通所介護(デイサービス)の運営基準と実地指導対策

通所介護(デイサービス)の新規開業・新規開設・営業開始を考えていらっしゃる事業者の皆様のために、運営基準やその注意点についてまとめました。運営基準とは、介護保険法や各自治体で通所介護事業所の規模、営業時間、料金、業務内容、記録など、さまざまな要件についてまとめられているものです。あらかじめ自主点検表などの具体的な実地指導項目について学習し、常に気を配っておくことが必要です。 指定取り消しや返金・返還にならないために、確認しておきましょう!

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通所介護(デイサービス)の運営基準とは

通所介護(デイサービス)の運営基準とは

運営基準とは、介護保険法や各自治体で通所介護事業所の規模、営業時間、料金、業務内容、記録など、さまざまな要件についてまとめられているものです。
事業形態ごとに明確に定められているこの運営基準を満たし続けることで、介護保険サービス事業者としての指定を受け、介護保険からの介護報酬を受けられるものとなっています。
この運営基準を満たさない状態での運営は、運営基準違反となり、行政による実地指導や監査の際に改善命令や介護報酬の返戻返還、事業所の指定取り消しなどを受ける可能性があります
この記事では、通所介護事業所で注意すべき運営基準の項目・要件について紹介します。

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通所介護の基本方針

通所介護の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものと定義されています。この方針に沿った事業運営になっているかが最重要であり、運営基準が定められています。

勤務体制・必要人員の確保

通所介護の介護保険サービス事業者は、指定を受けるために従業員の職種ごとの勤務時間、勤務体制が運営基準で明確に定められています。 
通所介護では、生活相談員員、介護職員、看護職員(看護師・准看護師)、機能訓練指導員、管理者の職種が運営基準上の必要人員要件に定められていて、職種に応じた業務の内容、勤務体制、勤務時間が含まれます。 また、従業員のスキルアップのため、研修機関が実施する研修や当該事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することも求められています。

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定員の遵守

通所介護の運営基準では、利用定員に応じ、サービスを提供する建物の広さや従業員の配置人数などが決まっています。サービス水準を維持するため、災害などでやむをえない場合を除き、利用定員を超えるサービス提供は行なわないことが義務付けられています。月平均のご利用者数が定員を超える場合、介護報酬の減算の対象となります。

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内容及び手続の説明及び同意

通所介護の運営基準では、サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者やご家族に対し、利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項について、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行います。利用申込者に対して、運営規程の概要、職員の勤務体制、苦情処理体制、事故発生時又は緊急時の対応、第三者評価の実施状況などについて説明し、同意を得た上でその文書を交付します。

 

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通所介護計画

通所介護の運営基準では、デイサービスの管理者は、ご利用者の心身の状況や本人の希望、家族関係や住環境を踏まえた上で通所介護計画を作成しなければなりません。通所介護計画には、ご本人の状態や希望などを反映するとともに、ケアマネージャーの作成する居宅介護計画(ケアプラン)の援助の方針やニーズをもとに、その目標を達成するための具体的なサービスの内容の記載も必要です。

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利用料金

通所介護の運営基準では、利用者の希望で、通常のサービス提供地域を超えて送迎したり、保険内時間を超えてサービスを行うこともあります。 

その場合の送迎費や延長時間にかかるサービス費用、昼食代やおむつ代といった個人の消費分、その他日常生活のための物品費用について、料金表などにあらかじめ定めておく必要があります。

【参考記事】 平成30年度報酬改定後 事業所規模に応じた料金表

地域密着型通所介護 料金表

通常規模型通所介護 料金表

大規模型通所介護(Ⅰ)料金表

大規模型通所介護(Ⅱ)料金表

 

サービスの提供の記録の整備

通所介護の運営基準では、サービスを提供した際には、サービスの提供日及び内容、利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額その他必要な事項を、利用者の居宅サービス計画を記載した書面(サービス利用票等)に記載して2年間記録を残す義務があります。
通所介護の記録の内容とは、指定通所介護の提供日、サービスの内容、保険給付の額、その他必要な事項とされています
通所介護計画は定期的に見直し、見直しの根拠となるアセスメントや、それまでの変更が分かるように保管しておきます。 
そのほかにも、苦情についての記録、事故報告や改善策などの記録、身体拘束に該当する行為を行なっている場合にはその記録を整備しておくことが定められています。

