平成30年改定【訪問看護】|退院時共同指導加算の概要と算定要件

介護保険法

通所介護以外

更新日:2022/02/28

2018年(平成30年)医療介護同時改定において訪問看護で算定できる「退院時共同指導加算」の内容が一部変更されました。退院時共同指導加算の概要と算定要件について解説をしていきます。

退院時共同指導加算とは

退院時共同指導加算は、病院、診療所又は介護老人保健施設に入院中又は入所中の者が退院又は退所するに当たり、訪問看護ステーションの看護師等が退院時共同指導を行った後に、当該者の退院又は退所後、初回の訪問看護を実施した場合に、一人の利用者に当該者の退院又は退所につき一回(厚生労働大臣が定める状態(二十三号告示第五号を参照のこと。)にある利用者について、複数日に退院時共同指導を行った場合には二回)に限り、当該加算を算定できること。

この場合の当該加算は、初回の訪問看護を実施した日に算定すること。なお、当該加算を算定する月の前月に退院時共同指導を行っている場合においても算定できること。

引用元:介護報酬改定に関する通知の改正案(原案)P342


簡単に要約すると、患者さんや利用者さんが病院(診療所)又は介護老人保健施設から退院・退所した後も、安心して安全に生活することができるように退院・退所する前に医師や看護師等の関係者が共同で指導した場合に算定できる加算です。

この加算の目的は、医療機関と在宅での連携を強化する目的があると考えられます。

2018年診療報酬・介護報酬同時改定においてこの「退院時共同指導加算」の算定要件は現行のままで、報酬は増額となったことからも、連携強化が期待されていることが読み取れます。

退院時共同指導加算の算定要件

病院・介護老人保健施設に入院・入所中の方が対象となりますが、退院・退所後に指定を受けた訪問看護ステーションの看護師等と入院・入所している医師や看護師等が在宅療養する上での指導を共同で行った場合に「初回の訪問看護実施日」において、原則1回に限り算定することができます。

万が一、例えば6月に共同指導を行い、初回訪問看護が7月になった場合でも算定することは可能です。

また、この指導した内容については文書で提供し、記録として残す必要があります。
 

入院・入所先の職員医師・看護師・理学療法士・作業療法士・栄養士 等
指定訪問看護ステーションの看護師 等准看護師は除く

2018年の改定において退院時共同指導加算は増額

元々、退院時共同指導加算は600単位(6000円)の加算でしたが、算定要件の変更はなく800単位(8000円)に増額となりました。

また、厚生労働大臣が定める特別な管理が必要な方に対して退院時共同指導を行った場合、特別管理指導加算として2000円算定することが可能となりました。

厚生労働大臣が定める特別な管理が必要な方(別表第8号)とは

  • 在宅悪性腫瘍患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
  • 真皮を超える褥瘡の状態にある者

等々

まとめ

退院時共同指導加算の概要と算定要件についてまとめました。

2018年の改定では、訪問看護は全体的にプラス改定となっており、医療機関と地域医療の連携強化を推進していく目的から、退院時共同指導加算は増額された内容となっています。

退院時共同指導加算に限らず、ターミナルケア加算緊急時訪問看護加算特別管理加算などの加算をしっかり算定していくことで安定した運営につながります。

この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

■おすすめクラウドサービスツールのご紹介■弊社では、リハビリの専門家が作った運動プログラムを自動で提案する機能や目標設定が簡単に行えるテンプレート、個別機能訓練計画書の作成時間を大幅に削減できるリハプランというシステムを扱っております。

リハビリの専門家がサポートしますのでご安心してご利用いただけます。

もし、ご興味のある方は「無料お試し」もありますので、お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。⇒ リハプランはこちら

【加算・減算の関連記事のまとめ】

安定した介護経営を実現するためには、退院時共同指導加算の算定以外にもさまざまが加算の知識を身につけておく必要があります。そこで、関連する加算・減算の記事をご紹介します。

● 栄養スクリーニング加算とは【新設加算】
● ADL維持等加算とは【新設加算】
● 生活機能向上連携加算とは【新設加算】

加算について

● 通所介護の加算・減算の種類
● 個別機能訓練加算とは
● 口腔機能向上加算とは
● 運動器機能向上加算とは
● 栄養改善加算とは
● 栄養マネジメント加算とは
● 療養食加算とは
● 介護職員処遇改善加算とは
● サービス提供体制強化加算とは
● 若年性認知症利用者受入加算とは
● 認知症加算と中重度者ケア体制加算の違いとは
● 入浴介助加算とは
● 延長加算とは
● 特定地域加算と中山間地域等に居住する方へのサービス提供加算とは
● 夜勤職員配置加算とは
● 事業所評価加算とは

減算について

● 通所介護の送迎減算について
● 人員基準欠如減算について
● 定員超過利用減算とは

Rehab Cloudに待望の「レセプト」が新登場

リハビリ・LIFE加算支援の決定版「リハプラン」と記録、請求業務がスムーズにつながり、今までにない、ほんとうの一元管理を実現します。

日々お仕事をするなかで、「介護ソフトと紙やExcelで同じ情報を何度も転記している」「介護ソフトの操作が難しく、業務が属人化している」「自立支援や科学的介護に取り組みたいが余裕がない」といったことはありませんか?

科学的介護ソフト「Rehab Cloud(リハブクラウド) 」』なら、そういった状況を変えることができます!

ぜひ、これまでの介護ソフトとの違いをご覧頂ければと思います。



リハブクラウドでは、デイサービスの方向けに無料のメールマガジンを配信しております。日々のお仕事に役立つ情報や研修会のお知らせなどを配信します。ぜひメルマガ購読フォームよりご登録ください。

この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

関連記事