものではなく、筋肉に原因がある場合があります。このような場合は原因となっている筋肉をしっかりとケアする必要があります。

また、一般的によく行われる筋力トレーニングとしては、大腿四頭筋を鍛える方法です。

大腿四頭筋・腸腰筋 SLR

① 仰向けに寝た状態で、足を伸ばしたまま持ち上げる。

② 腰痛がある場合は、もう一方の膝を立てて実施する。

写真では足を高く持ち上げていますが、床から10㎝〜15㎝程度持ち上げた状態でキープすると、より大腿四頭筋が鍛えられます。また、この運動は腸腰筋を鍛えることもできます。

【関連記事】

腸腰筋ストレッチの4つの効果と難易度別の10種の運動方法をご紹介



大腿四頭筋 トレーニング
① 椅子に腰掛け、ひざ下に手をあてて片方の足を持ち上げます。

大腿四頭筋トレーニング

② ゆっくりと膝を伸ばし、膝裏を手に押し付けるようにしてください。つま先を上に持ち上げると、より効果的に大腿四頭筋を鍛えることができます。

画像出典:セルフボックス

 

膝OAの場合におすすめの補助具としては、膝OA用のサポーターです。サポーターといっても強度に違いがあり、柔らかいもの・しっかり締めるものとあり、痛みの状況に応じて区別していく必要があります。

また、個人的に筆者がおすすめしたいのが、足アーチ用のサポーターです。膝なのに何で足?と思われるかもしれませんが、OAの方は足元が崩れていることも多いです。

足アーチがうまく機能していない場合は、膝への負担も増えます。逆に、膝が悪くなったことで足アーチがうまく機能しなくなるということもあります。

つまり、いずれにしても膝への影響はあるため、膝サポーターだけではなく足アーチをサポートするサポーターは有効だと言えます。ここではあまり詳しく説明しませんが、場合によっては靴に中敷き(インソール)を入れることも足アーチを整えるという点では効果的です。合わせて検討してみるのも良いと思います。

歩くことが困難になるくらい重症化してしまう場合は、サポーターに加えて杖を使用するようにしてください。杖も種類によって違いはありますが、杖を使用することで膝への負担を減らすことができます。

 

まとめ

この記事は、デイサービススタッフ及び機能訓練指導員が理解しておくべき「変形性膝関節症」の概要と基本的なリハビリについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。

デイサービス利用者の方で膝OAの方は非常に多いと思います。この記事が少しでもデイサービス運営に役立てる内容だと嬉しく思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

デイサービススタッフ・機能訓練指導員向け「疾患別リハビリ」についての記事はこちら

デイサービススタッフ・機能訓練指導員が理解しておくべき「脊椎圧迫骨折」の概要とリハビリの基本

デイサービススタッフ・機能訓練指導員が理解しておくべき「大腿骨頸部骨折」の概要とリハビリの基本

デイサービススタッフ・機能訓練指導員が理解しておくべき「パーキンソン病」の概要とリハビリの基本

デイサービススタッフが理解しておくべき「サルコペニア」と「フレイル」について

 

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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