看護体制加算とは

看護体制加算とは、利用者のため看護師を配置した場合に短期入所生活介護や特養などで算定できる加算です。平成30年度介護報酬改定では現行の加算に加え、利用者の重症度に応じた加算が新設されました。今回は新設された看護体制加算の算定要件や単位数、Q&Aまでまとめてご紹介します。

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看護体制加算とは

看護体制加算とは、利用者の健康や安全管理のため看護師を配置した場合に算定できる加算のことをいいます。 今回、平成30年度介護報酬改定により看護体制加算Ⅲ看護体制加算Ⅳが新設されました。看護体制加算Ⅲ・看護体制加算Ⅳは、中重度の高齢者の積極的な受け入れを促進する等の観点から、現行の看護体制加算Ⅰ・看護体制加算Ⅱの算定要件である体制要件に加えて、利用者のうち要介護3以上の利用者を70%以上受け入れる事業所について、新たに評価され算定が可能となりました。

厚生労働省(2018)「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

平成30年度6月25日アクセス

看護体制加算の単位数

看護体制加算の単位数は以下の通りです。看護体制加算Ⅲ・看護体制加算Ⅳについては今回の介護報酬改定により新設された加算となります。

 

単位数

看護体制加算(Ⅰ) 

4単位/日

看護体制加算(Ⅱ)

8単位/日

看護体制加算(Ⅲ)イ

12単位/日(新設)

看護体制加算(Ⅲ)ロ

6単位/日(新設)

看護体制加算(Ⅳ)イ

23単位/日(新設)

看護体制加算(Ⅳ)ロ

13単位/日(新設)

厚生労働省(2018)「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

平成30年度6月25日アクセス

看護体制加算の算定要件

看護体制加算の算定要件については以下の通りです。

 

算定要件

看護体制加算(Ⅰ) 

常勤の看護師1名配置

看護体制加算(Ⅱ)

加算(Ⅰ)の算定要件に加え、看護師と24時間連絡がとれる体制が必要

看護体制加算(Ⅲ)イ

加算(Ⅰ)の算定要件を満たし、定員要件が29人以下

看護体制加算(Ⅲ)ロ

加算(Ⅰ)の算定要件を満たし、定員要件が30人以上50人以下

看護体制加算(Ⅳ)イ

加算(Ⅱ)の算定要件を満たし、定員要件が29人以下

看護体制加算(Ⅳ)ロ

加算(Ⅱ)の算定要件を満たし、定員要件が30人以上50人以下

※看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)については「前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100 分の70以上であること」が必要となります。

看護体制加算ⅠⅡの同時算定

看護体制加算の同時算定について、以下の場合には注意が必要です。

○看護体制加算(Ⅲ)及び看護体制加算(Ⅳ)を同時に算定することは可能

○看護体制加算(Ⅰ)及び看護体制加算(Ⅲ)を同時に算定することは不可

○看護体制加算(Ⅱ)及び看護体制加算(Ⅳ)を同時に算定することは不可

厚生労働省(2018)「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

平成30年度6月25日アクセス

看護体制加算対象事業所

看護体制加算が算定できる事業所は短期入所生活介護(ショートステイ)や介護老人福祉施設(特養)です。介護予防短期入所生活介護は含まれないので注意が必要です。

看護体制加算のQ&A

(問42)

看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の算定要件について、前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が70%以上であることが必要であるが、具体的な計算方法如何。

(答)

看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の算定要件である要介護3以上の割合については、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定する。

例えば、以下の例の場合の前3月の平均は次のように計算する(前年度の平均計算についても同様に行う)。

 

要介護度

利用実績(単位:日)

  1月 2月 3月

利用者1

要支援2

7 4 7

利用者2

要介護1

7 6 8

利用者3

要介護2

6 6 7

利用者4

要介護3

12 13 13

利用者5

要介護3

8 8 8

利用者6

要介護3

10 11 12

利用者7

要介護3

8 7 7

利用者8

要介護4

11 13 13

利用者9

要介護4

13 13 14

利用者10

要介護5

8 8 7

要介護3以上合計

70 73 74

合計(要支援者を除く)

83 85 89

①利用実人員数による計算(要支援者を除く)

・利用者の総数=9人(1月)+9人(2月)+9人(3月)=27人

・要介護3以上の数=7人(1月)+7人(2月)+7人(3月)=21人

したがって、割合は21人÷27人≒77.7%(小数点第二位以下切り捨て)≧70%

②利用延人員数による計算(要支援者を除く)

・利用者の総数=83人(1月)+85人(2月)+89人(3月)=257人

・要介護3以上の数=70人(1月)+73人(2月)+74人(3月)=217人

したがって、割合は217人÷257人≒84.4%(小数点第二位以下切り捨て)≧70%

上記の例は、利用実人員数、利用延人員数ともに要件を満たす場合であるが、①又は②のいずれかで要件を満たせば加算は算定可能である。

・なお、利用実人員数による計算を行う場合、月途中で要介護状態区分が変更になった場合は月末の要介護状態区分を用いて計算する。

厚生労働省(2018)「平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)

平成30年度6月25日アクセス

まとめ

今回は看護体制加算について算定要件からQ&Aまでまとめてご紹介しました。 今回新設された看護体制加算(Ⅲ)・看護体制加算(Ⅳ)は、介護サービスを必要とする中重度の高齢者の受け入れの促進が求められている結果だと思います。ショートステイの現状として要介護3以上の利用者も多いため、今回の介護報酬改定は事業所と利用者、両者にとってプラスとなるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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