片脚立位のカットオフ値と簡単な測定方法をご紹介!

片脚立位の評価方法やカットオフ値を知っていますか?今回は、バランス評価の中でも簡便に検査できる片脚立位について測定方法から評価の指標となるカットオフ値まで紹介します。身体機能評価の1つとして参考にしてみましょう。

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片脚立位の評価とは|どんな検査なのか?

片脚立位の評価とは

片脚立位の評価とは、片脚立ちで姿勢を保っている時間を測定する簡易なバランス検査です。片脚立位の評価方法には、目を閉じて測定する「閉眼片脚立位」と目を開けて測定する「開眼片脚立位」の2種類があります。特に、ご高齢者に測定する場合は、「開眼片脚立位」で測定するのが一般的です。

片脚立位の診断基準

片脚立位の評価は、日本整形外科学会でもTUGの評価と共に「運動器不安定症状」を診断する機能評価基準の1つとして指定しています。

--機能評価基準--

⑴ 開眼片脚起立時:15秒未満

⑵ TUG(3m timed up-and-goテスト):11秒以上

以上のことから、高齢者を対象としたデイサービスやデイケアなどの介護現場においても、片脚立位の評価が活用されることが多くなっています。

▼片脚立位とともに測定することの多い「TUG」の評価方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【関連記事】

TUG評価のカットオフ値とは|評価初心者でも分かる測定方法

TUGの評価で知っておきたい評価方法とカットオフ値(基準値)をご紹介します。

片脚立位のカットオフ値|何が分かるの?

片脚立位の評価は、運動器不安定症のリスクや転倒のリスクを判断するために活用されますが、これらを判断するための指標となるカットオフ値をご存知でしょうか?

リハビリで活用されるカットオフ値

片脚立位は、簡易的に測定できるため高齢者の身体機能の評価として幅広く活用されています。そのためカットオフ値や平均値も様々なものが公表されています。そのなかでも、リハビリテーションの専門家でもある理学療法士・作業療法士の評価の指標として、よく活用されている片脚立位のカットオフ値です。


⑴開眼片脚立位では「15秒未満」で運動器不安定症のリスクが高まる


⑵閉眼片脚立位では「5秒以下」
 開眼片脚立位では「20秒以下」で転倒リスクが高まる

(参考文献:PTジャーナル 2009,9 高齢者の運動機能と理学療法)

年齢別のカットオフ値

合わせて片脚立位の年齢別の基準値もご紹介します。片脚立位の目標数値として参考にしてください。

・40歳以上:180秒 


・60歳代 :70秒


・80歳代 :10秒

片脚立位の測定方法|どうやって測定すればいいの?

では、実際に片脚立位の測定方法をご紹介します。

片脚立位の測定方法


● 両手を腰にあて、片脚を5cm程度あげている時間を測定する。
● 左右2回測定し、最も良い記録を測定する。
● 測定は、60秒または120秒を上限とする。

測定終了の基準

● 上げた足が、床に付いたとき。
● 支持している足がずれたとき。
● 腰から手が離れたとき。
● 上げた足が反対の足に触れたとき。

片脚立位で準備するもの|評価前に何を準備すればいいの?

片脚立位の評価をする場合は、以下の物品を準備することですぐに検査を始めることができます。

【片脚立位で準備するもの】

(1) ストップウォッチ

(2) 紙と鉛筆(検査者の記載用)

片脚立位の注意点|評価で気をつけることは?

片脚立位テストを行う場合は、以下の点に注意して測定するようにしましょう。

【片脚立位の注意点】

(1) 片足立ちの際に、足を巻きつけたり反対の足に固定しないように注意する。

(2) バランスを崩して転倒しないように注意する。

(3) バランスが不安な方は、背中を壁に向けた位置で検査する。

(4) 近くに鋭利なものを置かないように配慮する。

その他の評価法|
他に転倒リスクの評価はあるの?

