認知症専門ケア加算とは

認知症専門ケア加算とは認知症介護について専門研修を修了した者が介護サービスを提供した場合に、特養やグループホーム、短期入所などで算定できる加算のことです。今回は算定要件や算定対象者、厚生労働省のQ&Aまでまとめてご紹介します。

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 認知症専門ケア加算とは

認知症専門ケア加算とは、認知症介護について、国や自治体が実施又は指定する認知症ケアに関する専門研修を修了した者が介護サービスを提供した場合に算定できる加算のことをいいます。 認知症専門ケア加算は、平成30年度介護報酬改定により新設された加算です。 ここでは、「認知症専門ケア加算」について詳しくご紹介していきます。

平成30年度介護報酬改定の主な事項について

厚生労働省

認知症専門ケア加算の単位数

認知症専門ケア加算で算定できる単位数は以下の通りです。

認知症専門ケア加算 (Ⅰ)

3単位/日(新設)

認知症専門ケア加算 (Ⅱ)

4単位/日(新設)

認知症専門ケア加算の算定要件

認知症専門ケア加算の算定要件は以下の通りです。

認知症専門ケア加算(Ⅰ)

施設における利用者の利用者の総数のうち、日常生活に支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者の占める割合が2分の1以上

認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を、対象者の数が20人未満である場合にあっては、1以上、当該対象者の数が20人以上である場合にあっては、1に、当該対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施していること。

認知症専門ケア加算(Ⅱ)

認知症介護の指導に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、事業所又は施設全体の認知症ケアの指導等を実施していること。

当該施設における介護職員、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、当該計画に従い、研修を実施又は実施を予定していること。

平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

厚生労働省(2018)

認知症専門ケア加算の算定事業所

認知専門ケア加算の算定事業所で算定することができます。

○介護老人福祉施設(特養)

介護老人保健施設

短期入所生活介護

○介護予防短期入所生活介護

○短期入所療養介護

○介護予防短期入所療養介護

○介護医療院

認知症専門ケア加算のQ&Aについて

認知症専門ケア加算は平成30年度介護報酬改定により新設された加算です。 算定要件にも割合や人数など少し難しい話が多かったと思います。 そこで、認知症専門ケア加算の算定要件について「厚生労働省のQ&A」をご紹介します。

(問41)

認知症専門ケア加算の算定要件について、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合が1/2以上であることが求められているが、算定方法如何。

(答)

算定日が属する月の前3月間の利用者数の平均で算定する。

具体的な計算方法は、次問の看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の要介護3以上の割合の計算と同様に行うが、本加算は要支援者に関しても利用者数に含めることに留意すること。

※ 認知症高齢者の日常生活自立度の内容については、「認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準」の記事をご参照ください。

 

(問42)

看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の算定要件について、前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が70%以上であることが必要であるが、具体的な計算方法如何。

(答)

看護体制加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の算定要件である要介護3以上の割合については、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定する。

例えば、以下の例の場合の前3月の平均は次のように計算する(前年度の平均計算についても同様に行う)。

 

要介護度

利用実績(単位:日)

  1月 2月 3月

利用者1

要支援2

7 4 7

利用者2

要介護1

7 6 8

利用者3

要介護2

6 6 7

利用者4

要介護3

12 13 13

利用者5

要介護3

8 8 8

利用者6

要介護3

10 11 12

利用者7

要介護3

8 7 7

利用者8

要介護4

11 13 13

利用者9

要介護4

13 13 14

利用者10

要介護5

8 8 7

要介護3以上合計

70 73 74

合計(要支援者を除く)

83 85 89

①利用実人員数による計算(要支援者を除く)

・利用者の総数=9人(1月)+9人(2月)+9人(3月)=27人

・要介護3以上の数=7人(1月)+7人(2月)+7人(3月)=21人

したがって、割合は21人÷27人≒77.7%(小数点第二位以下切り捨て)≧70%

②利用延人員数による計算(要支援者を除く)

・利用者の総数=83人(1月)+85人(2月)+89人(3月)=257人

・要介護3以上の数=70人(1月)+73人(2月)+74人(3月)=217人

したがって、割合は217人÷257人≒84.4%(小数点第二位以下切り捨て)≧70%

上記の例は、利用実人員数、利用延人員数ともに要件を満たす場合であるが、①又は②のいずれかで要件を満たせば加算は算定可能である。

・なお、利用実人員数による計算を行う場合、月途中で要介護状態区分が変更になった場合は月末の要介護状態区分を用いて計算する。

まとめ

今回は、認知症専門ケア加算について算定要件からQ&Aまでまとめてご紹介しました。

平成22年度の厚生労働省の調査では、全国の65歳以上の高齢者について、認知症有病率推定値15%、認知症有病者数約439万人と推計されています。

また、全国のMCI(正常でもない、認知症でもない(正常と認知症の中間)状態の者)の有病率推定値13%、MCI有病者数約380万人と言われています。このうち、介護保険制度を利用している認知症高齢者は約280万人です。

 

「認知症施策推進5か年計画」(平成24年9月厚生労働省公表)の概要では、 「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指す、とされています。

 

今回の認知症専門ケア加算は平成30年度介護報酬改定により新設された加算であり、日本全体で認知症に対する取り組みが推進されていているのではないでしょうか。

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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