生活行為向上リハビリテーション実施加算のまとめ【加算】

介護保険法

通所介護以外

更新日:2022/02/28

生活行為向上リハビリテーション実施加算は、平成27年度の介護報酬改定により「通所リハビリ」で新設された加算です。平成30年度の介護報酬改定では、「介護予防通所リハビリ」においてもこちらの加算が算定できるようになりました。そこで今回は、生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件や各介護サービスの点数、届出・申請の方法、厚生労働省のQ&Aまでまとめてご紹介します。

生活行為向上リハビリテーション実施加算とは

生活行為向上リハビリテーション実施加算とは、日常生活動作や社会参加などの生活リハビリを実施し、実際の生活場面での能力向上が向上した場合に算定できる加算です。

生活行為向上リハビリテーションの仕組みを介護予防給付に導入することで「ご利用者様のQOLの向上」「IADLの向上」「地域社会への参加を促す」ことを目的としています。

対象事業所

平成27年度の介護報酬改定にて「通所リハビリテーション」で算定できるようになりました。平成30年度の介護報酬改定にて「介護予防通所リハビリテーション」でも算定できるようになりました。

生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件

それでは、生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件を確認していきましょう。

  1. 生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識若しくは経験を有する作業療法士または研修を修了した理学療法士・言語聴覚士が配置されていること。
  2. 生活行為の内容の充実を図るための目標、実施頻度、実施場所等が記載されたリハビリテーション計画を定めて、リハビリテーションを提供すること。
  3. 指定通所リハビリテーションの終了前1月以内にリハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションの目標の達成状況を報告すること。
  4. リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を算定していること。

注意点

短期集中個別リハビリテーション実施加算または、認知症短期集中リハビリテーション実施加算、事業所評価加算を算定している場合は、生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定できないので注意する。

生活行為向上リハビリテーション実施加算の点数

生活行為向上リハビリテーション実施加算の点数は、「通所リハビリ」と「介護予防通所リハビリ」で大きく異なります。

通所リハビリの点数(平成27年度の介護報酬改定より)

  • 開始月から起算して3月以内の期間に行われた場合    :2000単位/月
  • 開始月から起算して3月超6月以内の期間に行われた場合 :1000単位/月

介護予防通所リハビリの点数(平成30年度の介護報酬改定より)

  • 開始月から起算して3月以内の期間に行われた場合   :900単位/月
  • 開始月から起算して3月超6月以内の期間に行われた場合:450単位/月

※ただし、当該加算を算定後に通所リハビリテーションを継続利用する場合は、翌月から6月間に限り1日につき所定単位数の100分の15に相当する単位数を所定単位数から減算する

生活行為向上リハビリテーション実施加算の届出・申請方法

次に、生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定するために必要な届出書類について紹介します。

  1. 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
  2. 生活行為向上リハビリテーション実施加算に関する状況
  3. リハビリテーションを提供する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士免許証
  4. 生活行為の充実に関する研修を修了した場合はその修了証、実務経験の場合は経歴書
  5. 通所リハビリテーション計画書様式、通所リハビリテーション記録簿様式(任意様式)
  6. リハビリテーション会議録(任意様式)
  7. 利用者数に対して理学療法士等の配置が適切であるか
  8. リハビリテーションマネジメント加算Ⅱ,ⅢまたはⅣ(介護予防の場合、リハビリテーションマネジメント加算)を算定しているか。

※上記内容は福岡県の例です。詳細は各都道府県または各区役所にお問い合わせ下さい。

参照:福岡県庁「平成30年度介護報酬改定に係る加算届の提出について」(平成30年6月14日アクセス)

生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定は難しい!?

通所リハビリテーションにおける生活行為向上リハビリテーション実施加算の取得率「0.05%」 と非常に低い状態となっています。

この原因は、生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件である「リハビリテーションマネジメント加算の算定要件」をクリアすることが難しいことが挙げられます。

「医師のリハ会議への参加が困難」が56.2%「医師からの説明時間が確保できない」が49.6%

引用元:厚生労働省「通所リハビリテーションの報酬・基準について」(平成30年6月14日アクセス)

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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