足浴の効果と最適な温度とは?

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更新日:2024/04/15

足浴(そくよく)は、足の清潔を保持する方法です。足浴の効果と最適な温度について紹介します。入浴と比べても体への負担が比較的少なく安全性が高いため、医療や介護現場でもケアとして行われています。清潔を保持や血行の循環を向上させる効果が期待できる足浴の最適なお湯の温度はどれくらいか知っていますか?そこで今回は、足浴の効果と最適な温度についてご紹介します。介護初心者の豆知識として参考にしてください。

足浴とは

足浴とは

足浴とは、足の清潔を保持する方法「部分浴」の一つです。全身浴やシャワー浴が困難な方を対象として、足先からふくらはぎ辺りまでを洗う入浴法です。

下腿から足部を温めることで、足先に溜まった老廃物を流すなど血行の循環を向上させる効果があります。

また、足を洗うことで足部および足指の間や爪などの清潔保持はもちろんのこと、マッサージ効果で血行の促進なども期待できます。

足浴の特徴

足浴は、通常の入浴に比べると体力の消耗や血圧の上昇も比較的少ないので、心臓に負担をかけれず、安全性の高い入浴法です。さらに、足浴はベッドに寝たままでもできるので、重度の障害を持った方でもケアできるのが特徴です。


▼足浴は、入浴や清拭など清潔保持のためのケアの1つです。「全身浴」や「シャワー浴」などの入浴の介助方法については、以下の記事でご紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。

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足浴の効果について

足浴の効果

患者様・ご利用者様の負担が少なく、比較的かんたんに取り組める足浴(そくよく)ですが、得られる効果はいっぱいあります。足浴の効果をまとめてご紹介します。

足浴で足の清潔を保持する効果

全身浴やシャワー浴ができない方の清潔を保つのは大変です。足浴は皮膚を清潔に保ち、水虫や白癬(はくせん)などの感染症を予防する効果が期待できます。また、足浴の後は足の爪が柔らかくなっているため切りやすくなります。

足浴で足先の血行循環の促進効果

足先やふくらはぎは血流が滞りやすくなります。足浴で足を温め、マッサージするように洗うことで血行を良くする効果が期待できます。

足浴でリラックス効果・ストレスの緩和効果

足浴で足を温めることで凝り固まった筋肉を緩め痛みを緩和する効果が期待できます。また、副交感神経を優位にすることができるのでリラックス効果も得ることができます。最近では、マッサージを行ったり、お湯の中にアロマオイルなどを入れる方法もリラクゼーション効果を高める方法として紹介されています。

足浴時の足の皮膚状態の観察

普段の生活では靴下や靴を履いているため、足先や足の指の観察ができていないことも多いのではないでしょうか。足浴では普段目の届かない足の観察をすることで皮膚の異常などを早期に発見することができます。

参照:工藤うみ, 工藤せい子, and 冨澤登志子. “足浴における洗い・簡易マッサージの有効性.” 日本看護研究学会雑誌 29.4 (2006): 4_89-4_95.(平成29年11月6日アクセス)

足浴に最適な温度と時間について

足浴の最適な温度と時間

足浴に最適な温度とは、何度くらいか知っていますか?

足浴の温度と時間

足浴の温度と時間について調べてみると、いくつからの論文をまとめた吉永・吉本ら(2005)によると、以下のように報告されています。

足浴の最適な温度[39~42℃]

足浴時間[7~30分]

お湯の温度は好き好きがありますが、基本的にはお風呂と同じくらいの温度ということがわかります。

足浴の最適な時間

足浴の最適な時間に関しては、参考文献によって幅がありますが、金子ら(2009)によると以下のように報告されています。

足浴の湯温40°Cで足浴時間15分を実施した結果

「全身循環に大きな負担をかけることなく、かつ末梢循環を促進・維持させ、自律神経活動に関しては、足浴後に副交感神経活動を賦活化させ、交感神経活動を抑制することが確認された」

足浴の最適な温度と時間には幅がありますが、これらの論文をぜひ参考にしてみてください。

参照:金子 健太郎 日本看護技術学会誌 Vol.8 , No.3「足浴が生体に及ぼす生理学的効果 ―循環動態・自律神経活動による評価―」(平成29年10月31日アクセス)

まとめ

足浴のまとめ

今回は、「足浴の効果」と「足浴の温度・時間」について豆知識をご紹介しました。

入浴や清拭の1つである足浴は、心臓病や要疲労性のある方にとって身体への負担が少なく、足先の清潔保持をしたり血行循環の改善やリラックス効果が得られるケアです。

足浴の効果と最適な温度を学んだ後は、足浴のやり方について学んで行きましょう!


▼足浴の介助手順と注意点、足浴に関する介護保険サービスの留意点を確認してみよう!

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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