FIMのコミュニケーション(理解・表出)の採点方法とは

FIMの認知項目の中でもコミュニケーションである「理解」「表出」が難しいと悩んでいる方はいませんか?FIMのコミュニケーション項目は、音声(非音声)、聴覚、視覚(ジェスチャーなど)により意思疎通を図る際の理解状況または、言語表出を評価します。今回はこの「理解」「表出」の2項目の採点方法について解説します。

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FIMのコミュニケーション項目の採点基準について

FIMの認知項目であるコミュニケーションには「理解」と「表出」の2種類があります。

こちらの評価・採点方法をご紹介する前に、認知項目であるコミュニケーション(理解・表出)の基本的な採点基準を解説します。




【FIMの認知項目の採点基準】
◎7点(完全自立)
・複雑な事項を「自立」して一人でできる。

◎6点(修正自立)
・通常以上の時間がかかる。
・投薬している。
・安全性の配慮が必要。

◎5点(監視・補助・最小介助)
・監視、準備、指示、促しが必要。
・簡単な事項に介助が10%未満必要。

◎4点(最小介助)
・「75%以上90%未満」は自分で行う。

◎3点(中等度介助)
・「50%〜75%未満」は自分で行う。

◎2点(最大介助)
・「25%〜50%未満」は自分で行う

◎1点(全介助)
・「25%未満」しか自分で行わない。


FIMの運動項目と大きく異なるポイントは、5点の採点基準が監視・補助だけでなく「介助が10%未満」も含まれることです。




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FIMの「理解」の採点ポイント

それでは、具体的にFIMのコミュニケーション項目である「理解」の採点を行う場合のポイントをご紹介します。

理解の採点ポイント

1. 理解の評価範囲は、相手の指示や会話が「①どのくらい分かっているか」「②どのくらい介助(配慮)が必要か」で評価します。
2. 理解の介助(配慮)とは、ゆっくり話す、繰り返す、分かりやすい言葉を選ぶ、特定の語句を強調する、間を置く、視覚またはジェスチャーによる手がかりを利用する。
3. 6,7点の採点は複雑な課題で評価する。
※複雑な課題とは集団会話、テレビや新聞などの話題、金銭や宗教などの話題
4. 5点〜1点の採点は簡単な課題(基本的な欲求)を評価する。
※簡単な課題とは食事、排泄、睡眠、痛み、体調などの話題
5. 5点〜1点の採点をする場合は、10回中何割がスムーズに会話ができるかで評価すると良い。
6. 2点の採点は「単語レベル」「ジェスチャー」「YES/NO」で伝わるかで採点する。

理解の採点の注意点

・言葉の理解をすることを評価するため、その後物事を正しく判断するかは評価対象外とする。
・5点の採点は、簡単な内容が90%以上理解できるか、または複雑な内容を繰り返して話すと理解できるかで採点する。

難聴の場合の採点事例について

では、実際の現場で採点することが難しいと感じることの多い、難聴の場合のFIMのコミュニケーションである「理解」の採点事例をご紹介します。


▶︎事例1
耳が遠いため補聴器などの使用していれば、複雑な内容が理解できる
○採点:6点
○解説:複雑な内容を理解しているが補助具などの配慮が必要なため

▶︎事例2
耳が多いため日常生活で少し大きな声で話しかければ、複雑な内容が理解できる
○採点:5点
○解説:大きな声を出すなどの配慮を最小介助「10%」未満と判断するため

▶︎事例3
難聴もあり、意識状態もムラがあるため声かけをしても反応に乏しく理解できない
○採点:1点
○解説:単語レベルや大きな声で話しかけれも理解できないため

失語症の場合の採点事例について

次に、悩むことが多いのが失語症の場合です。失語症の場合は、言葉が分かっているのか判断がつかない場合があるのではないでしょうか?そこで、失語症の場合のFIMの理解の採点事例をご紹介します。

▶︎事例1
テレビ番組や新聞記事の内容など複雑な内容を理解できるがわかりやすく話す必要がある
○採点:6点
○解説:複雑な内容をわかりやすく話す配慮が必要となるため

▶︎事例2
金銭、社会問題などに関する会話を繰り返し行うと理解できる
○採点:5点
○解説:複雑な内容を理解してもらうために話を繰り返す必要がある場合は5点とする

▶︎事例3
日常会話の内容を普通に説明するとだいたい(75%以上)の内容を理解できる
○採点:3点
○解説:簡単な話を配慮なしに75%以上理解しているため

▶︎事例4
日常会話の内容を短い語句で説明すれば理解できる
○採点:2点
○解説:短い語句で説明は「25-50%」の配慮に該当するため

 

※基本的に失語症で、言葉が理解できているか判断できない場合は、理解できている割合より、話をする側の配慮がどれくらい必要かの割合を考えて採点する方が実用的とされています。

FIMの「表出」の採点ポイント

では、続いてFIMのコミュニケーション項目の中でも「表出」の採点を行う場合のポイントをご紹介します。

表出の採点ポイント

1. 自分の欲求や考えを相手に「どのくら伝わっているか」「聞き取るためにどのくらい配慮が必要か」で評価します。
2. 表出の介助(配慮)とは、ゆっくり話させる、繰り返させる、わかりやすく言い直させる、間を置かせる、視覚またはジェスチャーなどを利用する 。
3. 6,7点は複雑な課題で評価する。
※複雑な課題とは集団会話、テレビや新聞などの話題、金銭や宗教などの話題
4. 5点〜1点は簡単な課題(基本的な欲求)で評価する。
※簡単な課題とは食事、排泄、睡眠、痛み、体調などの話題
5. 5点〜1点の採点をする場合は、10回中何割がスムーズに会話の理解ができるかで評価すると良い。
6. 2点の採点は「単語レベル」「ジェスチャー」「YES/NO」で伝えることができるかで採点する。

表出の採点の注意点

・伝えようとする内容の良し悪しは評価対象外とします。
・質問した内容と違うことが返ってきても減点にはなりません。

失語症の場合の採点事例について

FIMの「表出」の項目の中でも失語症の場合の採点事例をご紹介します。

 

▶︎事例1
日常生活についてははっきりと伝えることができるが、失語症のため金銭的なことや退院後のことについては議論することができなかった。
○採点:5点
○解説:日常生活の簡単な内容を伝えることができるため

▶︎事例2
物を指差して「私に下さい」と言えるが、失語症のため服が欲しくても「帽子をください」と間違えることが1/3回はある。
○採点:3点
○解説:「50%〜75%未満」は内容を伝えることができるため

▶︎事例3
失語症がありジェスチャーで日常の用を伝えている。
○採点:2点
○解説:「単語レベル」「ジェスチャー」「YES/NO」は2点となるため

まとめ

FIMの評価の中でも認知項目であるコミュニケーション社会的認知項目の採点が難しいと思われる方も多いのではないでしょうか。座学で正しいFIMの採点方法を学んだ後は、実際の症例に点数をつけていき、他のスタッフの点痛との違いを話し合うことで採点の精度を高めていきましょう!

 

デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。

→→ 【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新

 

▼コミュニケーション(理解・表出)を学んだ後は、合わせて社会的認知(社会的交流・問題解決・記憶)の採点方法も学んでみませんか?FIMの社会的認知の採点方法については下記の記事をご覧ください。

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【終わりに筆者より】
リハプラン では、FIMの採点方法以外にも介護現場で活用できる評価方法についてご紹介しています。「この評価はどう採点したらいいの?」などお悩みがありましたら専門家に直接相談することもできます。ぜひ一度ご相談ください♬

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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