事業所の運営規程の整備

通所介護で定められている運営基準には、上記で紹介したよりもたくさんの項目があります。
これらの基準を遵守することを具体的に事業所ごとに明記し、運営規程を作成することが必要です。
運営規程には、次の事項を定めるものとします。
ア 事業の目的及び運営の方針
イ 従業者の職種、員数及び職務の内容
ウ 営業日及び営業時間
エ 指定通所介護の利用定員
オ 指定通所介護の内容及び利用料その他の費用の額
カ 通常の事業の実施地域
キ サービス利用に当たっての留意事項
ク 緊急時等における対応方法
ケ 非常災害対策
コ その他運営に関する重要事項

また、事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、通所介護従業者の勤務の体制、その他の利用申込者のサ-ビスの選択に資すると認められる重要事項を掲示することが求められています。

個別機能訓練加算など各種加算についての基準

介護報酬や介護保険施設のサービスについては、基本報酬+加算という形の設計をされています。もし、個別機能訓練加算などの加算を算定する場合には、基本的な運営基準に合わせて加算算定のための算定要件を満たすための人員やサービス提供、必要書類などがあります。

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運営内容に変更がある際の変更申請書の提出

通所介護事業所や、運営法人に変更がある場合には、届出が必要で、以下のような内容の変更がある時に変更届出書を提出する必要があります。

ア 事業所の名称及び所在地
イ 申請者の名称及び主たる事務所の所在地並びにその代表者の氏名、生年月日、住所及び職名
ウ 申請者の定款、寄附行為等及びその登記事項証明書又は条例等(通所介護事業に関するものに限る。)
エ 事業所(当該事業所の所在地以外の場所に事業の一部を行う施設を有するときは、当該施設を含む。)の平面図及び設備の概要
オ 事業所の管理者の氏名、生年月日、住所及び経歴
カ 運営規程
キ 居宅介護サービス費の請求に関する事項
ク 役員の氏名、生年月日及び住所

通所介護(デイサービス)の運営基準を満たすための注意点

運営基準は、介護報酬を受けるための必須要件であり、実地指導などでも細かくチェックされます。
通所介護施設を開業するときの新規開設の要件もありますが、運営基準は運営している限り、常に満たし続ける必要があり、運営基準を満たせていない状態の時には満たせていない場合には規模縮小、減算、指定取り消しなどの対象になります。 
デイサービスを開業すると、日々の業務に追われて忘れがちになってしまいますが、運営基準の項目は多いので自治体が発行している「自主点検表」などを使って不備がないか定期的に確認しましょう。

運営基準を満たし実地指導で指定取り消しや返金・返還にならないために

実地指導では、運営基準をベースに細かく基準に合致した健全運営ができているかをチェックします。
自治体から改善命令を出され、その後も改善が見られない場合は事業者指定が取り消される恐れがあります。 
改善ができない場合や、運営基準に対する理解が不十分なときには、介護保険報酬や加算などを返戻・返還することもあります。 

人員基準の違反も、指定の取り消し事由に該当します。 

運営基準では月ごとの勤務表(シフト表)の作成と保管が明記されています。

原則として勤務表には、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員、看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務関係等(サービス提供時間帯の途中で同一職種の従業者と交代する場合には、それぞれのサービス提供時間)を明確にする必要があり、これらが明確にわかるシフト表ならば指定の書式でなくても良いとされています。 

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デイサービスの運営基準のまとめ

以上のように、デイサービスの運営基準にはたくさんの項目があり、これらを満たすことにより介護報酬を受けられる事業所としての指定を受けています。 
運営基準の注意点としては、あらかじめ自主点検表などの具体的な実地指導項目について学習し、常に気を配っておくことが必要です。 

 

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著者プロフィール

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作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事。現在は、通所介護事業所(デイサービス)を中心に介護の経営および現場指導に取り組んでいる。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの専門的な資格を生かし、高い技術を介護現場に普及している。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせた実績の持ち主。

〜筆者の想い〜
平成27年度の介護報酬マイナス改定から介護保険制度は大きく変化しようとしています。特に、平成30年度の介護報酬改定後は、行政の実地指導・監査が厳しくなることが予想されます。そこで、介護経営の基本となる「介護保険法」と「介護サービスの種類」「介護報酬改定の動向」について解説します。

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