足浴の手順と注意点について解説!

足浴(そくよく)の正しい手順・やり方を知っていますか?全身浴やシャワー浴が難しい方のケアの1つに足浴があります。足浴とは、足先だけを洗う入浴方法で、足先のきれいに保つだけでなく、血行循環の改善やリラックス効果が得られるケアです。そこで今回は、足浴の基礎知識としてケアの手順や注意点についてまとめてご紹介します。

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足浴とは

足浴とは

足浴(そくよく)とは、部分浴の一つで、全身浴やシャワー浴などの入浴をすることが難しい方を対象に足先からふくらはぎを温めたり、足先を洗う入浴法です。

 

そんな足浴は、どのような方を対象にケアをするのが良いのでしょうか?

足浴を効果的に行うための基礎知識として、まず足浴の対象者についてご紹介します。

こんな方にオススメ

足浴の対象者

◎全身浴やシャワー浴が難しい方

◎心疾患などの影響により血圧など心臓に負担がかけれない方

◎ベッド上に寝たきりの方

◎糖尿病などの影響により足部の衛生保持が必要な方

◎かかとの褥瘡など衛生管理や浸出液の除去が清拭のみでは困難な方

◎通常の入浴だけでは足の清潔保持が不十分の方

◎リラックスしたい方

◎足のむくみや痺れがある方

◎体力の消耗が激しい方

笠原 佑夏 文京学院大学人間学部研究 Vol.10 No.1 2008「足浴のリラクセーション効果に関する検討」
平成29年10月30日アクセス

足浴の効果

足浴の効果

足を温めたり、足先を洗う「足浴の効果」は、足を綺麗にするだけではありません。足浴の効果をまとめてご紹介します。

足浴の効果

・足の清潔を保持する

・足先の血行循環の促進

・痛み、しびれの緩和

・リラクゼーション効果

・ストレスの緩和

・皮膚状態の悪化の早期発見など

このような足浴の効果から医療や介護の現場では、「看護計画」や「通所介護計画」の中でも、ケアの項目として足浴が記載されることが多くあります。

 

▼足浴の効果と最適な温度・時間についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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足浴の効果と最適な温度とは?介護初心者のための【豆知識】

清潔を保持や血行の循環を向上させる効果が期待できる足浴の最適なお湯の温度はどれくらいか知っていますか?こちらでは、足浴の効果と最適な温度についてご紹介します。

足浴に最適な温度

足浴の温度

足浴の手順をご紹介する前に、実際に足浴を行う際に一番重要となるお湯の温度足浴時間についてご紹介しておきます。

 

吉永・吉本ら(2005)

最適な温度は39~42℃、足浴時間は7~30分

金子ら(2009)

お湯の温度は40°C、足浴時間は15分

 

足浴のお湯の温度には好き好きがありますが、心臓に大きな負担をかけることなく、足先の循環を促進させたり、リラックス効果が得るためには、上記の温度と時間がポイントとなります。

足浴を行う際にはこれらのポイントを必ず抑えておくようにしましょう!

金子 健太郎 日本看護技術学会誌 Vol.8 , No.3「足浴が生体に及ぼす生理学的効果 ―循環動態・自律神経活動による評価―」
平成29年10月31日アクセス

足浴の5つの手順

足浴の手順

では、ここからは実際に足浴を行う場合の手順についてご紹介します。

足浴は、基本的に以下の5つの手順に沿ってケアを行います。

足浴の5つの手順

1)足浴の準備をする

2)洗浄をする

3)かけ湯をする

4)拭き取る

5)薬を塗る

次章より、この手順に沿っての介助方法について詳しく解説していきます。


▼「全身浴」や「シャワー浴」などの入浴の介助方法については、こちらの記事でご紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。

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入浴介助の注意点とポイント|入浴用の福祉用具もご紹介【基礎知識】

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足浴の方法「足浴の準備をする」

足浴の方法

足浴の手順として、まずは「足浴の準備」を行います。意外にも多いのが準備するものです。お湯が冷めないように足浴を行うためには、基本的な準備を整えておくことが大切になります。

 

『備えあれば憂いなし』

 

まずは、足浴の基本的な準備品についてご紹介します。

足浴で準備するもの

●バケツ

足のくるぶしが入る深さのバケツ

●防水シート

バケツの下に敷く防水シート(ビニールシート)

●お湯

39度~42度のお湯

●ピッチャー

お湯が冷めた時に継ぎ足す、かけ湯のためのお湯(39度~42度)

●温度計

お湯の温度を測るもの

●手袋

スタッフの感染予防のための手袋

●ビニールエプロン

スタッフの汚染予防のためのエプロン

●ガーゼ

足先を洗うためのガーゼ

●せっけん

足先を洗うための石鹸

●バスタオル

膝下の露出部分を保温するためのバスタオル

●タオル

足浴後に足をふくタオル

●保湿剤または塗り薬

足浴後に足先に塗る保湿剤または医師から処方されている塗り薬

足浴の準備のポイント

・事前にご高齢者の体調や傷口がないかなど足の状態を確認する

・事前にトイレは済ませておくように伝える

・お湯の量は足の甲、くるぶしがつかる程度にする

・お湯の温度が冷めないように温度を計りながらお湯を継ぎ足す

・糖尿病や麻痺など感覚が鈍い方は、事前に健側の足または手でお湯の温度を確認してもらう

足浴の方法「洗浄をする」

足浴の方法

足浴の手順として、次に「洗浄」を行います。

まず準備したバケツ(お湯)に足を3〜5分ほどつけておき、その間にスタッフはビニールエプロンと手袋を着用します。準備したせっけんをガーゼに付け、軽く泡立ててから足先から足首までを洗います。その際に、足に傷口には気をつけて洗いましょう。また、足の間は不衛生となりやすいため念入りに洗うようにしましょう。