片足立位テスト以外にも高齢者の転倒リスクを判断する方法は様々あります。転倒リスクに関与するバランス評価を紹介します。

【転倒リスクの評価】

(1)Functional Reachテスト

測定方法は、足を肩幅に揃えて腕を肩関節90度挙げます。足を前に出すことなく、中指を目安に最大限にリーチした距離を測定します。3回テストを行い、最後の2回の平均値を求めます。

【カットオフ値】
⑴虚弱高齢者の場合は、18.5cm未満は転倒リスクが高い 
(参考論文:Thomas et al., Arch Phys Med Rehabil. 2005)
⑵脳卒中片麻痺患者の場合は、15cm未満で転倒リスクが高い
(参考論文:Acar & Karats, Gait Posture 2010)
⑶パーキンソン病患者の場合は、31.75cm未満で転倒リスクが高い
(参考論文:Dibble & Lange, J Neurol Phys There 2006)などと報告されています。

(2)BBS(Berg balance Scale)

バランス能力や協調性、筋力、持久力、柔軟性、感覚など複合的な要素を測定するため、立ち上がりや360°方向転換などの14項目から測定します。

【カットオフ値】
最大スコア(56点)
0-20点:バランス障害あり
21-40点:許容範囲のバランス能力
41-56点:良好なバランス能力


(3)TUGテスト(Time UP&Goテスト

測定方法は、椅子に深く座った状態で開始し、椅子から立ち上がり、無理のない早さで歩き、3m先の目標物を回って椅子に座るまでに要する時間を測定します。

⑴13.5秒以上:転倒リスクが予測される
⑵30秒以上:日起居動作や日常生活動作に介助を要す
⑶11秒以上:運動器不安定症を判断する基準として、
(参考:公益社団法人 日本整形外科学会 運動器不安定症の定義と診断基準)

▼転倒リスクを判断するバランス評価について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。

【関連記事】

バランス評価とは

転倒リスクを判断する評価方法についてご紹介します。

転倒予防の方法|予防する方法とは?

ご高齢者の転倒の原因には様々な要因があり、一人ひとりによっても異なります。そのため、片脚立位テストやファンクショナルリーチテストなど様々な評価を組み合わせて転倒リスクを把握した後に、その要因に合わせた転倒予防に取り組んでいく必要があります。

ご高齢者の転倒予防に効果的な方法は、集団や個別での「運動」とされています。特に「複合要素のプログラム」が転倒予防に有効です!

【転倒予防の種類】

(1) ストレッチ

(2) 持久力訓練

(3) 筋トレ

(4) ステップ訓練

(5) バランス訓練

(6) 二重課題など

▼ご高齢者の転倒の原因から転倒予防の方法を下記の記事で詳しく解説しています。評価の方法を学んだ後は転倒予防の方法も学んでみませんか?

【関連記事】

高齢者の転倒予防の基礎知識

転倒の原因から体操方法まで徹底解説します。

まとめ

片脚立位は、バランス検査の1つとして「転倒リスク」や「運動器不安定症」を判断する評価方法です。転倒の要因やリスクは1つの評価だけで確定できるものではありません。様々な検査方法を組み合わせて高齢者の転倒予防に努めていきましょう。

リハプランでは、医療や介護現場で活用できる身体機能評価について詳しくご紹介しています。ぜひその他の測定方法についても学んでみてください。

 

デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。

→→ 【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新

 

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著者プロフィール

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リハビリ専門職(作業療法士)として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーションを技術を高めるため研修会を立ち上げ、これまでに100名規模の研修会も開催された。現在は、「職種を越えたリハビリ介護を実現する」をテーマに、リハプランの専属ブロガーとして活躍中。作業療法士の専門性を活かして、介護事業所で算定できる加算・減算の中でも「個別機能訓練加算」について算定要件や計画書の書き方、機能訓練プログラムについて執筆している。

〜筆者の想い〜
通所介護事業所(デイサービス)の約8割は、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が不在のため、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練を実施しているのが現状です。機能訓練指導員が、高齢者にあった最適な運動を提供するために必要なノウハウをわかりやすく解説します。

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