足浴の洗浄のポイント

・長くお湯に足をつけると皮膚が柔らかくなってしまうため注意する

・お湯の温度が下がらないように注意する

・せっけんは泡立て過ぎないようにする

・お湯が汚れる場合は、足し湯やお湯の交換をする

・足の指、足の裏はくすぐったいため本人に確認しながら洗浄する

足浴の方法「かけ湯をする」

足浴の方法

足浴で足の洗浄が終わったら、次に「かけ湯」を行います。

足浴のかけ湯には、せっけんを流す目的と足首・ふくらはぎを温める目的があります。事前に準備しておいたピッチャー(39度~42度)のお湯でせっけんを流し、そのあとは足の甲、くるぶし、ふくらはぎなどにかけ湯を行います。足の保温効果を高めるために膝下の露出部分をバスタオルで保温しておくと、なお良いでしょう。

足浴のかけ湯のポイント

・長時間の足浴は、足をふやけさせ皮膚の損傷の原因になるため注意します

・足浴時間は、最大でも15分〜30分程度にします。

・リラックス効果を促すためアロマオイルなどを使用する場合は感染症などの悪化も考慮し、事前に医師や看護師に確認しておく

足浴の方法「拭き取る」

足浴の方法

足浴で足のかけ湯が終わったら、足についたお湯の「拭き取り」を行います。

お湯の拭き取りは、足専用のやわらかいタオルを準備しておくと良いでしょう。また、感染症予防のために本人専用のタオルを事前に準備していただくように依頼しておくことも忘れないようにしましょう。

足浴の拭き取りのポイント

・お湯が滴り落ちないように足先からかかとの順番に拭くと良い

・足の指の間が湿らないようによく乾燥させるように注意する

▼身体を拭くケアのことを清拭(せいしき)と呼びます。清拭の手順や注意点についても合わせて学んでみませんか?詳しくはこちらをご覧ください。

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清拭(せいしき)はどうすればいいの?清拭の手順と注意点の基礎知識

清拭の目的や各部位ごとの清拭の手順・注意点についてまとめてご紹介します。

足浴の方法「薬を塗る」

足浴の方法

足浴で足についたお湯を拭き取ったら、最後に「薬を塗る」ケアを行います。

足浴後に足先に塗る保湿剤または医師から処方されている塗り薬がある場合は、適切な部位に最適な量を塗っていきます。ただし、傷口がある場合など看護師による特別なケアが必要になる場合がありますので事前に確認しておくようにしましょう。

足浴の薬を塗るポイント

・必ず、足についた水気をとってから塗り薬を塗ります。

・塗り薬は、足浴後30分以内に行います。

足浴の注意点

足浴の注意点

ここまで足浴の基本的な5つの手順についてご紹介しました。

ここでは、足浴を行う場合の注意点について詳しくご紹介します。
 

足浴の注意点

・足に傷口などの創傷がないか確認した上で、感染しないように注意する。

・事前に、水虫や白癬(はくせん)などの感染症がないか確認する。

・雑菌の繁殖や感染症を起こさないように足についた水分をしっかり拭き取る。

・足浴後は皮膚がふやけて柔なくなっているので皮膚の剥離に注意する。

・足浴後の体力消耗や血圧の変動に注意し、椅子に座って休憩を促す。

・脱水を起こさないように水分摂取を促す。

・ご利用者が感覚障害がある場合はヤケドを起こさないようにお湯の温度に注意をする。

足浴を避けた方が良い場合とは

足浴の注意点

ここまで、足浴の手順や注意点についてご紹介してきましたが、足浴を避けた方が良いと判断される場合についても合わせてご紹介しておきます。足浴のケアを考えている方の中でも以下のような方がいれば、中止するようにしましょう。

足浴を避けた方が良い場合

1)酸素の投与を受けている場合

2)重度の心臓疾患の場合

3)高熱を出している場合

4)重度の麻痺、感覚障害がある場合

まとめ

足浴まとめ

足浴は、入浴が難しい方であっても足先の清潔保持や血液循環を促す効果が期待できるケアです。さらに、信頼できる看護師や介護士さんに足をマッサージしてもらったり、綺麗にしてもらうことで心理的にリラックスことができたり、1対1で何気ない会話をすることができるコミュニケーションを図る機会にもなります。

患者様・ご利用者様が気持ちよく足浴を楽しんでもらえるように、私たちスタッフが正しい足浴の手順最適な温度注意点について理解し、明日からの現場に生かしていただければ幸いです。

 

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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